2007年02月25日

都知事選のもつ戦略的意義

 民主党の候補選びが難航している。
時間的期限を目前に控えて、緊迫した情勢を迎えている。

 けれど、あの美濃部都知事の三選の頃もそうだった。
部落解放同盟をめぐる路線の違いは社会党と共産党の
共闘のひび割れをおこし、美濃部さんは出馬辞退を表明
した。
 それをぎりぎりで急転直下、出馬にこぎつけ、ついには
石原慎太郎氏を破り見事な三選勝利を得たのだった。

 そのときに潤滑油として接着剤の役割を果たしたのは、
中野好夫、吉野源三郎、古在由重、といった知識人と
生活共同組合連合会、婦人団体連合会、消費者団体
宗教者団体など広範な市民団体の力だった。

 現在、ぎりぎりまで元宮城県知事の浅野史郎さんに
出馬を要請する地道な運動が、市民団体によって持続
されている。浅野氏は出馬を固持して、マスコミや政党は
すでに視野の外に置いている。
 しかし、手作りの出馬要請がどう影響するか、当の浅野
さんご自身も困惑しているだろう。

 正直言って、浅野氏も民主党の菅直人氏も出馬するか
どうか私には見えてこない。
 けれども「策略」は「理念や希望」に最後はかなわないと
小説「華麗なる一族」のドラマで登場人物に山崎豊子さん
が言わせている。
 あとわずか。石原慎太郎氏では、たとえ当選しても重要な
問題か゜山積している東京都の都市問題は解決しえない。
それは明白なことである。
 世界各国の都市政治家たちは、フランスの極右を上回る
石原都知事にあきれかえってまともに相手にしていない。
石原さんを選ぶということが、世界中の世論から首都の長が
かくも嘆かわしい品性の持ち主であり、そのようなトップを選ぶ
日本人の社会的判断力が厳しい目で判断評価の対象と
なっていることに、都民は気付いているのだろうか。
           (櫻井 智志)
posted by 風の人 at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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