2012年03月19日

放射性セシウムの空気中濃度限度とバンダジェフスキーの研究

http://www.env.go.jp/jishin/attach/fukushima_shokyaku110809.pdf
福島県内の災害廃棄物の処理における焼却施設及びモニタリング(環境省)
平成23年8月9日

線量限度を定める告示で示された空気中濃度限度は、134Csが20Bq/m^3、137Csが30Bq/m^3だという。

バンダジェフスキーよれば、ベラルーシの子どもたちのCs137体内蓄積量が10Bq/kg程度で心筋(心電図)異常が発生している。成人が1日に吸いこむ空気の量は1万L=10m^3前後。上記の空気中濃度限度では肺に関して容易に10Bq/kgを超えてしまうのではないか。

伊達地方衛生処理組合清掃センター(災害廃棄物投入後)の排ガス濃度は、134Csが1.4Bq/m^3、137Csが1.5Bq/m^3という測定結果になっている。

排ガス中濃度が1Bq/m^3Nの場合の年間被ばく量は、第3回災害廃棄物安全評価検討会資料4に基づいて、次のように計算されている。

16 焼却炉周辺居住粉塵外部(成人) 3.0×10-8 mSv/y
17 焼却炉周辺居住粉塵吸入(成人) 2.0×10-5 mSv/y
18 焼却炉周辺居住粉塵外部(子ども)4.0×10-8 mSv/y
19 焼却炉周辺居住粉塵吸入(子ども)5.3×10-6 mSv/y
20 焼却炉周辺居住土壌外部(成人) 3.7×10-4 mSv/y
21 焼却炉周辺居住土壌外部(子ども)4.8×10-4 mSv/y

環境省_東日本大震災への対応
http://www.env.go.jp/jishin/#haikibutsu
第3回災害廃棄物安全評価検討会資料4
http://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/03-mat_3.pdf

この計算基準で用いられているのが、ICRP Publ.72が定めた内部被ばく線量係数(Sv/Bq)(一般公衆)。この評価が問題となる。吸入が経口より小さい値になっているが、肺の局所に放射性物質を沈着させる吸入による影響が経口による影響より小さいのだろうか。

表2-9 内部被ばく線量係数

     吸入        経口
     成人 子ども    成人 子ども
Cs-134 6.6E-9 7.3E-9    1.9E-8 1.6E-8
Cs-137 4.6E-9 5.4E-9    1.3E-8 1.2E-8



放射性物質汚染廃棄物の 適正処理に向けた課題
http://staff.aist.go.jp/t.yasutaka/Aist-Risk/20120224File/20120224osako.pdf
国立環境研究所. 資源循環・廃棄物研究センター 大迫 政浩
平成24年2月24日
排ガス中のばいじんの規制基準値もしくは南部清掃センター実測値(g/m^3N): 0.0009〜0.0016(H22年度のB清掃センター実績値)
ばいじんの放射性Cs濃度の仮定値(Bq/kg): 23,000(7/14採取試料の1号炉飛灰測定値)
ばいじん規制基準値における排ガスの放射性Cs濃度推定値(Bq/m^3N): 0.020〜0.037


太田光征
posted by 風の人 at 15:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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