2013年07月09日

みんなの党参院選候補者(選挙区)の42%が村山談話・河野談話見直し派

みんなの党は橋下徹大阪市長の「従軍慰安婦」発言を受けて、選挙協力を解消しました。「政策以前の基本的価値観に大きな違いが生じた」「こういう歴史認識の人は、依頼があっても推薦しない」「古色蒼然(そうぜん)たる歴史認識」がその理由です。

では、みんなの党の参院選候補者は、どのような歴史認識を持っているのでしょうか。有権者と候補者・政党の政策適合度を測る毎日新聞のサービスを使ってみました。下記が私の結果です。

毎日新聞ボートマッチ「えらぼーと」
http://bit.ly/12cozMA

こちらでもみんなの党候補者の政策を確認できます。

2013 参院選 みんなの党 - 毎日jp(毎日新聞)
http://senkyo.mainichi.jp/2013san/kouji_party_ichigyo.html?sid=023

みんなの党の選挙区候補19人について調べてみると、以下の通りです。

安座間肇(大阪)、薬師寺道代(愛知)、松沢成文(神奈川)、桐島ローランド(東京)、和田政宗(宮城)、米長晴信(山梨)、鈴木唯記子(静岡)、古賀輝生(福岡):村山談話を見直す、河野談話を見直す 8人(42%)

角恵子(長野)、藤岡佳代子(愛媛):村山談話・河野談話見直し「分からない」 2人

木下陽子(京都)、浦野英樹(大分):村山談話見直し「分からない」、河野談話を見直さず 2人

波多野里奈(青森)、沖智美(栃木)、石原順子(茨城)、寺田昌弘(千葉):村山談話を見直さず、河野談話見直し「分からない」 4人

村山談話・河野談話のいずれかを「分からない」または「見直さず」 8人(42%)

安住太伸(北海道)、行田邦子(埼玉)、下村英里子(兵庫):村山談話・河野談話を見直さず 3人(16%)

村山談話・河野談話いずれも見直さないと回答した候補は3人(16%)だけしかいません。8人(42%)はいずれも見直すと回答しています。いずれかを「分からない」または「見直さず」と回答したのも8人(42%)です。

橋下氏は慰安婦連行時の物理的強制性の有無に矮小化しようとしていますが、従軍慰安婦制度に関する橋下認識の本質は、非強制的な連行なら性奴隷を強制しても問題ないとしている点にあります。

毎日の河野談話に関する質問は「戦時中、従軍慰安婦の移送や慰安所の設置に旧日本軍が関与したことを認めた河野洋平元官房長官の『河野談話』を見直すべきだと思いますか」というものです。

候補者による「見直す」という回答は、従軍慰安婦制度の強制性がなかったという認識を示すものなのか、軍の関与を否定するもなのか判然としませんが、いずれにせよ橋下認識以下、ということになります。

みんなの党が選挙協力で日本維新の会と縁を切ってみせても、候補者の歴史認識は橋下以下ということです。これでは有権者を欺くことになります。

太田光征

【関連】
虫が良すぎるみんなの党
http://kaze.fm/wordpress/?p=461
2013年参院選が改選となる歴史修正主義者たち
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/365296923.html
大阪選挙区の民主党候補・梅村聡氏、和歌山選挙区の自民党候補・世耕弘成氏「生活保護受給者は少々の人権制約やむなし」に同調
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/368586595.html
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2013年07月05日

2013年参院選が改選となる歴史修正主義者たち

転送・転載歓迎します。

太田光征

村野瀬玲奈の秘書課広報室 |民主党 慰安婦問題と南京事件の真相を検証する会(仮称)呼びかけ人国会議員 名簿 (衆議院・参議院混合、五十音順) (2007年3月7日)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-119.html
会の呼びかけ文(河野談話の見直しを目的に掲げる)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-120.html

大江康弘(無所属、辞職して自民から比例区で出馬へ)

村野瀬玲奈の秘書課広報室 |2007年6月14日 ワシントンポスト紙 従軍慰安婦(性奴隷)強制文書否定広告署名国会議員(衆議院、参議院、五十音順) (2007年6月15日作成) 和文表記
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-266.html

該当なし
北神圭朗(2012年衆院選で落選、参院に鞍替え)

米「スターレッジャー」紙への 「慰安婦」否定意見広告連名者/ハイナンNETの日常 から - 薔薇、または陽だまりの猫
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/886f0823c16907f85317dd62cbee8d7b

世耕弘成(参・和歌山)、塚田一郎(参・新潟)、西田昌司(参・京都)、江藤晟一(参・比例)、義家弘介(参・比例)(以上、自民党)、中山恭子(参・比例)(日本維新の会)

元記事は以下(2013年7月26日追記)。

日本軍「慰安婦」 強制を否定/安倍首相が賛同/米紙に意見広告 4閣僚も/国内外の批判は必至/昨年11月
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-06/2013010601_01_0.html
米紙「慰安婦」否定意見広告に賛同した国会議員(昨年11月当時)
民主党

 福島伸亨、花咲宏基、金子洋一、松原仁、三浦昇、向山好一、長尾敬、柴橋正直、田村謙治、渡辺周、吉田泉
自民党

 安倍晋三、有村治子、衛藤晟一、古屋圭司、稲田朋美、磯崎仁彦、伊東良孝、金子恭之、岸宏一、岸信夫、北村誠吾、北村茂男、熊谷大、松野博一、西田昌司、世耕弘成、下村博文、新藤義孝、高市早苗、竹本直一、塚田一郎、上野通子、山本順三、山本有二、山谷えり子、義家弘介
その他

 平沼赳夫、中山恭子


太田光征

【関連】

みんなの党参院選候補者(選挙区)の42%が村山談話・河野談話見直し派
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/368666500.html
大阪選挙区の民主党候補・梅村聡氏、和歌山選挙区の自民党候補・世耕弘成氏「生活保護受給者は少々の人権制約やむなし」に同調
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/368586595.html

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2013年06月12日

日本軍「慰安婦」問題に関する声明(2013年6月9日、日本の戦争責任資料センター)

日本軍「慰安婦」問題に関する声明
2013年6月9日
日本の戦争責任資料センター
http://space.geocities.jp/japanwarres/center/hodo/hodo52.pdf

第一次安倍晋三内閣時の2007年、日本軍「慰安婦」問題での強制性を否定し、日本軍「慰安婦」制度を美化正当化しようとする安倍首相ら歴史修正主義の動きに対して本センターは、同年4月に外国特派員協会において記者会見をおこない、日本軍による「慰安婦」強制を示す東京裁判の証拠文書を発表するなど、資料に基づいて、 安倍首相らの動きを厳しく批判した。さらに 国内外の良識ある人びとからの厳しい批判もあった。その後、安倍政権は崩壊したが、昨年12月の総選挙によって復活した。

安倍首相をはじめ極右の政治家たちは、「慰安婦」の強制性を否定する発言を現在も繰り返し、深刻な被害を受け、いまだにその心身の傷が癒されることのない元「慰安婦」の方々をさらに苦しめている。そうした中で5月13日には橋下徹・大阪市長兼日本維新の会共同代表による暴言がなされた。国内外からの厳しい批判にもかかわらず、橋下市長は発言を撤回せず、さらに日本のマスメディアは、これまでに明らかになっている研究成果を無視して一切報道せず、橋下市長らの暴言をくりかえし垂れ流している。きわめて憂慮すべき状況にある。

本センターは、1993年の創設以来、日本の戦争犯罪・戦争責任について資料の調査と資料に基づく研究を積み重ねてきた。これまでの研究蓄積を踏まえて、ここに声明を発表する。

@ 日本軍「慰安婦」制度に関する旧陸海軍や政府関係資料は、1993年の河野談話の発表以降も数多く発見され、その多くが公表されている。これら資料によれば、この制度は旧日本陸海軍が発案し、慰安所設置の計画立案、業者の選定・依頼・証明書の発給・資金あっせん、徴集する女性の人数の算定、女性集め、女性の輸送、慰安所の使用規則・料金の決定など慰安所の管理、建物・資材・物資の提供など、全面的に軍が監督・統制したことが明らかである。しかも日本軍の占領地であった中国、東南アジア、太平洋諸島、さらには沖縄や日本本土など日本軍が駐留・移動する所には必ずと言ってよいほど慰安所を開設し、そこに女性を送り込んでいった。また外務省、内務省、朝鮮総督府・台湾総督府など国の多くの機関も深く関与した。これほどの地域的広がりと規模の大きさ、組織性は、ほかの国の軍には見られない特徴である。

A 「従軍慰安婦」という言葉が当時なかったという理由で、「慰安婦」の存在自体を否定しようとする議論が今もなされている。しかし当時の軍の文書においても「慰安婦」「軍慰安所従業婦」「軍慰安所」などの言葉が使われていた。従って、日本軍部隊のために設置された慰安所に拘束された女性を、「従軍慰安婦」あるいは“ 日本軍「慰安婦」” という言葉で表すことは、「慰安婦」という用語それ自体のもつ問題性を別にすれば、何ら問題ではない。

B 日本軍「慰安婦」とされた女性たちのうち、日本本土の女性たちや、当時日本の植民地であった朝鮮・台湾の女性たちは、売買され、だまされたりなどして国外へ連れていかれ、慰安所で本人の意思に反して使役された。これは、人身売買や誘拐にあたり、また当時の刑法でも国外移送目的誘拐罪・国外移送目的人身売買罪・国外移送罪と呼ばれる犯罪に該当した。その実行は、主として植民地の総督府または軍の選定した業者などが直接行なったが、占領地で慰安所を設置した軍も、人身売買や誘拐などの事実を十分に知っていたと考えられる

C 日本政府は北朝鮮による拉致の認定にあたっては、暴力的に連行されたか、甘言によって連行されたかの区別なく、ともに「拉致」と認定している。しかも暴力的に連行せよとか、強制連行しましたという公文書なしに、証言などに基づき認定している。この認定は妥当なものであると私たちは考える。これに照らし合わせてみれば、「慰安婦」問題についてのみ暴力的な連行だけが問題であるかのように矮小化するのは、ダブルスタンダードでしかない。重要なことは連行時における暴力ではなく、連れて行かれた慰安所における強制と性暴力、人権蹂躙である

D 日本軍「慰安婦」とされた女性たちのうち、中国・東南アジア・太平洋地域の女性たち(インドネシアで抑留されたオランダ人女性を含む) は、人身売買だけでなく、日本軍に脅された地域の有力者から、「人身御供」として提供され、あるいは日本軍や日本軍支配下の官憲によって直接拉致されて慰安所に入れられるケースも多かった。慰安所に入れられた女性たちは、本人の意思に反して強制使役された。日本軍将兵の回想録を読むと、そうした強制使役の実態を十分に知っていた将兵が少なくなかったこと、日常的に憲兵や軍医をはじめ軍が管理していたことから、慰安所を設置した占領地の軍が、これらの事実を知らなかったとは考えられない。

E 当時、こうした女性への人権侵害は、国際法によっても禁じられ、日本は締約国としてそれらの条約に加入していた。「婦人・児童の売買禁止に関する国際諸条約」(1910~1921)と総称されるこうした条約は、「詐欺により、または暴行、脅迫、権力乱用その他一切の強制手段」をもって女性を性的業務に就かせることを禁止していた。「慰安婦」にされた女性たちの中には、相当高い比率で未成年の少女たちがいたが、未成年の場合は、たとえ「本人の承諾を得たるときといえども」それを「犯罪」として明記していた。さらに、これらの「犯罪」が起こらないよう、日本を含む各締約国は予防をはかり、もし「罪を犯す者」があれば「捜索しかつこれを処罰する」ことを約束している。

これらの諸条約は今も消滅しておらず、日本国とこの社会を拘束している「生きた法規」であることを忘れてはならない。「慰安婦」制度は、当時も今も犯罪である。公的立場にある者が、日本国民が性的犯罪を容認しているかのように放言することは、国際社会のみならず、国民全体に対する侮辱というほかない。

F 戦前の日本にあった公娼制度は事実上の奴隷制度であった。公娼とされた女性たちに居住の自由はなかった。廃業の自由と外出の自由は法令上認められていたが、その事実は当人に知らされず、また行使しようとしても妨害を受けた。裁判を起すことができた場合も、前借金を返さなければならないという判決を受けて廃業できず、その苦界から脱出することができなかった。こうした公娼制度に対して、「人身売買と自由拘束の二大罪悪を内容とする事実上の性奴隷制なり」「人道に反し正義に悖りたる悪制度」と厳しく批判し、公娼制廃止を求める県会決議は22県で採択され、公娼制を廃止した県も15県に上っていた。国際社会からも批判を受けて内務省警保局は1935 年には公娼制廃止案を提案するようになっていた。1930年代において公娼制は当たり前ではなくなりつつあった。したがって「慰安婦」は公娼と同じだから問題ないというような議論は、女性の人権が認められていなかった戦前期における政治家に比べても、人権意識が著しく欠如していると言わざるを得ない。

G 日本軍「慰安婦」制度は、居住の自由はもちろん、廃業の自由や外出の自由すら女性たちに認めておらず、慰安所での使役を拒否する自由をまったく認めていなかった。故郷から遠く離れた占領地に連れて行かれたケースでは、交通路はすべて軍が管理しており、逃亡することは不可能だった。公娼制度を事実上の性奴隷制度とすれば、日本軍「慰安婦」制度は、より徹底した、露骨な性奴隷制度であった。

H このように被害女性たちへの「強制」の問題を、官憲による暴力的「拉致」のみに限定し、強制はなかったとする主張は、国外移送目的誘拐罪・国外移送目的人身売買罪・国外移送罪など刑法上の犯罪を不問に付し、業者の行為や女性たちの移送が、軍あるいは警察の統制下にあったという事実を見ようとしない議論である。なお、慰安所でのいたましい生活の中で、自殺に追い込まれたり、心中を強要されたり、病気に罹患し、戦火に巻き込まれるなどして死亡した女性たちが少なくなかったことも指摘しておきたい。

I 「慰安婦」にされた女性たちの被害について、日本の裁判所はすでにいくつもの判決を出し事実認定を行なっている。たとえば、「日本軍構成員によって、駐屯地近くに住む中国人女性(少女も含む)を強制的に拉致・連行して強姦し、監禁状態にして連日強姦を繰り返す行為,いわゆる慰安婦状態にする事件があった」(中国人「慰安婦」第一次訴訟、東京高裁判決2004.12.15)と、強制的な拉致・連行を事実認定している判決も出されている。あるいは「原告は、その慰安所の営業許可直前、泣いて抗ったが、軍医による性病検査を受けさせられ、営業許可後は、意に沿わないまま従軍慰安婦として日本軍人の性行為の相手をさせられた。原告がいやになって逃げようとすると、そのたびに慰安所の帳場担当者らに捕まえられて連れ戻され、殴る蹴るなどの制裁を加えられたため、原告は否応なく軍人の相手を続けざるを得なかった」(在日韓国人裁判、東京地裁判決1999.10.1)と、慰安所における強制と人権蹂躙を事実認定した判決も出されるなど、日本の司法が認めていることは重要である。

J 日本軍「慰安婦」制度と同じような制度が世界の各国にもすべてあったかのような主張がなされているが、その根拠を示す資料はまったく提示されていない。これまでの研究では、第二次世界大戦時において日本軍「慰安婦」制度のような国家による組織的な性奴隷制を有していたのは、日本とナチス・ドイツだけであった。当時、当初から公娼制のなかったアメリカや、イギリスなどのように公娼制を廃止していた国が多く、将兵が民間の売春宿を利用することはあったとしても、軍が組織的に管理運営することは許されなかった国々が多かった。諸外国の軍人による性暴力もあったが、それは「慰安婦」制度とは別のものであり、それらを混同させて、日本軍「慰安婦」制度を免罪することをできない。何よりも日本自らが犯した深刻な性犯罪である「慰安婦」制度とさまざまな性犯罪を真剣に受け止め、事実を認め謝罪と個人補償をおこなったうえで、他国の問題を提起すべきである。

K 朝鮮戦争において韓国軍が「慰安婦」制度を持っており、韓国政府がそれを米軍にも提供したことがわかっているが、当時の韓国軍の幹部の多くは旧日本軍あるいは日本のかいらい軍であった旧満州国軍の将兵、つまり対日協力者たちだった。旧日本軍の経験が韓国軍に持ち込まれたと言える。これは日本軍の弊害が韓国軍に伝わってしまったということであり、その原因は日本軍にあったことも認識しなければならない。

L 日本政府は、日本軍「慰安婦」問題についてすでに謝罪していると弁明している。たしかに「アジア女性基金」を受け取る元「慰安婦」の方々に、その時々の総理大臣が署名し、「心からおわびと反省の気持ちを申し上げます」と記した手紙が渡された。しかし、この手紙は、法的責任と賠償責任を否認した上で、「道義的な責任」しか認めていない。日本政府の用語法で「道義的な責任」とは、法的責任への否認を暗に含んだ軽い責任を意味する。いったん「内閣総理大臣の手紙」を受け取ったのち、表面的な謝罪にすぎないことに気づき、元「慰安婦」が日本大使館に手紙を突き返した事例も報告されている。元「慰安婦」の方々に不十分であれ謝罪の意を示している河野談話を見直そうとする動きは、そうした「道義的責任」をも否定しようとするものであり、とうてい認めることはできない。

M 上記「内閣総理大臣の手紙」は、「おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝える」とも記している。しかし、かつて中学校歴史教科書のすべてに記載されていた日本軍「慰安婦」の記述は、現行の教科書からすべてなくなっている。当時の文部科学大臣はこれをみて、教科書から「慰安婦」の記述が「減ってきたのは本当によかった」と述べた。また安倍晋三首相をはじめ現在の政府・自民党の要職についている少なくない政治家が、当時、歴史教科書から日本軍「慰安婦」の記述を削除させ、あるいはそうした記述のある教科書を学校で使わないようにさせる運動を支援してきたことは周知の事実である。日本政府は、「内閣総理大臣の手紙」で表明した約束さえ履行していないのである。

N 国連の拷問禁止委員会は、本年5月31日に日本国に対し、「慰安婦」とされていた被害者の救済のために、性奴隷制の犯罪について法的責任を認めること、公的人物などが「慰安婦」とされた被害者の被った事実を否定する言動を繰り返していることによって再び精神的外傷を受けていることについて国として反駁すること、関連資料を公開し事実を徹底的に調査すること、被害者の救済を受ける権利を確認し、それに基づいて十全で効果的な救済と賠償を行うこと、この問題について公衆を教育し、あらゆる歴史教科書にこれらの事件を記載すること等を求めている。また社会権規約委員会は5月17日に日本政府に対して、「『慰安婦』にスティグマを付与するヘイトスピーチその他の示威行動を防止するため、締約国が『慰安婦』の搾取について公衆を教育するよう勧告」している。日本政府は、橋下市長に対して批判するだけでなく、安倍首相や自民党などの政治家の同様の発言に対しても、被害者の側に立って、批判する責任がある

O 安倍内閣は、「同日(注:1993年8月の河野談話発表)の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」(2007.3.16)と答弁書を出し、その後もそうした資料がないことのみを強調する政府見解をくりかえしている。こうした答弁は、1993年時点で存在のわかっていたスマラン事件関係資料や、強制的な連行を示す東京裁判検察側証拠書類などを無視した不当な答弁であり、もしそのときの政府調査にそれらの資料が含まれていなかったとすれば、政府調査のずさんさを示すものでしかない。さらに1993年以降、数多くの関係資料が発見公表されているが、それらの成果をまったく無視するものである。拷問等禁止委員会の勧告にあるように、日本政府は徹底した資料調査をおこなうべきである。それをせずに、上記のような答弁を繰り返す行為は、拷問禁止委員会が厳しく批判しているものである。

橋下市長や安倍首相をはじめとする自民党、維新の会、その他の政治家たちの暴言、妄言が、人権意識を欠落させたものであり、深刻な被害を受けている元「慰安婦」の女性たちをさらに一層傷つけるものであることに鑑み、そうした暴言を直ちに撤回し、人権蹂躙を恥じない政治家は直ちに公職を辞任すべきである。私たちは、橋下市長や安倍首相らの振りまく誤った「事実」認識が正され、上記の事項が日本内外の人びとによって正しく認識され、日本軍「慰安婦」問題が根本的に解決されることを強く願うものである。

以上

-----------------
以上、転載

太田光征
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2013年06月08日

日本軍「慰安婦」問題の本質(吉見義明氏による橋下市長への公開質問状)/最高裁判決から個人補償が可能:6月18日院内集会

「慰安婦制度は特異」中大・吉見教授会見
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130604-1137849.html
「軍の施設として組織的に慰安所を作った国はほかにない。日本の慰安婦制度は特異だった」
「慰安婦は居住、外出の自由、拒否する自由がない性奴隷だ」

吉見義明氏による橋下市長への公開質問状
https://unitingforpeace.up.seesaa.net/image/E59089E8A68BE7BEA9E6988EE383BBE6A98BE4B88BE6B08FE381B8E585ACE9968BE8B3AAE5958FE78AB6.pdf

明日うらしま: 168:吉見義明「橋下徹市長への公開質問状」と(別紙1)全文の紹介
http://tkajimura.blogspot.jp/2013/06/blog-post_11.html

日本軍「慰安婦」問題に関する声明
2013年6月9日
日本の戦争責任資料センター
http://space.geocities.jp/japanwarres/center/hodo/hodo52.pdf

以下、転載

太田光征

歴史認識 請求権 徹底論議!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

  1、歴史認識―日本軍「慰安 婦」問題の本質は何か!

    橋下市長への公開質問状 より

    講師:吉見義明(中央大学教授)

            &

  2、補償の法的根拠―政府の 「解決済み論」を乗越える!

    最高裁判決を前提に被害者への個人補償を  

    講師:川上詩朗(弁護士)

       &

  3、質疑応答・意見・情報交換

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 この間、政治家から、軍や官憲による暴行・脅迫を用いた連行はなかった、「慰安婦」問題は業者と公娼による商行為である、当時「慰安婦」制度は合法であった、個人補償問題は日韓請求権協定で解決済みであるなどの発言が繰り返されています。これに対して、日本国内のみならず、韓国・中国などのアジア諸国、さらには国連拷問等禁止委員会など国際機関からも批判の声が上がっています。

 いま「慰安婦」問題の本質は何か、「慰安婦」問題をどのように認識すべきかが問われています。

 そのなかで、この問題研究の第1人 者である吉見教授は、6月4日、橋下徹大阪市長に対して「慰安婦」問題への認識等を問う「公開質問状」を提出しました。「公開質問状」は「慰安婦」問題の今日的な争点を網羅しており、「慰安婦」問題の本質を考えるのに大変有益です。

 そこで、緊急に院内集会を開き、吉見教授に「公開質問状」をもとに「慰安婦」問題の今日的な争点について解説していただくとともに、
川上弁護士が2007 年の最高裁判決を前提に個人補償が法的に可能であることを説明いたします。

この機会に、「慰安婦」問題の議論を整理し、その本質と解決の道筋について一緒に考えてみませんか。

多数の皆さまのご参加をお待ちします!

ご質問・ご意見、大歓迎です!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日時:2013年6月18日(火)17:00〜19:30

  ※16:30〜開場(ロビーにて入館証配布)

場所:衆議院第2議員会館、多目的会議室

  丸ノ内線・千代田線―国会議事堂前 

    有楽町線・半蔵門線・南北線―永 田町駅

資料代:700円   

主催:「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワーク 

(連絡先:ピースボート 03:3363-7561  野平)

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2013年06月01日

美輪明宏 祖国と女達 (従軍慰安婦の唄)/原爆体験/ヨイトマケの唄

美輪明宏 祖国と女達(従軍慰安婦の唄) - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=a9QVn8ZmA4w


祖国と女達 (従軍慰安婦の唄)/美輪明宏 - 歌詞
http://www.kget.jp/lyric/146136/%E7%A5%96%E5%9B%BD%E3%81%A8%E5%A5%B3%E9%81%94+%28%E5%BE%93%E8%BB%8D%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6%E3%81%AE%E5%94%84%29_%E7%BE%8E%E8%BC%AA%E6%98%8E%E5%AE%8F

美輪明宏が語る原爆体験 - YouTube
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=6uf2HDr7sOQ


美輪明宏 ヨイトマケの唄
http://www.youtube.com/watch?v=sxHf7xW12xg


太田光征
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国連人権高等弁務官事務所拷問禁止委員会が従軍慰安婦の被害者を再び悪夢に陥れるなと勧告

以下、他ブログから抜粋。

太田光征



国連人権高等弁務官事務所第50回拷問禁止委員会 - kmiura - 従軍慰安婦問題を論じる
http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20130601

国連人権高等弁務官事務所第50回拷問禁止委員会で日本について審査。

勧告のドラフト(2013年5月31日)の軍慰安婦に関する部分。
結論(b)「被害者を再び悪夢に陥れることのないように政府高官や公人は繰り返し事実を否定することをやめるべし」



国連社会権規約委員会第50回審査、日本
http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20130523

◇ 日本政府は日本の人々に軍慰安婦のことをちゃんと教えて、彼女たちに対するヘイトスピーチや侮辱するような表現を防止するように
◇ 差別防止のため朝鮮学校への補助金給付を継続するように



橋下氏慰安婦発言:ノーベル平和賞受賞の女性5人が非難
http://mainichi.jp/select/news/20130531k0000m030147000c.html



机の上の空 大沼安史の個人新聞: 〔For the Record〕 「日本人を許す、しかし決して忘れない」「安部首相は公式謝罪を」 オランダ人「従軍慰安婦」、米下院公聴会で証言 
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2007/02/for_the_record_c3ca.html

スマラン事件の被害者、オヘルネさんによるスピーチ - kmiura - 従軍慰安婦問題を論じる
http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20080820/1219364501

スマラン慰安所事件(白馬事件)の”修正” - kmiura - 従軍慰安婦問題を論じる
http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20070725/1185366935

従軍慰安婦問題のリンク集 - kmiura - 従軍慰安婦問題を論じる
http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/19000101



軍による強制連行はあった 公文書編(1) 
http://d.hatena.ne.jp/yamaki622/20070403/p1
余談ですが、スマラン慰安所事件に関して産経新聞が「日本軍上層部の方針に逆らった末端の将兵が勝手に連行し」などという駄文を掲載しています。(産経新聞)
少将・大佐・少佐のどこが「末端の将兵」でしょうか。
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陸軍中尉による強制的な慰安婦の徴用(2013年4月23日紙智子参院議員の質問主意書)

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/183/syuh/s183083.htm
質問主意書
質問第八三号
日本軍「慰安婦」問題の強制連行を示す文書に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成二十五年四月二十三日
紙   智  子 

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/183/toup/t183083.pdf
答弁書

質問主意書の資料から抜粋:

東京裁判(極東国際軍事裁判)関係文書「A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.一六)、(NO.五三)、(NO.五四)」

 ・ 書証番号三五三の文書には、中国桂林での事案として、「工場ノ設立ヲ宣伝シ四方ヨリ女工ヲ招致シ、麗澤門外ニ連レ行キ強迫シテ妓女トシテ獣ノ如キ軍隊ノ淫楽ニ供シタ。」との記述がある。

 ・ 書証番号一七二五の文書には、被害女性の証言として「私ヲ他ノ六人ノ婦人ヤ少女等ト一緒ニ連レテ収容所ノ外側ニアッタ警察署ヘ連レテ行ッタ。(中略)私等ヲ日本軍俘虜収容所事務所ヘ連レテ行キマシタ。此処デ私等ハ三人ノ日本人ニ引渡サレテ三台ノ私有自動車デ「マゲラン」ヘ輸送サレ、(中略)私達ハ再ビ日本人医師ニ依ッテ健康診断ヲ受ケマシタ。此囘ハ少女等モ含ンデ居マシタ。其処デ私達ハ日本人向キ娼楼ニ向ケラレルモノデアルト聞カサレマシタ。(中略)私ハ一憲兵将校ガ入ッテ来ルマデ反抗シマシタ。其憲兵ハ私達ハ日本人ヲ接待シナケレバナラナイ。何故カト云ヘバ若シ吾々ガ進ンデ応ジナイナラバ、居所ガ判ッテヰル吾々ノ夫ガ責任ヲ問ハレルト私ニ語リマシタ。」と記録されている。

 ・ 書証番号一七九四は日本陸軍中尉の宣誓陳述書であるが、次の一問一答が記録されている。

 問「或ル証人ハ貴方ガ婦女達ヲ強姦シソノ婦人達ハ兵営ヘ連レテ行カレ日本人達ノ用ニ供セラレタト言ヒマシタガソレハ本当デスカ」
 答「私ハ兵隊達ノ為ニ娼家ヲ一軒設ケ私自身モ之ヲ利用シマシタ
 問「婦女達ハソノ娼家ニ行クコトヲ快諾シマシタカ」
 答「或者ハ快諾シ或ル者ハ快諾シマセンデシタ
 問「幾人女ガソコニ居リマシタカ」
 答「六人デス」
 問「ソノ女達ノ中幾人ガ娼家ニ入ル様ニ強ヒラレマシタカ
 答「五人デス」
 (中略)
 問「如何程ノ期間ソノ女達ハ娼家ニ入レラレテヰマシタカ」
 答「八ヶ月間デス」

陸軍中尉という将兵が慰安所を開設し、脅迫・強制によって慰安婦としたことが宣誓陳述で述べられている。

慰安婦制度は陸軍大臣の命により創設(※)されたのだから、その実施に不可欠な慰安婦の徴用を将兵の責任で組織的に脅迫・強制によって実施した強制的慰安婦制度こそ、旧日本軍の特殊性。第二次大戦で軍が慰安婦制度を設けたのはドイツと日本だけ。

※「慰安婦」は日本の国家犯罪だと認識できないウヨウヨさんへ
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/364715636.html

騙して連れ去ることを誘拐という。誘拐して慰安所に連れていった段階で強制する行為をもって、「狭義の強制性」はないとするのが安倍首相らの矮小化。

物理的に強制連行され、廃業・移動の自由を与えられた女性と、誘拐によって連行され、廃業・移動の自由がない性奴隷の、どちらがマシか。

慰安所連行までの経過はどうであれ、慰安所での性奴隷を制度的に作り上げた非人道性と特殊性が世界から問題にされている。

太田光征
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2013年05月31日

「慰安婦」は日本の国家犯罪だと認識できないウヨウヨさんへ

「慰安婦制度」は日本軍が作ったことを示す証拠のごく一例:「慰安婦問題」ネトウヨに騙された方との往復メール(2012年09月28日)
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/294521156.html

昨年に引き続き、増田都子さんからウヨウヨさんへのお便りが出されました。例によって長いので、重要な史実部分を赤字で示しておきます。

太田光征



「慰安婦」は日本の国家犯罪だと認識できないウヨウヨさんへ/増田都子さんから
2013-05-30 23:54:52 | 社会
ある方が「増田さんの写真と、増田さんの『慰安婦』問題の投稿を載せたブログが有りましたよ」と知らせてくれました。
 そのブログを開いてみたら、写真は全くの別人で、名前も勝手に改名してくれるわ、で呆れました。
まぁ、写真にキャプションを付けてないところを見ると、たぶん、本当には自信がなくて「別人だよ」と言われたとき「この写真が増田都子だとは書いてないよ」と姑息なサル知恵で…本物のおサルさん、ごめんね(笑)…逃げるつもりだったのではないでしょうか?

 それにしても、この「ウヨウヨさん」と名付けた人物は、自分が公開ブログに載せている文書でさえ、都合の悪い文字は目に入らず、都合のいい文字だけが目に入るという人物のようで、こういう視力では、物事を正確に把握することは不可能でしょうね。

 でも、なにしろ、わたくしメは、30ウン年(笑)生徒指導をしてきた習性からか、誤りを犯したままの人物に対しては気の毒さがどんどんつのってきて、どうしても誤りを正してさしあげたくなるのでございます。

 ということで、以下のお手紙を差し上げることにしました。もしも、お時間がありましたら、読んでみてください!

*****************************
http://14819219.at.webry.info/201210/article_2.html作者のウヨウヨさんへ>
                                        本物の(笑)増田都子より

1、私は「右翼」の定義を「他者の人権を侵害することを肯定する人」としていますので、あなたは、主観的には「自分では右翼だとも思っていませんし、普通の一般市民」だと自称してらっしゃいますけど、私の客観的(笑)定義にしたがえば、立派な(笑)「右翼」でいらっしゃいますよ。

 そこで、ここでは「『右翼』の自覚が全くない『右翼』さんそのものの人物」を略して『ウヨウヨさん』」と、呼ばせていただきます。実名を教えていただければ、もちろん、そのお名前で呼びますけど・・・

2、@写真について
 もしかして、そこに載せている写真をウヨウヨさんは「増田都子」の写真だと「思い込」んでいらっしゃるようですけど、全くの別人ですから…その写真の方は「日の丸・君が代」不起立で有名な女性です…

 もし、私の写真を載せたいのであれば、許可を私に申し出てくだされば、いくらでも本物の私の写真を送って差し上げましたのに(笑)…とりあえず、私のHP
http://www.masudamiyako.com/index.html
の写真をお使いください(笑)。

Aウヨウヨさんは、私の名前「増田都子」という文字を見ながら、勝手に「増田郁子」と改名してくれています。以下に書きますけど、ウヨウヨさんは実に奇妙な(笑)視力をお持ちのようですが、ぜひ、訂正してくださいね。勝手に他人の名前を改名するなんて、普通の本物の「一般市民」はやらない、と思いますよ。

3、では、内容に入りましょう。上記2−Aに書いたように、あなたは非常に変わった面白い(笑)偏頗な視力をお持ちです。つまり、目の前に書いてある文字のうち、自分に都合のいい文字は認識できるけれども、自分に都合の悪い文字は目に入らない、という、非常に変わった面白い(笑)、とっても偏頗な視力です。

 そういう実に変わった視力の上に、ハッキリ言わせていただきますと、日本語読解能力があまりにも低いようです。

 これから私が書いていく、あなたにとっては、たいへん都合の悪い文字は、全く認識できないかもしれませんけど、余りにも真っ赤なウソを信じ込んでいらっしゃるのはお気の毒でしょうがないので、老婆心(笑)ながら、以下、キチンと説明して差し上げます。【】内は、ウヨウヨさんの原文です。

A【@しかも「慰安婦」が「売春婦」を意味するとは書いていない。
これはどういうことかちょっと意味がわからなかったのですが・・・「慰安婦」が「売春婦」を意味するとは書いていないというのは、「公娼に限る」とは書いていないという意味でしょうか。】

 ウヨウヨさんの変わった視力では、「意味がわからなかったので」しょうけど、普通の本物の「一般市民」の方なら、普通に「意味がわか」るはずですです。でも、ウヨウヨさんのような方のために、もう少し丁寧に説明しておいた方が良かったようですね「。

「『慰安婦』が『兵隊のセックス相手』をする『売春婦』を意味するとは書いていない」…ウヨウヨさん、お分かりいただけましたか? 

B【もちろんこういう人たちが慰安婦に応募したということを言っているわけではありません。ただハングルも読めない貧しい人たちが多かったというのもどうなのかなと思います。】

 あのぉ〜…ウヨウヨさんって、失礼ながら、本当に無知でいらっしゃいますよね? ネットでも、「植民地朝鮮 識字率」で検索すれば、いろいろ出てきますよ。以下など、いかが?
http://repository.tufs.ac.jp/bitstream/10108/21863/1/jaas058008.pdf

これによりますと、「朝鮮人の識字率は男性で44.4%、女性で9.8%」「郡部は…男性43.2%、女性8.7%」です。

C【日本軍の指示下で韓国人業者、日本人業者とも若い朝鮮人女性を「高額なカネ」で釣って「軍慰安婦=性奴隷」としようとしていた

「日本軍の指示下で」というのは色々な解釈ができる言い方ですが、「軍が業者に犯罪まがいの集め方を指示していた」というのであれば根拠がない「思い込み・解釈」ですね。「軍が指示したのは何か」ということを説明し、その「根拠を」を示さなければならないと思います。そうでなければ「アホウヨ」と同じことになると思いますが・・。】

 あのぉ〜…ウヨウヨさんは、ご自分の「根拠がない『思い込み・解釈』」については、まるで無自覚のようですけど…ウヨウヨさん自身が載せてらっしゃる【「軍慰安所従業婦等募集に関する件」について】に明記(「ハッキリ記す」という意味ですよ)してあるじゃありませんか?

 「支那事変地ニ於ケル慰安所設置ノ為内地ニ於テ之カ従業婦等ヲ募集スルニ当リ」って…この通牒案を書いたのは、「陸軍省副官」と明記してあるでしょ?

 日本陸軍省副官=日本軍ですよ! これは、後に梅津美次郎陸軍次官が決裁しています。この依命通牒は陸軍大臣(当時、杉山元)の「命に依り」出されてるんですから、「日本軍の指示下で」は明々白々たる事実でしょう。

「日本軍」が、軍専用の「慰安所設置」を実行し、「之カ従業婦等ヲ募集スル」ことを、いわゆる専門の民間業者にさせた、ということが、ウヨウヨさんが公開ブログに載せていらっしゃる、この文書に明記(「ハッキリ記す」という意味ですよ)されているのです…これには「色々な解釈ができ」ませんでしょう。

【D【@軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ為ニ軍ノ威信ヲ傷ツケ
A且ツ一般民ノ誤解ヲ招ク虞アルモノ
B或イハ従軍記者慰問者等ヲ介シテ不統制ニ募集シ社会問題ヲ惹起スル虞アルモノ
C或イハ募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ為ニ募集ノ方法誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等注意ヲ要スルモノ少カラサル

増田さんは、このように書かれている「輩」たちに対し「ちっしくじりやがって」として、軍が「もっとうまくやれる業者を選べ」とした通知と理解・解釈されているようです。

しかし、「名義を利用し」とか「一般民ノ誤解ヲ招ク」とか「社会問題ヲ惹起スル虞」ですし、「募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ」、従って「募集ノ方法誘拐ニ類シ」警察に検挙取締りを受けるですから、私は普通に読んで「こういうことが無いようにちゃんとした業者を選べ」と言うことと理解しています。こういうのは「騙す」と言うことではなく】

 あのぉ〜…ウヨウヨさん…私も、この陸軍大臣の依命通牒は、「『支那事変地ニ於ケル(※日本軍が日本軍専用)慰安所設置ノ為』だから、『軍慰安所従業婦等募集に』ついては、当然ながら、『軍部諒解』」を与えているが、それをカサに着て強引な『誘拐ニ類』することをやって、まさか、「日本陸軍が、日本軍性奴隷制度を作って性奴隷を集めるように『業者に指示』していた」なんてことは全く夢にも考えたことがなかった「警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノ」があって、「軍ノ威信ヲ傷ツケ」たから、日本陸軍としては、今後、【「こういうことが無いようにちゃんとした業者を選べ」と言うことと理解しています】よ!!!

 つまり、ウヨウヨさん、あなたの都合の悪い文字は目に入らないという奇妙な視力によって「支那事変地ニ於ケル慰安所設置ノ為」「軍部諒解」という文字が、あなたには認識できなかったようです。でも、この陸軍副官通牒は、日本陸軍が公式文書で、日本陸軍が慰安所という「レイプ・センタ―」を「設置」し、業者に「慰安婦」(セックススレイブ)を集めてこさせた、という紛れもない物証です。これは普通の視力が有る、「普通の一般市民」なら、特別に説明しなくとも「誰でも分かる」と思っていましたけど…

D【「婦女禁売条約の適用地域より帝国が今尚朝鮮、台湾、関東州、樺太等を除外し居るは条約の効果を減じ帝国の体面を損するものにつき、政府は速やかに之を廃止すべし」と決議して政府におくり、合わせて決議と大会資料の英訳を調査団に提出した。

1931年(昭和6年)5月、国際聯盟から派遣されて婦人児童売買実状調査団が来日した際に、当時廃娼運動を行っていた市川房江さんたちが第6回全国廃娼同士大会で決議した内容とそれを政府と調査団に送りました。このことは市川房枝さんの編集・解説による『日本婦人問題資料集成〈第1巻〉人権 (1978年)』に書かれていることで、「台湾、関東州、樺太等と同じく朝鮮は除外」です。

このことは、1922年9月4日の大阪朝日新聞にも載っています。

同じことは、小林よしのり氏の「新ゴーマニズム宣言 第三巻」174pにも「吉見氏は朝ナマでこれを説明する際、植民地除外規定をわざと隠していた」と書いています。増田さんもこのことは知らないわけはないと思いますが、わざと隠して「朝鮮総督府は「慰安婦=性奴隷」犯罪に加担していた」と書いているんですよね。】

 はい、私も知っていましたよ。でも、別に「わざと隠していた」(笑)なんてものじゃありませんからぁ…説明はできる限り簡潔にして省エネしたい、と思っているので…

 では、仕方ないので、ウヨウヨさんのために、エネルギーを惜しまずに説明しましょう。【国際法上『犯罪』とされ、日本国内では『犯罪』であることを認めて結んだ条約を、「台湾、関東州、樺太等と同じく朝鮮は除外」】した、ということの意味をウヨウヨさんは考えられたことがないんでしょうね?

 「醜業婦女売買禁止国際条約」(1910)や「婦人及び児童の売買禁止に関する国際条約」(1921)によって、日本国内では「犯罪」とされたことも、植民地朝鮮では「合法」で「犯罪」ではなかった…だから、朝鮮総督府は、こういう「慰安婦募集広告」を平然と載せ、たくさんの未成年の朝鮮人女性たちが「日本軍慰安婦」として、多くは「騙され」て…就業詐欺罪、略取誘拐罪…は、もちろん、当時の植民地朝鮮でも除外されてはいませんでしたよ…集められ、強制売春をさせられて、人権・尊厳をズタズタに踏みにじられたのです。

 日本軍は、若い朝鮮人女性を「民間業者」に大量に集めさせました。そして、「日本軍慰安所」は朝鮮国内にはなく、戦地「支那」等、海外にありますから、多くは日本船(これは日本国内になりますから、日本国内に適用される法は全て適用されます)で「強制連行」され、海外の「日本軍慰安所」に送り込まれました。

 「就業詐欺や、甘言で誘拐され、自分の意思に反して連れて行かれること」は「強制連行」以外の何物でもないですよ。そして、朝鮮総督府は、そういう「犯罪」を取り締まる責任がありました。  ウヨウヨさんは、「強制連行ではない」と主張されますか? 「いい仕事が有る】と騙されてついていき、ひどいレイプを受け、どんなにイヤだと拒否しても暴力で朝鮮半島から連れ出されたことを、ウヨウヨさんは「自発的意思で船に乗り、自発的意思で慰安所に入ったので、強制連行したのではない」と主張されますか? 「日本軍は直接、やっていない」と主張されますか?

 いえいえ…上記公文書にあるように「日本軍が業者に指示を出した」のですから、「日本軍は業者に『警察に捕まるようなやり方はするな、巧くやれ』と指示を出していた」からと言いわけをし、日本軍が直接、強制連行したのでなくとも、日本軍はその就業詐欺罪、略取誘拐罪、強制連行、そして慰安所でのレイプ・監禁・拷問・傷害・強制売春の主犯です。

 朝鮮総督府は、当然、こういう広告を出す業者が「日本軍の指示下」で、『軍部諒解』に基づき、「慰安婦」を募集していることを知っており、その「慰安婦」がどういうものかよく知っていて…その必要性をよく知っていたからこそ、こういう犯罪広告も載せてるわけで…日本軍性奴隷「犯罪」に加担したことは明らかです。ま、普通の視力が有る、「普通の一般市民」でなければ、認識できないかもしれませんけど・・・

結論
 この広告は「朝鮮総督府は『慰安婦=性奴隷』」犯罪に加担していた」「物証」です。

E【あの頃は「日本軍がやった」と言っていたけれど「日本軍がやったという証拠は見つからない。しかし業者がやっていた」と韓国に言ってはどうですか。さらに「その業者が日本軍の指示でやったという証拠もないけれど」というのもです。当時から「日本軍がやった犯罪行為」と言っていた人たちこそ韓国にそのことを言うべきだと思いますが、そうは思わないのですかね。】

 あのぉ〜…ウヨウヨさん、「日本軍がやったという証拠は見つか」っていますよ、あなたがブログに載せながら、都合の悪い文字だけは全く見えなかったらしい「軍慰安所従業婦等募集に関する件」という日本陸軍副官通牒を手はじめに、それこそ、これでもかっ!?(笑)って、イヤになるほど…

 ウヨウヨさんは、私が御紹介したアジア女性基金のURL…念のためにもう一度教えて差し上げます…
http://awf.or.jp/pdf/0051_2.pdf

をクリックして、その「日本軍がやったという証拠」を見る、という作業を全く一度もしてないんじゃありませんか? 見なければ、見つかりませんよ(笑)、もちろん…でも、自分に都合の悪い文字は見えないという奇妙な視力の持ち主には永遠に見つからないかもしれませんけど(笑)…

 あっ、親切な増田さん(笑)ですから、中曽根康弘さんが、日本軍慰安所を『設置』していた、けれども、ウソをついていた、という「証拠」を挙げておきましょう。 http://fujihara.cocolog-nifty.com/tanoshi/2011/10/post-191b.html バリックパパンの日本海軍322基地に「設営班慰安所」 1942年3月1 1日、中曽根康弘主計中尉の「取計(とりはからい)」で開設 防衛省防衛研究所所蔵の文書に記述   高知市の平和・資料館の調査で判明
「第二設営班  矢部部隊一、編成
主計長 海軍主計中尉 中曽根康弘」 「バリックパパンでは・・・主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設氣持の緩和に非常に効果ありたり」
ええっい(笑)、もうひとつ、オマケしちゃいましょう!
「その業者が日本軍の指示でやったという証拠」は、上記アジア女性基金のURLをクリックすれば、「南支派遣林部隊長発給証明書1940年6月27日『資料集成』第1巻152頁」に出てます。必ず、ご覧なさいね!

 台湾総督府文書に有る南支派遣軍の林豊部隊長が発行した「当隊付属慰安所経営者」の証明書です。「今回慰安婦連行ノタメ」「慰安婦ハ当隊慰安ノタメ是非必要ナルモノニ付」この証明書をもった業者の「渡航ニ便宜供与」してやってくれ、と書いて有りますから!(原文は旧字体です)
さらにオマケ(笑) これも、上記アジア女性基金のURLをクリックすれば出てきますが、

『岡村寧次大将資料第一 戦場回想編』1970年、302-303頁

「昔の戦役時代には慰安婦などは無かったものである。斯く申す私は恥かしながら慰安婦案の創設者である。昭和七年の上海事変のとき二、三の強姦罪が発生したので、派遣軍参謀副長であった私は、同地海軍に倣い、長崎県知事に要請して慰安婦団を招き、その後全く強姦罪が止んだので喜んだものである。

 現在の各兵団は、殆んどみな慰安婦団を随行し、兵站の一分隊となっている有様である。第六師団の如きは慰安婦団を同行しながら、強姦罪は跡を絶たない有様である。」

 岡村の部下であった岡部直三郎上海派遣軍高級参謀も慰安所の組織化に働いたと言われている岡部直三郎が北支那方面軍参謀長として1938年(昭和13年)6月に出した通牒(『資料集成』2巻 23‐26頁)に「速二性的慰安ノ設備ヲ整ヘ」
と書いてあります。なぜ、「速二性的慰安ノ設備ヲ整ヘ」る必要があるかについて、ここに書いてあることは、今回の橋下ウルトラ妄言と全く同じです。
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2013年05月28日

第二次大戦で慰安婦制度があったことが確認されているのは、旧日本軍とナチスのドイツ軍しかない

橋下氏「誤報」は本当か? 慰安婦発言 識者と検証「論点のすり替え」メディア利用失敗?
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/3f1670b97ca45ab2b8d1e76bb51c0d2a

「神戸女学院大の石川康宏教授(経済学)は「慰安婦制度と個々のレイプを混同しているのではないか。少なくとも第二次大戦で慰安婦制度があったことが確認されているのは、旧日本軍とナチスのドイツ軍しかない」と続ける。」

太田光征
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2013年05月25日

従軍慰安婦制度の被害女性が韓国兵によるベトナム人女性被害者の子どもを支援

従軍慰安婦制度の被害女性が、ベトナム戦争時代の韓国兵によるベトナム人女性被害者の子どもを支援する活動を行っている。それだけの高みにある女性にとって、橋下発言は話にならない。

「橋下氏は辞任を」〜抗議集会に女性結集
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1587



太田光征
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日本維新の会衆院議員 中山成彬殿:元従軍慰安婦の方々に対する侮辱を止めよ

日本維新の会衆院議員 中山成彬殿

元従軍慰安婦の方々に対する侮辱を止めよ
2013年5月25日


あなたは5月24日、元従軍慰安婦の方々が橋下徹大阪市長との面会を拒絶したことについて、「橋下氏に強制連行の中身を鋭く追及されるのをおそれたか?化けの皮がはがれるところだったのに残念」とツイッターで発言しました。

朝日新聞デジタル:「橋下氏の追及恐れたか」 中山議員、慰安婦面会中止で - 政治
http://www.asahi.com/politics/update/0524/TKY201305240439.html

このような侮辱はとうてい許すことができません。謝罪の上、直ちに国会議員を辞職するよう要求します。

化けの皮がはがされたのはあなたと日本維新の会の方です。

橋下氏は今回の発言で、自分の党に迷惑をかけたということでまず石原共同代表に謝罪し、今度は米軍と米国民に謝罪しました。軍の理屈と日本の卑屈性そのものです。

これも倒錯しています。橋下氏はまず、元従軍慰安婦の方々を傷つけたことに対して謝罪しなければなりません。

橋下氏には下記の要求書を送ってあります。お読みください。

橋下徹大阪市長、安倍首相を道連れに差別政治と決別を
http://kaze.fm/wordpress/?p=456

太田光征
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河野官房長官談話を見直す根拠はない:安倍内閣の閣議決定は歴代の閣議決定と同じ

安倍首相は第一次安倍内閣で「強制連行を直接示すような記述はなかった」ことを「初めて閣議決定」したと主張しているが、第一次安倍内閣の前にそのような閣議決定がある。だから、「強制連行を直接示すような記述はなかった」ことを前提にしている河野官房長官談話を見直す根拠は存在しない。

以下、つじともWEBから抜粋して転載します。

太田光征



橋下徹大阪市長の慰安婦を巡る発言の背景となった安倍首相の「閣議決定」に関する発言について:辻元清美 ブログ:つじともWEB
http://www.kiyomi.gr.jp/blogs/2013/05/23-933.html

さらに、安倍首相は「いわばその重たい閣議決定をしたのは初めてであります」(2013年3月8日の辻元の予算委員会質問に対する答弁)と、歴代内閣で初めて、「強制連行を直接示す記述はなかった」ことを閣議決定したと答弁している。ところが、これも虚偽答弁である。
すでに1997年11月21日、高市早苗議員の提出した質問主意書に同じ内容の答弁(G)が橋本内閣によって閣議決定されている。
G)高市早苗議員の質問主意書「慰安婦」問題の教科書掲載に関する再質問主意書(1997年11月21日)に対する答弁書
「いわゆる従軍慰安婦問題に関する政府調査においては、発見された公文書等には、軍や官憲による慰安婦の強制連行を直接的に示すような記述は見られなかった。他方、調査に当たっては、各種の証言集における記述、大韓民国における元慰安婦に対する証言聴取の結果等も参考としており、これらを総合的に判断した結果、政府調査結果の内容となったものである」

上記のように、河野官房長官談話について、第一次安倍内閣で新しい内容の閣議決定をしたわけではない。第一次安倍内閣は、歴代の内閣と同じ答弁や閣議決定を繰り返したに過ぎないのであって、河野官房長官談話を見直す根拠は存在しない。

にも関わらず、第一次安倍内閣であたかも新しい認識を示したかのような答弁を繰り返し、河野官房長官談話を見直す根拠にしようとする安倍首相の姿勢は、国民をあざむこうとしていると言わざるを得ない。
また、こうした安倍首相の発言をもとに発言する橋下市長も認識不足と言える。

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2012年09月28日

「慰安婦制度」は日本軍が作ったことを示す証拠のごく一例:「慰安婦問題」ネトウヨに騙された方との往復メール

長い文章ですが、赤字部分に目を通してください。

-----------------

皆様
こんばんは。犯罪都教委&1・5悪都議と、断固、闘う増田です! これはBCCでお送りしています。重複・超長文!? ご容赦を!

 「慰安婦問題」について、「ネトウヨら」に騙された方がいらっしゃったので、「慰安婦=日本軍性奴隷制度の被害者」に関して、「ネトウヨ紹介の史料から、確実に言える歴史事実」を紹介しました。

 こういう、○○さんのようなまじめな方・・・だと思いますけど・・・も、「ネトウヨら」の「ウソも百回言えば事実になる」に、引っかかってしまわれるのだなぁ、と、ため息・・・彼らの目的は、一定程度(であることを祈るしかにのですが)、成功しているんですねぇ・・・

 
*********************************
<○○さんから、増田へ>
 いつも諸問題を紹介ありがとうございます。

 慰安婦問題について、中曽根らが関与していたと自らほのめかしていたことから、軍が関与していたのは疑いないのですが、ネトウヨらは、韓国が自ら招集していたという物証も示し、日本軍が関与していた訳ではないという主張。

(彼らが引用している画像がまとまっているサイト
http://s.webry.info/sp/14819219.at.webry.info/201111/article_7.html

それぞれの事象発生年月を追う気があまりしないのですが、

私の勝手な推論:
・当初は日本軍が関与していた。
・待遇を丁寧にしていた。
・韓国の人が関与するようになってきて、日本軍が手を引くようになった。
・待遇が悪化してきた。

ということ、ではないでしょうか?

<増田から ○○さんへ>
> 彼らが引用している画像がまとまっているサイト
> http://s.webry.info/sp/14819219.at.webry.info/201111/article_7.htm
>
 見てみましたけど、この、どこにも
「韓国が自ら(※慰安婦を)招集していたという物証」は見当たらないのですけど・・・

 もしかして、「民間人の慰安婦募集広告」と、ネトウヨが銘打っているもの・・・のことでしょうか? アホウヨと言われるだけあって、資料を示す際の常識である出典が示せないのは仕方ないと思いますけど、これは、右側(「急募」ってヤツ)が、朝鮮総督府のハングル語機関紙である『毎日新報』に載せられたもので、左側が朝鮮総督府の日本語機関紙である『京城新報』に載せられたものです。

 ウィキによれば、『京城日報』は「日本人を含め親日派とされていた人物達は、主に京城日報を購読していたという分析もある。」というシロモノです。ハングルの方の『毎日新報』だって同じでしょう。

 朝鮮総督府の機関紙に載せられた「軍慰安婦募集広告」・・・○○さん、これが何を意味するかお分かりになりませんか? これから分かることは、

@朝鮮総督府=日本政府の支持・許可(もちろん、文書はなく黙認)の下に、「日本軍慰安婦募集」の広告が出されている。しかも「慰安婦」が「売春婦」を意味するとは書いていない。

A、当時の植民地朝鮮ではハングルでさえ読めない貧しい人が多かったのであり、ハングルにしろ、日本語にしろ、朝鮮総督府の機関紙を購読して、それが読める、という階層は「慰安婦」被害女性たちとは無縁の階層であり、まして「17歳以上30歳迄」「17歳以上23歳迄」の若い朝鮮人女性たちが、これを読んで「募集」に応じる、なんてことは、当時の植民地朝鮮では、まず有り得ないっ!?

B朝鮮総督府の機関紙に載せられた広告を見て、「おっ、これは、儲け仕事になる」とか思って、「17歳以上23歳迄」「17歳以上30歳迄」の若い女性たちを集めた「業者」は、たとえば村長(面長)ぐらい以上の新聞を購読できる階層であり、『毎日新報』の広告は韓国人業者で、『京城新報』の広告の方は「今井紹介所」とあって、こちらは明らかに日本人業者であり、日本軍の指示下での韓国人業者、日本人業者とも若い朝鮮人女性を「高額なカネ」で釣って「軍慰安婦=性奴隷」としようとしていたことが明らかである。

C当時でも、日本政府は「醜業婦女売買禁止国際条約」(1910)や「婦人及び児童の売買禁止に関する国際条約」(1921)に加盟しており、 これらの条約では、婦女子に対する暴力、脅迫、詐欺による売春の強制や未成年に対する勧誘は「本人の承諾を得たるときと雖」「罰せられるべし」としているので・・・当時、成年は21歳・・・朝鮮総督府は、本来、こんな「広告」は拒否し、国際条約違反の犯罪・人権侵害として、これらの業者を取り締まる立場にあったのに、黙認した。ということは、朝鮮総督府は「慰安婦=性奴隷」犯罪に加担していたのである。

 以上が、ネトウヨが「韓国政府が自爆したポスターに使われている民間人の慰安婦募集広告」というものから、分かる「日本軍慰安婦=日本軍性奴隷」犯罪の紛れもなき「物証」です。どっちが「自爆」してんだか(笑)・・・

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 では、2点目、○○さんが書かれていた「慰安婦問題について、中曽根らが関与していたと自らほのめかしていたことから、軍が関与していたのは疑いない」ですけど、こんなもんは、その「関与」なんて生易しいものではない、日本軍が作り上げた「性奴隷犯罪=慰安婦制度」システムのウンザリするほどたくさんある証拠の、ほんの一例にすぎません。

 ○○さんは、私がMLに紹介していたアジア女性基金HPにある、ウンザリするほどたくさんの証拠文書に、全く目を通していらっしゃいませんね? 私は、この「基金」に全く反対ですけど、文書庫はたいへん、役立ちますから、ぜひ、目を通してみてください。http://awf.or.jp/pdf/0051_2.pdf 

@「性奴隷犯罪=慰安婦制度」システムは日本軍が作り、大日本帝国政府は全面的に協力した。その証拠の一例を上記「基金」HPから挙げます。

『岡村寧次大将資料第一 戦場回想編』1970年、302-303頁

「昔の戦役時代には慰安婦などは無かったものである。斯く申す私は恥かしながら慰安婦案の創設者である。昭和七年の上海事変のとき二、三の強姦罪が発生したので、派遣軍参謀副長であった私は、同地海軍に倣い、長崎県知事に要請して慰安婦団を招き、その後全く強姦罪が止んだので喜んだものである。

 現在の各兵団は、殆んどみな慰安婦団を随行し、兵站の一分隊となっている有様である。第六師団の如きは慰安婦団を同行しながら、強姦罪は跡を絶たない有様である。」

 岡村の部下であった岡部直三郎上海派遣軍高級参謀も慰安所の組織化に働いた。証拠は岡部直三郎が北支那方面軍参謀長として1938年(昭和13年)6月に出した通牒「速二性的慰安ノ設備ヲ整ヘ」(もちろん、その必要性を簡潔ながら丁寧に述べています)があります。

○○さん、おわかりでしょうか?
 「軍が関与していた」なんてもんではありません。日本軍が、「慰安婦」犯罪システムを作ったのです。「慰安所」は「兵站の一分隊」であり、兵站条項(陸軍慰安所は酒保の附属施設)の中に書いてあります。

●「野戦酒保規程」
第一条 野戦酒保ハ戦地又ハ事変地ニ於テ軍人軍属其ノ他特ニ従軍ヲ許サレタル者ニ必要ナル日用品飲食物等ヲ正確且廉価ニ販売スルヲ目的トス
   野戦酒保ニ於テ前項ノ外必要ナル慰安施設ヲナスコトヲ得

A慰安所=性奴隷レイプセンター設置を決定した日本軍は、そのために「慰安婦」集めをしなければなりません。しかし、日本内地、植民地朝鮮において、日本軍が前面に立って「慰安婦集め=慰安婦狩り」をすることは絶対に避けなければなりません。「軍の威信」に関わりますから・・・そこで、「民間業者」に集めさせたので、上記、その「慰安婦募集広告」も出されることになったのです。

 ○○さん御紹介のネトウヨの書いたものでは「この(※吉見義明さんが発見した)資料はよく読んでみる と、日本国内で慰安婦を斡旋する業者が人さらい紛いのことをしているが、それ は『軍の威信』に関わるから業者の選定を厳しくせよ、という『業者を取り締まる』内容です。」なんて、得意げになって「自爆」しています。もちろん、「自爆」している自覚は全く無いことは、上記「慰安婦募集広告」と同様ですけど・・・

 この通牒案の第一行が「(日本軍が)支那事変ニ於ケル慰安所設置ノ為」と書いてあることが、このネトウヨには見えていないんですね。要するにフシアナの目を持つのがアホウヨと言われる連中ですからねぇ・・・

 それから、続けて「内地ニ於テ之カ従業婦等ヲ募集ニ当リ故サラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ」とあるのですよ!

○○さん、お分かりですか? ここから分かることは
@「慰安婦=性奴隷犯罪被害者」募集に当り「軍部諒解」している、ことを、軍部は認めている・・・当然ですけど・・・「故サラニ」それを「利用シ」が困る、ってこと。あんまり大っぴらにやったから「『軍の威信』に関わ」ったじゃないかっ!? ってわけ。

A従って、この通牒は慰安婦=慰安所システムを巧く回すために、日本軍が「(もっと巧くやれる)業者の選定を厳しくせよ、という『業者を取り締まる』内容」であって、「性奴隷犯罪=慰安婦制度」システムは日本軍が作り、「慰安婦=性奴隷犯罪被害者」を大量に生産したのは日本軍である、という紛れもない「物証」である。
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○○さん、お分かりいただけたでしょうか?

 日本軍=大日本帝国政府は、前記した醜業婦女売買禁止国際条約(1910年)、婦女売買禁止条約(1925年)や、強制労働条約(1932年)等の国際条約に違反する性犯罪、また、国内法における就業詐欺、略取誘拐罪、監禁罪、拷問罪、暴行罪、脅迫罪、傷害罪、殺人罪、終戦後の置き去り(保護責任者遺棄罪かな?)等々、数々の言語に絶する「慰安婦=性奴隷」犯罪の主犯であり、「民間業者」は従犯に過ぎないのです。

 したがって、○○さんの「勝手な推論:

・当初は日本軍が関与していた。
・待遇を丁寧にしていた。
・韓国の人が関与するようになってきて、日本軍が手を引くようになった。
・待遇が悪化してきた。」

は、全く歴史事実に存在しない、完璧に誤った「推論」なのです。

 「待遇問題」に関しては、設置されたそれぞれの慰安所の状況に応じて、さほどの虐待をしなかった・・・程度問題で、傷害・拷問まではしなかったということ・・・ところもあるようです。たとえば海軍が太平洋の島々に設置した慰安所などは、商品である「慰安婦」の補給は至難ですから、商品を虐待しては商品が減り過ぎると「店」を運営できませんから、虐待はそうでもなかった(程度問題で)と言われています。でも、供給先に近い、東アジア・東南アジア地域の慰安婦虐待は、本当に目を覆いたくなるほどのものだったようですよ。

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以上、転載

太田光征
posted by 風の人 at 00:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 従軍慰安婦・脱差別