2008年06月30日

今こそ消費税増税反対のアクションを!

皆様

最近、財政再建、社会保障充実、2009年度からの基礎年金の国庫負担割合引き上げなどを理由として、政府・自民党の幹部や、財界、大手メディアなどがさかんに消費税増税を唱えています。
しかし、現在原油などの資源や食糧価格の国際相場上昇を背景とする生活必需品の物価上昇で、庶民の暮らしは脅かされています。
さらに、貧困・格差が拡大し、後期高齢者医療制度をはじめ枚挙がないほど社会保障の切り捨てが進み、セーフティネットの崩壊とワーキングプアが社会問題となっているのは皆様もご存じのとおりです。
現在の情勢での消費税の値上げが貧困層にどんな影響を及ぼすか、考えるだけでも恐ろしくなります。
消費税は生活保護を受けている人やワーキングプア層、高齢者、母子家庭、経済的に苦しい層にも容赦なく課税される税金であり、今のまま消費税10%!なんてことになれば、本当に餓死者が急増しかねません。
経済的に苦しい人の多くは、今でも収入のほとんどを消費に向けざるを得ず、これ以上余裕がありません。
高所得者は収入の多くを消費税のかからない資産形成や投資などに回すことができ、また多少の消費税の増税ではほとんど影響を受けることはないと思いますが、低所得者は収入の大部分を消費にあてなければならないため、そもそも社会的に見て不公平な税金です。

「社会保障を十分実現するには消費税増税が必要だ」という意見もあります。
しかし、消費税増税を行っても社会保障が充実する保証は、現在の自民党政府のやり方をみている限りどこにもありません。
また、消費税を上げなくても、主に富裕層、資産家、大企業にターゲットを絞り、以下のような税金を上げれば、必要な財源は十分確保できます。

消費税導入から現在に至るまでに、消費税の増税分と同じくらいの額が法人税減税に充てられています。
1989年の消費税導入から15年間での消費税収は136兆円ですが、この期間に法人3税の収入は131兆円も減少しているとのことです。
(参考:http://www.horae.dti.ne.jp/~snzk/q-and-a/q-and-a.htm#c
この間、福祉水準はどんどん低下してきました。
「福祉のため」に導入されたはずの消費税は、事実上、法人税の減税に充てられたことになります。

さらに、所得税・住民税の累進課税は大幅に軽減され、全体としてお金持ち・資産家に有利な税制に改められてきました。
所得税と住民税を合わせた最高税率は、1987年の78%から、現在は50%まで引き下げられています。
(参考:http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/035.htm

せめて「機会の均等」を実現し、新たな階級社会の出現を防ぐためには、相続や贈与に対して十分課税し、親が資産家でも子が自動的に資産家にならないようにする必要がありますが、相続税も2003年に最高税率が70%から50%などと、大幅に減税されています。
もはや「結果の平等」どころか「機会の均等」すらありません。
本人の努力や能力、創意によるものではない、相続・贈与による収入に対しては、社会的公正の立場からも大幅な増税が望ましいと私は思います。
(参考:http://www.tabisland.ne.jp/explain/zouyo/zoyo_001.htm

このように、税金の所得再配分機能は政府・自民党の新自由主義的な税制改革により、これまで大幅に弱められてきました。
現在の格差・貧困には様々な原因があると思いますが、「お金持ち優遇」の税制に変えられてきたことは格差の拡大と決して無縁ではないはずです。

軍事費や不要な高速道路などの無駄遣いをなくすとともに、金持ち・資産家・大企業優遇の税制を改めることなく、貧困層に対して過酷な消費税の増税を行うことは、到底許されないと思います。
社会福祉の充実のためには、増税は必要かもしれませんが、財源は消費税ではなく、所得税、法人税、相続税といった、直接税の増税により確保するべきです。
そうすれば、貧困層に打撃を与えることなく、社会保障の充実が可能で、個人消費を促すことで日本の経済に活力をあたえることもできます。
大企業や高所得者に配慮しがちな政府自民党・マスコミは、増税といえば「消費税」しかないように議論をミスリードし、「どの税を上げるか」という議論を避けたがっています。
しかし、少なくとも消費税増税で貧困層を追い詰めるよりは、余裕のある層に増税したほうが、日本の社会・経済全体としても最小限の影響で、財政再建も社会福祉の充実も可能になるのではないでしょうか?

「市民の風」としても、ぜひ消費税増税に反対する様々な団体、政党との共闘を進めていくことはできませんでしょうか。
今後行う「市民の風」政治セミナーにおいても、講師の方に対しては消費税に対する見解を問いただし、消費税に関する議論を深めていきたいと考えています。
皆様もぜひご意見をお聞かせください。

末次 圭介
posted by 風の人 at 23:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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