2014年10月26日

台湾婦女救援基金会声明 朝日新聞の「慰安婦」報道撤回について

-------- Original Message --------
Subject: [CML 034587] 台湾婦女救援基金会声明 朝日新聞の「慰安婦」報道撤回について
Date: Tue, 21 Oct 2014 22:02:00 +0900
From: donko@ac.csf.ne.jp
Reply-To: 市民のML
To: cml@list.jca.apc.org

 坂井貴司です。
 
 [awc_kyuyama]からの転送です。
 
 朝日新聞の吉田証言撤回について台湾の女性団体が、従軍慰安婦の存在を否定
するような空気が日本を覆っていることを厳しく批判する声明を出しました。
 
(ここから)


台湾 婦女救援基金会が「朝日新聞の「慰安婦」報道撤回について」声明を出し
ましたので日本語訳を添付でお送りいたします。

拡散していただければと思います。

婦女救援基金会 声明
朝日新聞の「慰安婦」報道撤回について

 日本の「『朝日新聞』は、1982年に日本の軍人吉田清治氏の証言を引用して、
「慰安婦」問題に関する一連の報道を掲載し、日本軍が朝鮮半島において女性た
ちを暴力によって強制連行し、「慰安婦」にしたと指摘した。しかしながら、先
月『朝日新聞』は「吉田清治の当時の証言には誤りがあった」との理由でこれま
での報道を撤回した。この事が明らかになるや日本の社会ではかまびすしい議論
が起こり、さらに日本の右翼勢力に「慰安婦」問題をひっくり返す機会を与える
こととなり、安倍晋三首相らを含めた右翼勢力が『朝日新聞』の当時の報道が国
家のイメージを損なったとして、次々と非難し、朝日新聞社に対して謝罪を求め
た。右翼的なメディアもこれに乗じて『朝日新聞』を攻撃し続け、当時記事を書
いた記者が勤務する大学は、右翼勢力から相次いで脅迫を受けた。国内での『朝
日新聞』に対する激しい攻撃のほか、日本政府は、国連人権委員会特別報告者ラ
ディカ・クマラスワミ(Radhika Coomaraswamy)氏に対して、1996年に発表した
人権報告における『朝日新聞』を引用した「慰安婦」に関する内容を削除すべき
と要請したが、クマラスワミ氏はきっぱりと拒絶した。

 婦女救援基金会は、『朝日新聞』が報道を取り消したことにより引き起こされ
た相次ぐ一連の事態に対し、心から遺憾の意を表明する。

 日本政府が第二次世界大戦中に女性を強制的に徴発し、前線に送り、「慰安婦」
とした事は既に争いのない事実であり、1991年以来、生存する被害国の「慰安婦」
は度々証言を行い、当時の日本政府が脅迫、誘拐、欺し等の手段で日本軍への性
サービスの提供を女性に強制したことを明るみに出した。さらには被害を受けた
場所及び連行されたルートも明確に指摘した。正に前国連人権委員会特別報告者
ラディカ・クマラスワミ氏の言うように「吉田証言」は多くの証言の一つにすぎ
ず、その証言が真実であるかどうかは「慰安婦」募集の過程で女性たちが日本軍
の「性奴隷」となることを余儀なくされた事実に影響するものではない。クマラ
スワミ氏が北朝鮮、韓国及び日本で行った調査によると、日本軍は確かに女性を
強制的に徴発し、「慰安婦」とした。当時の『朝日新聞』の報道に確かな誤りが
あっても、その一文では日本軍が第二次世界大戦中に「慰安婦」に対して犯した
罪を減刑することはできない。

 「慰安婦」制度は20世紀で最も深刻な性奴隷の事件であり、被害女性は少なく
とも20万人に達するといわれている。日本政府が女性を性の道具とみなし、軍、
警察、憲兵、行政機関と悪徳業者が組織的に一体化して女性を連行し、搾取した
ことは国家による女性に対する集団的暴力であり、強制連行があったかどうかだ
けが焦点になるとしたら、それは問題の本質を過度に狭めるものである。

 安倍晋三氏が首相に就任以降、日本の保守勢力は再び台頭し、軍国主義が再現
され、右翼的なメデイアと右翼勢力は今もなお日本の戦争責任を反省せず、戦時
に女性の人権が侵害されたことを認めようとしない。それどころか『朝日新聞』
の報道撤回問題にかこつけて、再度河野談話と国連の調査報告を否定しようと目
論んでいる。このような恥知らずの政治家に対して、婦女救援基金会は厳しく糾
弾するものである。

戦争の止まない21世紀において、女性が敵方の性奴隷にされる事件があとを絶
たず、性暴力は依然として戦争の手段と見なされている。かつて安倍政権は、日
本は21世紀に二度と人権侵害を起こさないよう努力する、と表明した。だが、我々
は今以ていかなる具体的行動も見ていない。婦女救援基金会は、日本政府が速や
かに「慰安婦」という史実を認め、歴史を鑑とし、反省を実践し、人権を認め、
日本の次世代が誇らしく活躍できるよう早期に日本と「慰安婦」被害を受けた各
国との間の歴史的溝を取り除くよう、ここに呼びかける。

2014年10月17日
婦女救援社会福利事業基金会
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以上、転載

太田光征
posted by 風の人 at 12:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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