2017年05月12日

マクロンは本当に2017年フランス大統領選挙で有権者の支持を得ていたのか?

2017年フランス大統領選(コンドルセ式選挙制度のシミュレーション).xlsx
2017年フランス大統領選挙はフランス式2回投票制によってマクロンが勝利を収めました。しかし、コンドルセ式選挙制度であれば、マクロン勝利という結果にはならなかった可能性があります。

コンドルセ式選挙制度とは、投票者が候補者すべてに選好順位を付けた投票を行い、候補者に総当たり戦、すなわちあらゆる組み合わせの2人対戦を行わせ、全投票者による絶対多数決で候補者間の選好順位を決めるものです。

実際の第1回投票では下記の有力4候補がかなりの接戦でした。

エマニュエル・マクロン(中道、無所属、新自由主義)
マリーヌ・ルペン(極右、国民戦線、保護主義)
フランソワ・フィヨン(中道右派、共和党、新自由主義) 
ジャンリュック・メランション(左翼党、反新自由主義)

2017年フランス大統領選挙を下記の仮定で単純化して、コンドルセ式選挙制度のシミュレーションをしてみます。

仮定1:上記4候補が立候補し、第1選好投票(第1回投票に相当)の得票数は下記の通りとする。

マクロン   24
ルペン    23
フィヨン   22
メランション 21

仮定2:フィヨン支持者の選好順位はフィヨン>マクロン>メランション>ルペンとする。
仮定3:マクロン支持者の選好順位はマクロン>フィヨン>メランション>ルペンとする。
仮定4:メランション支持者の選好順位はメランション>フィヨン>マクロン>ルペンとする。
仮定5:ルペン支持者の選好順位はルペン>フィヨン>マクロン>メランションとする。

結果は、フィヨン>マクロン>メランション>ルペンという選好順位となり、マクロンではなくフィヨンが勝者となります。

コンドルセは、フランス式2回投票制のように相対多数の上位2名だけで決選投票を行うことの不合理を教えているのです。


太田光征
posted by 風の人 at 01:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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