2012年03月19日

国が市民を訴え、生存権をかけた表現の自由を抑圧:沖縄・高江ヘリパッド訴訟 住民1人に通行妨害禁止命令

大畑豊です。

沖縄県東村高江に米軍基地施設ヘリパッドを作ることに対し、非暴力による抵抗
運動を行なってきた住民一人に対して通行妨害禁止命令が出ました。

以下、記事等の抜粋ですが、これまでのものをまとめました。
記事・声明全文、映像はウェブサイトでご覧ください。


■琉球朝日放送  映像 6分13秒
 http://www.qab.co.jp/news/2012031434389.html
> 高江ヘリパッド訴訟 住民1人に通行妨害禁止命令
> 2012年3月14日 18時45分

> 今後、住民に与えられた反対運動という表現への影響が懸念されます。東村高
> 江のヘリパッド建設をめぐり国が反対運動をする住民を通行妨害で訴えた裁判
> の判決で裁判所はひとりに通行妨害をしないように命じもうひとりについては
> 国側の請求を棄却しました。



■沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-15_31072/
> 住民1人に妨害禁止命令 高江訴訟

> 2012年3月15日 09時50分
>
>  米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッ
> ド)の移設をめぐり、国が移設に反対する住民2人に通行妨害の禁止を求めた
> 訴訟の判決で那覇地裁(酒井良介裁判長)は14日、2人のうち伊佐真次さん
> (49)に対して「将来においても妨害行為をするおそれがある」として、通
> 行を妨害しないよう命じた。一方、安次嶺現達さん(53)に対する請求は棄
> 却した。
>
>  住民側弁護団長の池宮城紀夫弁護士は「極めて不当で承服できない。2人の
> 行動はあくまで正当な抗議行動だ」として控訴する方針。沖縄防衛局の真部朗
> 局長は「一部、国の主張が認められなかった部分については、判決内容を慎重
> に検討し対処したい」とのコメントを発表した。
>
>  国の基地施策に異論を唱える地元住民に対して、司法が将来にわたって妨害
> 禁止を求める判断を示したことは、今後の住民運動に大きな影響を与えそうだ。

> 同訴訟は、沖縄防衛局による反対派住民ら14人への仮処分申し立てに対し、
> 那覇地裁が09年12月、2人に通行妨害禁止を命令。防衛省が10年1月に
> 2人を相手に提訴していた。



■[高江ヘリパッド訴訟]「表現の自由」の軽視だ 沖縄タイムス 社説
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-15_31067/
> 2012年3月15日 09時55分
>
>  住民が国を訴えたのではない。国が住民を訴えたのである。判決の中身をう
> んぬんする前に、そのことの異常さを指摘しておきたい。
>
>  国が住民を訴えたことについて判決は「不適切とは言えない」と指摘してい
> るが、それはあくまでも司法の立場に立った見方である。沖縄の基地問題をど
> のように解決していくかという政治の立場に立てば、国が住民を訴えること自
> 体、話し合いの回路を自ら閉ざした強引な手法だと言うしかない。
>
>  このような訴訟によって高江のヘリパッド建設問題が解決することはあり得ない。



■高江着陸帯訴訟 木を見て森を見ぬ判断だ 琉球新報
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-188647-storytopic-11.html
> 社説  2012年3月15日
>
>  沖縄に基地を押し付け続ける国の不正義と住民負担の深層に背を向けた、木
> を見て森を見ない判断と言えよう。

>  東村高江の米軍ヘリ着陸帯新設工事をめぐり、住民の反対行動が妨害に当た
> るかが争われた訴訟で、那覇地裁は1人に妨害禁止を命じ、1人に対する訴え
> は退けた。

>  この訴訟の核心は、圧倒的な力を持つ国が、自然・生活環境を守る粘り強い
> 住民運動を抑え込む目的で起こした点にある。

>  判決は妨害に当たるか否かを、物理的な住民の行動に絞り込んで判断してい
> る。訴訟自体が持つ問題性に対する裁判官の認識が読み取れない。これで人権
> の砦(とりで)と言えるのか、疑問を禁じ得ない。



■高江・通行妨害禁止訴訟の第一審判決に対する抗議声明
 http://takae.ti-da.net/e3949866.html

> 住民らは、一方的にヘリパッド建設を進めようとする沖縄防衛局の職員やその
> 関係者に対し、非暴力かつ平和的な方法で抗議・説得を行ったにすぎず、違法
> な妨害行為にはあたらない。本件訴訟は、自ら及び地域の生活環境、自然環境
> を守り、基地のない平和な社会を実現するという信念に基づき住民らが行った
> 反対運動を弾圧する目的で国が起こした訴訟(スラップ訴訟)に他ならない。

>  本判決は、この訴訟が不当目的のスラップ訴訟であるという本質を見過ごす
> ものである。国の姿勢を一部追認し、地域住民の平和的生存権や表現の自由、
> 政治活動の自由といった憲法上の権利をないがしろにする極めて不当な判決で
> あり、 厳重に抗議する。

> 2012年3月14日
> ヘリパッドいらない住民の会
> ヘリパッドいらない弁護団



■沖縄タイムス26面 2012年3月15日
http://nohelipadtakae.org/files/time2012mar15-26.pdf
> 妨害の判断 表面的
> 不法な訴訟 司法追認
> 反対する権利を制約 佐藤学・沖国大教授



■沖縄タイムス27面 > 2012年3月15日
http://nohelipadtakae.org/files/time2012mar15-27.pdf
> 判決明暗 思い一つ
> 2人「戦い続ける」
> 父の背 子どもを見守る
> 支援者ら 怒りと落胆




http://takae.ti-da.net/e3950263.html
> 高まる国への不信
> 「権利ないがしろ」
> 「非暴力」が妨害か
> 「運動を抹殺 許し難い」
> 生存権、表現の自由は



■沖縄タイムス 3月16日
http://takae.ti-da.net/e3950929.html
http://nohelipadtakae.org/files/times2012mar16.pdf
> 高江座り込み継続へ
> 判決分析「恐れる必要ない」

> 「高江判決を問う緊急インタビュー(上)」『沖縄タイムス』
>  監視国家に道開く懸念 関西大学教授 高作正博
>



■「高江判決を問う緊急インタビュー(中)」沖縄タイムス 2012年3月17日。
http://takae.ti-da.net/e3952503.html
http://nohelipadtakae.org/files/times2012mar17.pdf
>
> 日本でSLAPP訴訟について問題提起した草分け、ジャーナリストの
> 烏賀陽(うがや)弘道さん

> 国が税金を使い、言論を弾圧するために起こした。
> 高江へのヘリパッド移設という大きな社会問題を通行妨害に矮小化した
>
> このままスラップ(訴訟)が続けば日本の原論は窒息する。
> 憲法で保障される言論、表現の自由という権利が、裁判制度の悪用に
> よって崩壊する。



■「高江判決を問う緊急インタビュー(下)」沖縄タイムス 2012年3月18日。
http://takae.ti-da.net/e3953302.html
http://nohelipadtakae.org/files/times2012mar18.pdf
> 「規制の網 戦前を想起」
> 琉大名誉教授・沖縄史家の比屋根照夫さん

> 「米軍政下で無権利状態に置かれた沖縄の大衆は、人間の尊厳かけて闘い、さま
>  ざまな権利を勝ち取ってきた。
>  直接行動のほかに選択肢のないぎりぎりの状況だった」
>
> 「権力は本質的に規制を強化しようとするものだ。
>  政治による危機というものは、われわれが知らないうちに『合法』の仮面をか
>  ぶって静かにやってくる。戦前の日本のファシズム、ドイツのナチズムがまさ
>  にそうした事例だ」。


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太田光征
posted by 風の人 at 20:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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