2017年03月11日

2017年3月8日、小池晃・共産党書記局長の秘書に面談にて小選挙区制の廃止を国会の俎上に載せるよう要望

2017年3月8日午前10時半から11時まで、参議院議員会館の面接室にて、「平和への結集」をめざす市民の風の大津留公彦、大塚要治、太田光征が小池晃・共産党書記局長の秘書を務める及川康様、小山田智枝様と面談してきました。

大変間延びになりましたが、2015年末から2016年初めにかけての報告書(2016年2月22日の記者会見版)と要望書を提出し、小選挙区制の廃止を国会の俎上に載せるとともに、野党間でも政策協議の対象にしていただくことを要望することが目的です。

街頭世論調査「次の国政選挙、どこに投票する?/小選挙区制に賛成・反対?」 報告書
http://kaze.fm/documents/Street_Poll_Report_20160222.pdf
戦争法「成立」を受けての野党に対する要望書(2015年12月17日訂正版)
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/431413716.html

街頭世論調査の報告では、自民党に投票すると答えた方の44.1%が小選挙区制に反対し、賛成の34.6%を上回っていること、また民主党に投票すると答えた方についても68.0%が小選挙区制に反対し、賛成の14.1%を上回っていること、全体では63.5%が小選挙区制に反対していることから、小選挙区制反対が民意であることを説明しました。本調査のサンプル数は1000を超えます。

今日の野党選挙共同では立憲主義の回復が掲げられていますが、最大の政治的影響力としての国民主権が小選挙区制によって切り崩されているという状況が安全保障関連法の「成立」をもたらしているのだから、立憲主義の基盤たる国民主権を取り戻すという観点から小選挙区制の廃止が要請される旨を訴えさせていただいところです。

及川康様からは共産党が各党協議の場で小選挙区制反対の意向を説明しているとの説明を受けました。

「平和への結集」をめざす市民の風では引き続き、粘り強く各党・議員に小選挙区制の廃止を訴えていきます。


太田光征

「平和への結集」をめざす市民の風
http://kaze.fm/
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2015年09月19日

「立憲主義者の憲法学者」はどのくらいいるのか――小選挙区制が解釈壊憲と立法壊憲を誘因する

小林節氏の以前の下記のような考え方は、憲法違反を認める戦争法を容認する考え方とどこが違うというのでしょうか。一時的な独裁を認めて、違憲の憲法解釈をしても、違憲立法を行っても、政権交代で憲法解釈を復活させ、違憲法を廃止すればよいというのでは、憲法の実効的安定性もなにもありません。

なぜ自民議員は首相に逆らえないのか 小林節慶応大学名誉教授インタビュー (ニュースソクラ) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150914-00010000-socra-pol
<私が小選挙区制に賛成していたもう一つの理由は、この制度では51%の票で100%の議席が取れます。同じ党の議員ばかりになって、一時的に独裁みたいになるかもしれないけれども、「決められない政治」から脱却して、てきぱきと決めていけるようになる。その政治的判断が間違っていたと国民が思ったら、選挙で落とせばいい。2%変わるだけで、他の党が政権を取れるわけですから。スピード感もあるし、試行錯誤してやっていけばいい、こういう発想でした。>

有権者の多数派が支持している政権であれば、わざわざ解釈壊憲や立法壊憲という危険を犯す必要性はありません。正面から改憲プロセスを踏めばよいのです。

わざわざ解釈壊憲や立法壊憲をするのは、<有権者の多数派>および<有権者の少数派しか支持していない政権>というねじれ状態ゆえの現象であり、このねじれは小選挙区制によってもたらされています。今この時期、立憲主義の危機をもたらしているのが小選挙区制であると声を大にして訴えないということは考えられません。

立憲主義の危機をもたらしている小選挙区制
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/422989868.html

軍事を立憲主義で抑制しようとは考えても、憲法要請たる平等な国民主権を保障するための手段であるべき選挙制度を二大政党制の実現の手段や自民党のお家事情=金権腐敗の治療薬として貶めているところに、この国の立憲主義と民主主義の弱さがあります。

憲法要請を渾身の努力で具現化するということをせず、個人の勝手な政治観、統治観で選挙制度を歪めてきた狼藉のツケが戦争法なのです。「自民党を前提にした選挙制度」がいかに乱暴なものか。

野党(第一党)が死守優先したいのは憲法要請でも何でもない二大政党制(を実現するための小選挙区制)より立憲主義だといえるのかどうか。今、有権者が野党に向けるべき眼差しで最も必要なのはこれです。

小選挙区制の下、フラフラ憲法の時代に突入しました。

太田光征
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2015年07月25日

立憲主義の危機をもたらしている小選挙区制

【要旨】憲法要請でも何でもない二大政党制を実現するため、憲法が要請する平等な国民主権を犠牲にしてまで小選挙区制を支持することは、違憲の集団的自衛権という政策を実現するために違憲の憲法解釈をするのと同様に乱暴で、立憲主義・民主主義とあいいれません。



とりわけ小選挙区制が立憲主義の危機をもたらしている最大の原因であるというのに、野党もメディアも小選挙区制の問題を追求しません。

なぜ違憲の安保法制に党内から異論が出ないのか/村上誠一郎氏(自民党衆議院議員) (ビデオニュース・ドットコム)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150620-00010001-videonewsv-pol
「小選挙区比例代表並立制の導入によって、選挙区では各候補にとって党の公認を得ることが議員にとって死活問題となる一方で、比例名簿の順位を決める権限も党の執行部に握られるようになり、党の方針に逆らうことが難しくなった。」

自民党・村上誠一郎議員が涙を流して独白 安倍政権の安保法制を批判(34:20から小選挙区制、マスコミ批判)
https://www.youtube.com/watch?v=JwVDmxUKkNE

【安保法制】反対4長老の会見詳報(2完)山崎拓氏「自民党はヒラメ状態で上を見てる」(2/3ページ) - 産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/news/150612/plt1506120033-n2.html
山崎拓氏「それに、ほとんど安全保障問題に関心がない。衆院の場合、小選挙区制度のもとでは2分の1以上の有権者が強く関心を持つ分野に、特に力を入れて政策を訴えていくことになる。」

たそがれの「第三極」 1強政権で存在感示せず:朝日新聞デジタル(2015年5月21日)
http://www.asahi.com/articles/ASH5M4WRPH5MUTFK00B.html
<自民、民主の2大政党のはざまで存在感を示してきた「第三極」政党が勢いを失っている。象徴だった維新の党は、橋下徹最高顧問が政界引退を表明し、失速ぎみ。渡辺喜美代表のもと勢力を拡大したみんなの党も消滅するなど、勢いは軒並み衰えている。背景には、獲得議席数の振れ幅が大きい二大政党制と、党首のキャラクターに頼る第三極特有の限界がある。>

この朝日記事は二大政党制を当たり前の前提のように考えていますが、二大政党制なるものは憲法で定められた政治体制ではないのです。憲法要請でも何でもない二大政党制を実現するため、選挙制度をその下請手段に貶め、憲法が要請する平等な国民主権(死票が最小化され、院内における国民の意見の反映度合いが最大限に平等なこと)を犠牲にして、小選挙区制が導入されています。

憲法要請を渾身の努力で選挙制度に具現化する努力を怠り、選挙制度に選挙制度以外の目的を盛り込むことがいかに乱暴なことか。このような考え方は、違憲の集団的自衛権という政策を実現するために違憲の憲法解釈をするのと同様に乱暴で、立憲主義・民主主義とあいいれません。

一部の人間の手前勝手な「統治観」―「国民主権観」ではない―に基づいて小選挙区制を導入したことの成れの果てが、憲法9条レベルでの壊憲、立憲主義の危機です。

選挙制度を国民主権論の領域に取り戻さなければなりません。選挙制度はそれこそ裁判でいえば「統治行為論」ではなくいわば「主権行為論」に属するものです。国民主権を最高の価値とするなら、統治行為の上に主権行為を置き、国民主権を規定する選挙制度や国民主権の最高度の発動機会としての改憲発議に関する規定については、憲法が定める以外、司法は触ることが許されないと、統治行為論を採用する裁判所は主張してもおかしくありません。国民主権論の領域に属する「1票の格差」にからんで事細かな「1人別枠方式」などに口を出す最高裁が、日米安保ごときに口を出さないのはどういうことか。

一部の野党や無視できない数のメディアにとって、自民党を前提にした二大政党制ないし寡頭制が、立憲主義の危機という状況においても、何にも増して優先される政治的パラダイムなのです。

立憲主義の危機をそれなりに指摘するメディア、学者、野党政治家などが、乱暴な二大政党制=小選挙区制を支持したままというのが、この国の立憲主義・民主主義の弱さを示していると思います。

太田光征
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2015年05月31日

第47回衆議院議員総選挙(2014年衆院選)無効請求訴訟の上告理由書

2015年5月29日、第47回衆議院議員総選挙(2014年衆院選)無効請求訴訟の上告理由書を東京高裁に提出してきました。

2015年5月28日付上告理由書
http://otasa.net//documents/2014senkyo/2015_Reasons_for_Final_Appeal.pdf

以下は上告理由書の要旨で、番号は理由書内の番号です。


1 選挙人は所属選挙区以外の選挙区についても選挙無効請求訴訟を提起できる(原告適格制限)
8 住所非保有者の選挙権制限(選挙無効の原因の制限)

公選法の204条の規定では選挙の効力に関し異議がある選挙人はだれでも選挙規定の違反(同法205条)を無効原因として選挙訴訟を提起できます。

ところが、東京高裁判決は従来の訴訟と同様、所属選挙区以外についての訴えと、他者に係る選挙規定(住所非保有者からの選挙権剥奪)についての訴えを却下し、いわゆる民衆訴訟としての選挙訴訟が特定の選挙人などの権利保護を目的とせずに違法な選挙の結果を排除する公益上の要請から認められた制度であるとする過去最高裁判例に違背する判決となっています。


3 比例区における投票価値の格差の違憲性

東京高裁判決は、投票価値の格差一般を違憲と判断した下記平成24年10月17日大法廷判決に違背して、投票価値の定義「投票の有する影響力」を削除し、いわゆる「1票の格差」(1議席当たりの有権者数ないし人口の選挙区間での比)だけが投票価値の格差だと錯覚し(たように見せ)、「政党間」で「1議席あたりの得票数」を比較する政党間1票格差の違憲性を認めませんでした。

「憲法は,選挙権の内容の平等,換言すれば,議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等,すなわち投票価値の平等を要求していると解される」(平成23年(行ツ)第64号選挙無効請求事件平成24年10月17日最高裁判所大法廷判決・集民第241号91頁)

原審原告らは投票価値を「政党・候補者の議席配分・獲得議席数に与える影響力」と明確に定義しています。国会議員は選挙区の代表ではなく全国民の代表であることからして、投票価値を考える場合の有権者グループの区分け基準は選挙区だけでなく、投票先政党別など、種々に考えられるのです(訴状13ページの表「投票価値の格差をめぐる従来の定数是正訴訟と本件訴訟の比較」参照)。

政党間1票格差は、自民党細田博之氏の「比例区中小政党優遇枠案」の評価で、読売新聞も指摘し、産経新聞も概念化しています。
現行の衆院比例代表制はブロック間で異定数・異種選挙制度を適用しているため、同一投票結果・同一価値を実現していません。これは、訴状18ページで示したように、東北ブロック(定数14)より四国ブロック(定数6)で得票率が高い共産党および同党に投票した有権者が前者で候補者を当選させることができ、後者で候補者を当選させることができなかった事態を指します。四国ブロックの定数6は比例代表制などとはいえません。単なる中選挙区制です。

東京高裁判決は、どの選挙制度でも死票が生じるという理由で、こうしたブロック間死票率格差(定数自体の格差、異定数・異種選挙制度の適用)も投票価値の格差とは認めませんでした。ちなみに、スイス連邦最高裁はブロック間死票率格差=定数自体の格差=政党間1票格差を違憲と判断しています。


4 当選枠配分の格差(比例区の定数枠から無所属候補を締め出す小選挙区比例代表並立制は制限選挙規定であり違憲である)

東京高裁判決は、当選枠配分の格差をめぐっても、政党の重要性を根拠に、制限選挙規定をあからさまに認めています。


5 比例区選挙の立候補者数規定は制限選挙規定であり違憲である

比例区には候補者2割要件(政党要件のない政治団体にのみ各比例区ブロックの定数の2割の候補者擁立を義務付けた比例区立候補規定)があります。

東京高裁判決は、候補者2割要件の立法目的を政策本位、政党本位の選挙の実現とするが、選挙で政党よりも得票数すなわち国民の政治的意思が多く集まり、政党よりも支持される政治団体が存在する今日の状況(2013年参院選の緑の党対みどりの風)を無視して、政党と政治団体を区別しなければ政策本位、政党本位の選挙が実現しない点について、何ら反証していません。


6 小選挙区における投票価値の格差の違憲性

小選挙区では、いわゆる「1票の格差」(選挙区間)と「投票価値の格差」「政党間1票格差」(全国レベル、公明党を基準にして共産党の82.78倍が最大)を争点にしましたが、東京高裁判決は1票の格差2倍超について、投票価値の格差の是正の必要性すなわち違憲性を認めながら違憲ではないとする論をいまだに繰り返し、1票の格差2未満の違憲性を否定しています。

小選挙区における定数配分の格差で問題なのは、自民党など特定党派が強い地方に有権者数当たりの議席が多いという点などで、1票の格差そのものが無条件に問題なのではありません。

東京高裁判決は、小選挙区制がもたらす政党間1票格差を定数配分の格差が増幅させるという争点に何ら答えていません。


7 小選挙区制は優先的憲法要請と数科学的知見に違背し、違憲である

小選挙区制を含む多数代表制は多数意見さえ測定できないというコンドルセのパラドックスがあります。東京高裁判決は小選挙区制が「全国民の代表」(憲法第43条1項)に反することを示す同パラドックスに反証していません。

平等な国民主権を院内まで保障し、憲法前文「国民の厳粛な信託」、第43条「全国民を代表する選挙」という定量的要請に応えためには、選挙で投票者の総意が生票として議席に反映され、主権者の総意が院内に反映されなければなりません。死票の最小化が定量的憲法要請から導かれる定量的な選挙制度条件です。

死票を最大化する小選挙区制は「国民による国会での意見の多数決」さえ保障しない「国民の多数意見と国会の多数意見の乖離」(院内における「国民主権の格差」)を最大化する制度であることが自明で、国民の軽薄な信託を受けてごく一部の国民の代表を選出する不当・不平等な選挙制度となります。


9 高額選挙供託金規定は制限選挙規定であり違憲である

東京高裁判決は、「真に国民の政治意思を形成する」という架空の立法目的を捏造し、選挙供託金制度を定めた国会裁量権の合理性をこの架空の立法目的に照らして判断していて、問題になりません。実際の立法目的はあからさまな制限選挙である泡沫候補の立候補抑止、候補者乱立の抑止、選挙公営費の一部負担です。

第47回衆議院議員総選挙(2014年衆院選)無効請求訴訟(事件番号:平成27年(行ケ)第5号)訴状
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_Lower_House_Election_Complaint.pdf
準備書面(1)
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_Lower_House_Election_Brief1.pdf
準備書面(2)
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_Lower_House_Election_Brief2.pdf
甲第1号証Excelブック(下掲選挙分析Excelブックを印刷用にレイアウトしたもの)
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_koudaiichigoushou.xlsx
選挙分析Excelブック
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_gisekihaibun.xlsx

2015年3月30日東京高裁判決
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_Election_Tokyo_High_Court_Ruling.pdf

ブログ記事(現在、データベースの不具合で表示できません)
第47回衆議院議員総選挙(2014年衆院選)無効請求訴訟を提起
http://kaze.fm/wordpress/?p=538
小選挙区定数の「0増5減」は無所属候補に対する差別を拡大して選挙の違憲性を強める
http://kaze.fm/wordpress/?p=539
2014年衆院選無効請求訴訟:原告適格を制限する過去判例と被告回答書に反駁する準備書面(2)を提出
http://kaze.fm/wordpress/?p=540

太田光征
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2013年04月28日

「0増5減」は別の選挙権格差を拡大する

「0増5減」は別の選挙権格差を拡大する

政党・メディアの皆さま
2013年4月28日

「1票の格差」訴訟の一連の判決では、法の下の平等が「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」に適用されているのであり(2012年最高裁判決 http://goo.gl/aZBEv )、「定数配分の格差」だけが「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」の格差だと判断されたわけではありません。

例えば、議員1人当たりの人口がまったく同じであっても、参院選の1人区と5人区の間で「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」が平等だとは決して言えません。1票の影響力・価値は明らかに5人区の方が高いのです。

「投票価値」については、産経が自民党細田案の「中小政党優遇枠」を批判する形で、「政党間での一票の格差」を発生させると明確に主張しています。

「選挙制度改革どこまで本気? 有識者に議論を委ねた方が…」http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/642480/
「(中小政党優先枠について)「政党間での一票の格差」を新たに生み出すことになり、投票価値の平等に反する。」

「政党間での一票の格差」は明らかに「(選挙区間の)定数配分の格差」を指しているのではなく、これこそ真に「1票の影響力・価値の格差」「議員1人の当選に要する得票数(有権者数でない)の格差」を意味します。この格差は2012衆院選の比例区で、社民の4.87倍(対自民)が最大となっています。

「選挙権」の格差はまだあります。現行の選挙制度では、無所属候補は比例区に立候補できないので、政党候補からみて差別されています。選挙区でも比例区でも無所属候補を当選させたいと思う有権者が不利な立場に置かれているのです(政治的関係において差別すべきでないとする憲法14条に違反)。

「定数配分の格差」を是正するための「0増5減」は、「政党候補(支持者)と無所属候補(支持者)の間での定数枠の格差」を拡大するものです。

「0増5減」<さえ>遅々として進まない、という論調がありますが、こうした考え方から脱する必要があります。

「定数配分の格差」の是正が「政党間での一票の格差」や「政党候補(支持者)と無所属候補(支持者)の間での定数枠の格差」の是正より優先されるべきとする合理的な根拠はありません。

「格差」をなくす抜本改革しか道はありません。そのための論議をお願いします。

太田光征
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選挙協力: 9条墨守と小選挙区制廃止で自民と対抗を

選挙協力: 9条墨守と小選挙区制廃止で自民と対抗を
2013年4月28日

生活の党代表・衆議院議員 小沢一郎様
生活の党代表代行・参議院議員 森裕子様
生活の党幹事長・衆議院議員 鈴木克昌様
社会民主党党首・参議院議員 福島瑞穂様
社会民主党幹事長・参議院議員 又市征治様
社会民主党政策審議会長・参議院議員 吉田忠智様
みどりの風代表・参議院議員 谷岡郁子様
みどりの風幹事長・参議院議員 亀井亜紀子様
みどりの風政調会長・参議院議員 舟山康江様

生活の党、社会民主党、みどりの風は来る参院選で選挙協力をされるとのことです。

生活・社民・みどりが選挙協力=脱原発、反TPP掲げ (時事通信)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130425-00000154-jij-pol

共通政策は(1)脱原発依存(2)環太平洋連携協定(TPP)参加反対(3)憲法の平和主義の順守などとなっています。

選挙協力は必要であると思うし、これらの政策で一致することにも賛成ですが、自民党でさえその改憲草案は平和主義を守るものだと主張しています。平和主義と言っただけでは意味が定まりません。

生活の党は「9条を巡っては、武力行使を伴う国連平和維持活動(PKO)への参加を認める条項を新設する方向を示した」と報道されています。

生活の党が憲法改正案の原案、96条はそのままhttp://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130424-OYT1T01218.htm?from=ylist

これは明らかに9条改憲です。9条は変えず、日本は「武力行使を伴う平和活動」には参加しないことを共通政策に掲げていただきたいと思います。

3党の共通政策には小選挙区制の廃止がありません。2012年衆院選で死票率56%をもたらした小選挙区制を認めることは、国民の過半数に主権を認めないも同然であり、国民主権を尊重する政党であれば、考えられないことです。

国民の基幹的権利を制限しても構わないという思想を下敷きにして、どうやって国民のための政治が可能なのでしょうか。おそらく政権交代という政治的効用を実現するためには犠牲もしかたない、との考え方に基づくのでしょう。

「小選挙区制で政権交代を促す」という一部の見解・政治目的が、平等な国民主権を保障すべき手段としての選挙制度に組み込まれてしまっています。そのなれの果てが、脱原発に賛成7割以上という民意を蹴飛ばした2012年衆院選( http://goo.gl/W5KO1 )です。

そもそも小選挙区制が政権交代を促すというのは虚構です。2009年衆院選( http://goo.gl/rYISS )で、民主・共産・社民・国民・日本・大地の比例区得票率は過半数を超えていたし、2010年参院選( http://goo.gl/FLfSc )でも完全比例代表制であれば2007年参院選と合わせ、民主・共産・社民・国民・新日で過半数の議席を獲得できたのです。自民党の退潮によって政権交代ができるようになったに過ぎません。

得票率と議席占有率の乖離をもたらす小選挙区制の弊害を認めるからこそ選挙協力するのでしょう。選挙協力するくらいなら、小選挙区制の廃止で合意するのが筋というものです。

3党に限った要望ではありませんが、3党の共通政策に是非とも小選挙区制の廃止を盛り込んでください。

憲法の基本的人権・平和主義・国民主権を真に体現する政治勢力として自民党と対抗していただきたいと思います。

太田光征
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2013年03月25日

読売新聞御中:「政党間1票格差」は細田案でも現行制度でも2倍超の違憲レベル

読売新聞政治部御中

「政党間1票格差」は細田案でも
現行制度でも2倍超の違憲レベル

2013年3月25日

貴紙は自民党の細田博之衆議院議員が提案している衆院比例区選挙制度案を政党ごとの「1議席あたりの得票数」で評価していますが、これは正しい手法です。

自民案、312万票と200万票が同じ議席数に
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20130323-OYT1T00298.htm

ただ、北陸信越・東海ブロックの試算だけを基に、社民党が最も少ない票で1議席を獲得していることを示し、あたかも社民党などの少数政党が一番の得をするかのような印象を与えていることは、残念です。

「1票の格差」(1議席当たりの有権者数)と同様に、全国集計の票で比例区の「政党間1票格差」(1議席当たりの得票数)を比べると、細田案では社民党の格差が公明党の2.20倍(社民党の支持者は1議席を獲得するのに公明党支持者の2.20倍の票が必要)となり、細田案は公明党に最も有利、社民党に最も不利であることが分かります。自民と旧未来の政党間1票格差はほぼ同じです。

自民 維新 民主 公明 みんな 共産 未来 社民 大地
1.56 1.18 1.03 1.00 1.16 1.14 1.51 2.20 1.07

詳細については下記ブログ記事をご覧ください。

細田案が浮き彫りにする「政党間1票格差」(社民党支持者の1票の価値は、公明党支持者の1票の0.45票分)の違憲性
http://kaze.fm/wordpress/?p=449

この政党間1票格差は既に2012衆院選でも、最大が社民党の4.87倍(対自民)となっています。

衆院小選挙区における「1票の格差」は2倍が違憲とされるので、政党間1票格差2倍超をもたらす現行の比例区選挙制度も細田案も違憲です。

ドイツのように全国集計の票で議席を各党に配分すれば、この格差は最大で1.23倍に収まります。「中小政党優遇枠」を設ける必要はないのです。

太田光征
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自由民主党幹事長 石破茂様:細田案でも貴党は身を切らず、全国議席占有率は2012衆院選とほぼ同じで、一番有利なまま

自由民主党幹事長・衆議院議員 石破茂様
自由民主党幹事長代行・衆議院議員 細田博之様

細田案でも貴党は身を切らず、
全国議席占有率は2012衆院選とほぼ同じで、
一番有利なまま

2013年3月25日
石破議員は、貴党の細田博之衆議院議員が提案している衆院比例区選挙制度案で選挙を行った場合、「自民党が一番議席を減らし損をするが、それでもやる」とし、「身を切る<姿勢>」をアピールされました(自民・石破幹事長、選挙制度改革めぐり民主批判 TBS系(JNN) 3月23日)。

確かに、比例区では細田案で貴党が一番議席を減らします。しかし、比例区と小選挙区の全体で評価すれば、細田案でも、貴党の議席占有率は2012衆院選の61.25%から60.00%に変わるだけで、ほとんど「身を切る」ことになりません。比例区得票率27.62%の2倍以上もあり、貴党に一番有利なままです。他党の全国議席占有率も現行制度と細田案で実質的に違いはありません。

詳細については下記ブログ記事をご参照ください。

細田案が浮き彫りにする「政党間1票格差」(社民党支持者の1票の価値は、公明党支持者の1票の0.45票分)の違憲性
http://kaze.fm/wordpress/?p=449

2012衆院選の小選挙区で死票率は56%に上りました。実に有権者の2人に1人以上の票の価値がゼロということです。

細田案は平等な国民主権を保障しない現行制度に手を付けていません。「政党間1票格差」も違憲の目安である2倍を超えます。定数削減も国民の権利を縮減するものです。

太田光征
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みんなの党幹事長 江田憲司様:貴党案「定数300の比例代表制」では委員会レベルで比例性を担保できない

みんなの党幹事長・衆議院議員 江田憲司様

貴党案「定数300の比例代表制」では委員会レベルで比例性を担保できない
2013年3月25日

貴党は現在の衆院の定数480を300に減らし、完全比例代表制とする案を掲げています。この定数で民意を反映した国会機能を保てるとは思えません。

望ましい定数はどのくらいでしょうか。比例代表制と現在の常任委員会(の数17)を前提にすると、下記2条件を満たす委員会定数は最低でも30、衆議院定数は最低でもドイツ下院並み(基本議席598)の500人台となります(委員数30×委員会数17=510議席)。

1. 政党議席占有率3%を下限に、小政党でも掛け持ちせず全常任委員会に委員を1人以上配置できる
2. 委員数割り当ての比例性を担保する(会派の議席占有率に応じて委員は比例配分される。貴党レベルの議席占有率では、現在より少ない委員会定数、つまり現在の比例区ブロックのような定数では、各党・各会派に比例配分されない)

定量的な国会定数論――国会議員数は増やすべき
http://kaze.fm/wordpress/?p=310

また、単純比例代表制は無所属候補に投じられる「過剰な生票」などの問題を解決できません。例えば、議員1人当たり100万票で当選できる場合に、1人の無所属候補に300万票が集まっても当選議員を1人とすることは「民意の反映」と見なせません。

無所属候補に配慮した比例代表制が必要だと考えます。私は中選挙区比例代表併用制( http://kaze.fm/wordpress/?p=164 )を提案しています。

太田光征
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社会民主党党首 福島瑞穂様:小選挙区定数の削減も差別を拡大するので反対を

社会民主党党首・参議院議員 福島瑞穂様

小選挙区定数の削減も差別を拡大するので反対を
2013年3月25日

貴職は自民党の細田博之衆議院議員が提案している衆院比例区選挙制度案について「民意をゆがめ、少数会派を切り捨てる比例区削減は問題あり」と批判されています。

選挙制度改革自民案を酷評、江田氏と福島氏/神奈川
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1303200001/

定数削減については、是非とも小選挙区定数の削減にも問題があることを考慮していただきたいと思います。

現在、衆議院選挙では、無所属候補は小選挙区にしか立候補できない一方で、政党候補は比例区にも立候補できます。これは無所属候補に対する差別です。

小選挙区の定数を削減することは、無所属候補の当選枠をさらに狭め、無所属候補に対する差別をさらに拡大することになります。

従って、小選挙区定数の削減にも反対されるよう、お願いいたします。

[参考]
細田案が浮き彫りにする「政党間1票格差」(社民党支持者の1票の価値は、公明党支持者の1票の0.45票分)の違憲性
http://kaze.fm/wordpress/?p=449
中選挙区比例代表併用制を提案する
http://kaze.fm/wordpress/?p=164

太田光征
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2013年03月22日

公明党国会議員の皆さま:貴党に最も有利な細田案、プライドにかけて反対を

公明党は3月22日に細田博之衆議院議員が提案している衆院比例区選挙制度案に対する態度を決定する模様です。以下の要望書をファクスしました。高田健さんがリストされたファクス番号を転載しておきます。

太田光征



自民党の細田博之衆議院議員が提案している衆院比例区選挙制度案は、1票の価値の不平等性などの点で問題です。

2012衆院選の結果を基に細田案のシミュレーションを行うと、貴党に最も有利であることが分かります。

2012衆院選比例区において、貴党の得票率は11.83%、議席占有率は12.22%ですが、細田案では議席占有率が14.67%に増加します。得票数を獲得議席数で割った値(1議席当たりの得票数)は全党の中で最小です。

細田案が浮き彫りにする「政党間1票格差」(社民党支持者の1票の価値は、公明党支持者の1票の0.45票分)の違憲性
http://kaze.fm/wordpress/?p=449

「1票の格差」(1議席当たりの有権者数)と同様に、比例区の「政党間1票格差」(1議席当たりの得票数)を比べると、細田案では社民党の格差が貴党の2.20倍(社民党の支持者は1議席を獲得するのに公明党支持者の2.20倍の票が必要)となります。

衆院小選挙区における「1票の格差」は2倍が違憲とされるので、政党間1票格差2倍超も違憲です。ドイツのように全国集計の票で議席を各党に配分すれば、この格差は最大で1.23倍に収まります。「中小政党優遇枠」を設ける必要はないのです。

諸外国と比べて少な過ぎる国会議員の定数を削減するべきではありません。逆に増やして国会の能力を高め、民意を反映した選挙制度を創出し、民意に反した無駄な政策と支出を根絶できるようにすることで、財政再建を果たしてください。

「国民負担と引き替えの国会議員定数削減」「有権者の権利を縛るネット選挙法案」で各党議員に要望
http://kaze.fm/wordpress/?p=445

世界的に高すぎる選挙供託金こそ削減・廃止して、候補者が富裕層に偏らないようにし、「普通選挙」を実現してください。

2013年3月22日

太田光征

●衆参公明党議員電話・FAX番号

衆院・公明31名 参院・公明 19名
名前・歳 直通電話 FAX番号 名前 直通電話 FAX番号
赤羽一嘉54 3508-7079 3508-3769 秋野公造 6550-0711 6551-0711
伊佐進一38 3508-7391 3508-3631 荒木清寛 6550-1115 6551-1115
石井啓一54 3508-7110 3508-3229 石川博崇 6550-0616 6551-0616
石田祝稔61 3508-7472 - 魚住裕一郎 6550-0326 6551-0326
伊藤 渉43 3508-7187 3508-3617 加藤修一 6550-1207 6551-1207
稲津 久66 3508-7089 3508-3869 草川昭三 6550-0709 5512-4303
井上義久65 3508-7474 3508-3354 木庭健太郎 6550-1114 6551-1114
上田 勇 3508-7234 3508-3234 白浜一良 6550-0615 6551-0615
浮島智子49 3508-7290 3508-3740 竹谷とし子 6550-0517 6551-0517
漆原良夫68 3508-3639 3508-7149 谷合正明 6550-0922 6551-0922
江田康幸56 3508-7339 3508-3339 長沢広明 6550-0801 6551-0801
大口善徳57 3508-7017 3508-8552 西田実仁 6550-1005 6551-1005
太田昭宏67 3508-7249 3508-3519 浜田昌良 6550-0316 6551-0316
岡本三成47 3508-7147 3508-3637 松 あきら 6550-0419 6551-0419
北側一雄59 3508-7263 3508-3533 山口那津男 6550-0806 6551-0806
国重 徹38 3508-7405 3508-3885 山本香苗 6550-1024 6551-1024
輿水恵一50 3508-7070 3508-3850 山本博司 6550-0911 6551-0911
斉藤鉄夫60 3508-7308 3501-5524 横山信一 6550-0402 6551-0402
佐藤茂樹53 3508-7200 3508-3510 渡辺孝男 6550-0521 6551-0521
佐藤英道52 3508-7457 -
高木美智代60 3508-7630 3508-3260
高木陽介53 3508-7481 5251-3685
竹内 譲54 3508-7473 3508-3353
遠山清彦43 3508-7225 3508-3414
冨田茂之59 3508-7052 3508-3852
中野洋昌34 3508-7224 3508-3415
濱地雅一42 3508-7235 3508-3235
濱村 進37 3508-7112 3508-3412
樋口尚也41 3508-7631 3508-3261
古谷範子56 3508-7629 3508-3259
桝屋敬吾61 3508-7153 3508-3703
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2013年03月19日

選挙区間1票格差(地域代表性格差)と比例代表制の本質

升永弁護士らの「一票の格差」訴訟活動を紹介している記事です。

【「一票の格差」訴訟】首相官邸「聞いてなかったことにしよう」ホラー (月刊FACTA)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130304-00000000-facta-pol

「ただ、原告団は議員に課徴金を課すのが目的ではない。それを武器に、政府と各党に対し最後通牒をつきつけるという。その中身は?もう一度解散して『総選挙やり直し』、?小選挙区議員300人は旧区割りでなく、全国完全比例代表選挙で行うという期限付きの緊急立法を成立させる――という条件だ。選挙後に誕生する内閣は「選挙管理内閣」で、1−2年内に新しい選挙制度を決めて、そのうえで解散総選挙を行え、と求める。」

「人口比例選挙を行えと言っている。だから、格差0の比例選挙が一番」

現在の政治を考えると「選挙管理内閣」という選択肢が最善です。これには賛成。

升永氏らが主張している「1票格差」は選挙区ごとの議員1人当たり有権者数の違い(選挙区間1票格差)で、これは1票格差ではなく、地域代表性格差というべきものです。選挙区間1票格差が解消されても1票価値が増えたり減ったりするわけではなく、例えば2012衆院選の小選挙区における死票率56%にほとんど影響はありません。

「格差0の比例選挙」という場合に想定されている格差が、本当の意味での1票格差。比例選挙であっても、例えば全国一区であれば、ある地域を基盤とする候補はまったく当選しない場合もあり、地域ごとの当選議員1人当たり有権者数ないし投票数は同じとは限らず、地域代表性格差は解消されません。

しかし、比例選挙では有権者の意思が反映され、<政党については>議員1人当たり投票数が実質的にほぼ同じとなり、1票価値の平等が実現するので、地域代表性格差があっても、平等な国民主権が実現するといえます。

比例選挙の結果、<政党については>議員1人当たり投票数が実質的にほぼ同じになる理由は、最初から「議員1人当たりの当選に要する票数を同じにする選挙」を考えてみれば分かります。

私は賛成しませんが、電子投票制度と複数回の投票を認めれば、議員1人の当選に要する票数をまったく同じにし、完全な1人1票を実現することができます。

政党について見れば、第1回目の投票で過剰な生票をもらった候補に投票した有権者の一部が、2回目以降の投票で1回目の投票を修正し、おそらく同じ政党に属するものの第1回目の投票で当選できなかった候補に投票するでしょう。つまり、同じ政党を支持する有権者の間で、票の融通をします。こうして政党の候補については、最終的に得票数が並び、獲得議席は通常の比例選挙(非拘束名簿式)の結果とほぼ同じになるでしょう。

要するに、比例選挙というのは、政党について言えば、簡略なプロセスで「議員1人当たりの当選に要する票数を同じにする選挙」に近似させた選挙といえます。

太田光征
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民主党代表 海江田万里様:細田案による「政党間1票格差」、社民の2.20倍(対公明党)に比して自民は1.56倍に過ぎない

民主党代表・衆議院議員 海江田万里様

細田案による「政党間1票格差」、
社民の2.20倍(対公明党)に比して
自民は1.56倍に過ぎない

2013年3月18日(ファクス全2ページ)

貴職は自民党細田博之衆議院議員の衆議院比例区選挙案について「新たな1票の格差という問題も生じてくる」と批判されています。

自民の衆院選改革案批判=民主・海江田氏
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013031700182

「新たな1票の格差」の「新たな」という部分は間違っていますが、貴職が指摘される「1票の格差」は、「政党間1票格差」のことを指すのでしょう。

細田案が浮き彫りにする「政党間1票格差」(社民党支持者の1票の価値は、公明党支持者の1票の0.45票分)の違憲性
http://kaze.fm/wordpress/?p=449

「政党間1票格差」を「1議席当たりの得票数を各党ごとに求め、1番小さい政党の1議席当たりの得票数で割った値」と定義すると、政党間1票格差は既に許容できないレベルで存在します。

2012衆院選における「政党間1票格差」の最大は、社民の4.87 倍(対自民党)でした。

2012衆院選の結果を基に細田案のシミュレーションを行うと、「政党間1票格差」の最大は、同党の2.20倍(対公明党)となります。自民党の議席占有率は比例区得票率を下回るようになるとはいえ、自民党の「政党間1票格差」(対公明党)は社民党よりも軽い1.56倍に過ぎません。

衆院小選挙区における「選挙区間1票格差」2倍が違憲とされることからすると、政党間1票格差2倍超も違憲です。

またそもそも、世界的にみて少な過ぎる国会議員定数を削減して、民意を反映させる機能を削減し、国会の権威を軽くする必要はありません。

「国民負担と引き替えの国会議員定数削減」「有権者の権利を縛るネット選挙法案」で各党議員に要望
http://kaze.fm/wordpress/?p=445


太田光征
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公明党代表 山口那津男様:「政党間1票格差」2倍超の細田案の受け入れ拒否を

公明党代表・参議院議員 山口那津男様

「政党間1票格差」2倍超の細田案の受け入れ拒否を

2013年3月18日(ファクス全2ページ)

報道によれば貴党は自民党の細田博之衆議院議員による衆議院比例区選挙案を受け入れるとのことです。

自民改革案受け入れ表明=衆院選改革で公明代表
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013031800911

2012衆院選の結果を基に細田案のシミュレーションを行うと、貴党の比例区における議席占有率は2012年の12.22%から増加して14.67%となり、得票数を獲得議席数で割った値は全党の中で最小、つまり貴党を支持する有権者の1票の価値が全党の中で最大となります。

細田案のメリットを一番に受けるのが、貴党と言えます。

細田案が浮き彫りにする「政党間1票格差」(社民党支持者の1票の価値は、公明党支持者の1票の0.45票分)の違憲性
http://kaze.fm/wordpress/?p=449

「政党間1票格差」を「1議席当たりの得票数を各党ごとに求め、1番小さい政党の1議席当たりの得票数で割った値」と定義すると、政党間1票格差の最大は、2012衆院選で社民の4.87 倍(対自民党)、細田案で同党の2.20倍(対公明党)となります。

衆院小選挙区における「選挙区間1票格差」2倍が違憲とされることからすると、政党間1票格差2倍超も違憲です。

「今度の国会で合意するという約束をしている。理想的な、そもそもの議論をやっている余裕はない」(上記時事記事)

この発言は国会議員の仕事を放棄すると言っているようなものです。

政府は教育支出を経済協力開発機構(OECD)諸国並みにするそうですが、世界的に少な過ぎる国会議員定数も先進諸外国並みに増やして、理想的議論をできる国会にしてください。

削減すべきは世界的にみて高すぎる選挙供託金や政党助成金などです。削減すべきもの、増やすべきものが、あべこべにならないようにお願いします。

太田光征
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2013年03月08日

「1票の格差」(地域代表性格差)は「1票の価値の格差」ではない

(1) 「1票の格差」は「1票の価値の格差」ではない

升永弁護士らの「一票の格差」訴訟活動を紹介している記事です。

【「一票の格差」訴訟】首相官邸「聞いてなかったことにしよう」ホラー (月刊FACTA)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130304-00000000-facta-pol

「ただ、原告団は議員に課徴金を課すのが目的ではない。それを武器に、政府と各党に対し最後通牒をつきつけるという。その中身は?もう一度解散して『総選挙やり直し』、?小選挙区議員300人は旧区割りでなく、全国完全比例代表選挙で行うという期限付きの緊急立法を成立させる――という条件だ。選挙後に誕生する内閣は「選挙管理内閣」で、1−2年内に新しい選挙制度を決めて、そのうえで解散総選挙を行え、と求める。」

「人口比例選挙を行えと言っている。だから、格差0の比例選挙が一番」

現在の政治を考えると「選挙管理内閣」という選択肢が最善です。これには賛成。

升永氏らが主張している「1票格差」は選挙区ごとの議員1人当たり有権者数の違い(選挙区間1票格差)で、これは1票格差ではなく、地域代表性格差というべきものです。選挙区間1票格差が解消されても1票価値が増えたり減ったりするわけではなく、例えば2012衆院選の小選挙区における死票率56%にほとんど影響はありません。

具体体を挙げましょう。1人区Aが1人区Bと比べて有権者数が2倍とします。升永氏らの表現では、1人区Bの有権者は1人区Aの有権者と比べて「0.5票」しか持たないことになります(この表現は間違っています)。しかし、両選挙区とも10万票で当選者が出る場合もあるだろうし、1人区Aで得票数20万票、1人区Bで得票数10万票で候補が当選する場合もあるでしょう。そうすると、議員1人当たりの投票者数は、1人区Bの方が少なく、1人区Bの「1票の価値」が高いことになってしまいます。

1票の価値というものは、それが「生票」になって初めて価値を持ちます。生票を投じた投票者数で比べなければ、1票の価値は比較できません。地域代表性格差を1票格差という言葉で語ることには意味がないのです。

「格差0の比例選挙」という場合に想定されている格差が、本当の意味での1票格差。比例選挙であっても、例えば全国一区であれば、ある地域を基盤とする候補はまったく当選しない場合もあり、地域ごとの当選議員1人当たり有権者数ないし投票数は同じとは限らず、地域代表性格差は解消されません。

しかし、比例選挙では有権者の意思が反映され、<政党については>議員1人当たり投票数が実質的にほぼ同じとなり、1票価値の平等が実現するので、地域代表性格差があっても、平等な国民主権が実現しているといえます。

[参考]

1票の格差とは何か
http://kaze.fm/wordpress/?p=381

(2) 比例選挙の結果、<政党については>議員1人当たり投票数が実質的にほぼ同じになる理由

「議員1人当たりの当選に要する票数を同じにする選挙」を考えてみれば分かります。

私は賛成しませんが、電子投票制度と複数回の投票を認めれば、議員1人の当選に要する票数をまったく同じにし、完全な1人1票を実現することができます。

政党について見れば、第1回目の投票で過剰な生票をもらった候補に投票した有権者の一部が、2回目以降の投票で1回目の投票を修正し、おそらく同じ政党に属するものの第1回目の投票で当選できなかった候補に投票するでしょう。つまり、同じ政党を支持する有権者の間で、票の融通をして、各候補の票数が同じになるようにします。

こうして政党の候補については、最終的に得票数が並び、獲得議席は通常の比例選挙(非拘束名簿式の参院比例区)の結果とほぼ同じになるでしょう。

要するに、比例選挙というのは、政党について言えば、簡略なプロセスで「議員1人当たりの当選に要する票数を同じにする選挙」に近似させた選挙といえます。

太田光征
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2013年03月07日

政党と無所属にとって平等な選挙制度を

自由民主党選挙制度改革問題統括本部長・衆議院議員 細田博之様
民主党政治改革推進本部長・衆議院議員 岡田克也様
公明党政治改革本部長・衆議院議員 北側一雄様

政党と無所属にとって平等な選挙制度を

2013年3月7日


貴職らは細田議員の選挙制度案などをめぐって協議されました。細田氏の案は、「比例選150議席のうち30議席かそれ以上を第2党以下に優先配分する」というものです。

衆院選改革、自民案「憲法違反の疑い」…岡田氏(2013年3月6日付読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20130306-OYT1T00271.htm

衆議院の小選挙区比例代表並立制による比例選挙では、ブロック制を採用して各ブロックの定数が少なすぎるため、各党で得票率と議席占有率が一致せず、本来の比例選挙になっておらず、比較中小政党ほど死票が多く、比較大政党に有利となっています。

さらに、小選挙区比例代表並立制は無所属候補に対して小選挙区にしか立候補を認めていないため、無所属候補にとって不利な制度です。

岡田議員は「優先配分は有権者の意思を正確に反映しないとの立場から『憲法違反の疑いがある』」という見解を示されています(上記記事)。

小選挙区比例代表並立制は上記のように国民主権格差をもたらすので、現行制度そのものが憲法違反です。

平等な国民主権を保障するため、政党候補と無所属候補が同じ定数をめぐって戦い、有権者の死票を最小化する選挙制度を創設してください。そのような選挙制度として、私は中選挙区比例代表併用制を提案しています。

中選挙区比例代表併用制を提案する
http://kaze.fm/wordpress/?p=164

上記の小選挙区比例代表並立制の特性から、比例区であれ選挙区であれ、定数を削減することは、さらに国民主権格差を拡大することになるので、認められません。

3月1日、定数削減の問題などについて、私が所属する「平和への結集」をめざす市民の風として要望書を各党の一部議員にお渡ししました。その文書もファクスいたします。

定数を削減すべき理由はまったくないので、定数削減の方針を撤回されるよう、お願いいたします。

太田光征
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ネット選挙法:有権者は蚊帳の外、国民主権が泣く

みどりの風代表・参議院議員 谷岡郁子様
新党改革代表・参議院議員 舛添要一様
日本維新の会副幹事長・衆議院議員 松野頼久様
社会民主党幹事長・参議院議員 又市征治様
生活の党代表代行・参議院議員 森裕子様

2013年3月7日

ネット選挙法:有権者は蚊帳の外、国民主権が泣く

3月5日付時事通信によれば、貴党は与党のインターネット選挙「解禁」法案に賛成されるとのことです。

惨憺たる2012衆議院選挙の後でも恐ろしく国民主権が争点化されていません。インターネット選挙「解禁」法の論議では、有権者が相変わらず蚊帳の外で、政党と候補者の権利ばかりが主張されています。

「平和への結集」をめざす市民の風が3月1日にお渡しした要望書にある通り、与党のネット「解禁」法案は重大な問題点を抱えています。

「国民負担と引き替えの国会議員定数削減」「有権者の権利を縛るネット選挙法案」で各党議員に要望
http://kaze.fm/wordpress/?p=445

政党・候補者以外が選挙運動でメールを利用できず、現行の公職選挙法でも落選運動は禁止されていないのに、匿名でのネット選挙運動とネット落選運動が禁止されています。

民主党やみんなの党は与党案に同調しないと報道されています。貴党も賛成方針を見直して、国民主権を発展させる方向で与党案に修正を迫るよう、お願いいたします。国民主権は参院選に向けての一大争点です。

太田光征
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2013年03月06日

2012衆院選:投票時間繰上げに対する異議申し立ての準備書面

国民主権を謳った日本国憲法に照らして2012衆院選を問うことは、今夏の参院選に向けても決定的に重要だと思います。脱原発だけ主張して憲法を語らない、というのはあり得ないこと。

公職選挙法が本来、「公正な選挙」(憲法前文第一文)(自民改憲草案では削除)などの憲法精神を具現化するものであることを確認し、公職選挙法が憲法の法哲学部分と一体不可分であるとガツンと根源的に規定してみせることは大事です。

国会議員は全国民の代表なのだから、ある選挙区での選管実務が全国民に影響して不利益を与えることがあり得るので、原告適格性が選挙区に関係しないことは明らかです。

以下転載です。

太田光征



全国のみなさま

山梨の久松と申します。わたし達は、12月15日に実施された衆院選において全国15000箇所で実施され、
福島においては100%実施された「投票時間の繰上げに」に対して、仙台口頭裁判所に、
異議申し立てを行いました。そして今回、仙台高裁で3月7日に開かれる口頭弁論の内容を紹介させてもらいました。

わたし達の訴えにたいして、福島選挙管理委員会から、わたし達の提訴は、選挙区の住民によるものではないから、

「当事者適格」を欠いているとして、却下を求めるとの答弁書が送られてきました。

以下のものは、それに答える準備書面です。

裁判所に提出したものなので、また素人が書いたもので、少しややっこしいですが、
要約すれば、国政選挙においては選挙区の住民のみが、当事者性を持つものではなく、
また福島選管がの答弁書が、援用していた昭和9年の判例は、
わたし達のケースには当てはまらないことを論考したものです。

憲法の精神が、なし崩しになってゆく中で、もう一度、憲法の精神に立ち返ってくれ、と

裁判所に訴えたものです。わたし達の訴えが、裁判所に通じるかどうかはわかりませんが、

改憲を掲げる自民党が、政権をとった状況で、一人でも多くの人に、この憲法、なかんずく、

憲法前文に記されている憲法の精神の「気高さ」と[ありがたさ」を味わって貰いたい

という思いもあります。わたし達の準備書面を読み、もし賛同の念をお持ちの方々は、

どうか精神的にサポートしてくれれば、こんなにありがたいことはありません。

そういう願いもこめて、わたし達の準備書面を紹 介させてもらいました。

                                             久松拝


準備書面
1. 答弁書に対する回答の趣旨
2013年1月15日、前年12月16日から30日目の日に、衆院選異議もうしたて訴状を、被告を福島選挙管理事務所として仙台高裁に提出した。2月21日、答弁書が明かにされ、23日手元に届いた。それへの回答を準備書面として以下に記す。
はじめに、憲法と公職選挙法について述べる。とくに法哲学性と諸規定の関係について。(2)
次に、答弁書が依拠している判例は今次原告の訴えにはあたらないのではないか、という考察をする。(3)
その後、しかし、答弁書が依拠する判例の結語のみをうけとったとした場合に、原告は当事者適格性の拡大をもとめること、それがもっともである理由の説明に努める。(4)
最後に、原告は、訴状と同じく、選挙の 効力の審査を求めるものであるが、その具体的ファクターとして、投票所のくりあげの広告管理運営についての詳細報告を福島選挙管理委員会より求める。同様に、選挙管理委員会による期日前投票についての広告管理運営についての詳細な報告を求める。
2.憲法と公職選挙法
2−1  選挙の公正さの日本の法体系における意義
憲法は最高法規である。
その最高法規の前文は、この最高法規がなりたつ前提をのべている。
その冒頭には、「公正に選挙された国会における代表者を通じて行動し、…政府の行為によって再び戦争の惨禍がおこらないように決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」とある。
よって、選挙の公正さこそが、この国の礎である国民主権というエネルギーが実働するための確実さの要である。したがって、憲法が率いる法体系は、ひとつのセオリー(理論)であるが、それのプラクティス実践は、国民という主権が行動することである。このふたつ、セオリーとプラクティス、法理体系と国民主権実践を結ぶ結び目 が選挙であり、選挙の公正さのみがそれらふたつを正しく結ぶことを可能にする。この事情をふまえて、冒頭の一文がある。
(ここでセオリーとは、日本語では理論と解されるのみであるが、古典ギリシャ・ラテン語の世界では、愛知的(哲学的)観想を指すことばであり、現代の欧米語にもその含蓄は伝承されている。そして近代法治国家の法による支配という思想の背景には、法が依って立つ自然法があるのだが、そればかりではなくて、セオリー(人間を超える神域における観想)の伝承が脈々と息づいていて、それぞれの時代の要請に応えるべき観想に応じて法体系を手直ししていく作業がある。)
憲法前文冒頭文そして憲法第一条に顕示される、この主権在民の思想は、法律の世界で生みだされたものではない。西洋の歴史はルネサンス以来、古代ギリシャへの憧れが底流に流れており、その深みにPhilosophia すなわち、人智を超えた知恵への愛がある。この時代の政治の在り方が民主政治であり、主権在民の源の歴史がここにあることは常識であって、わざわざ語るまでもないとされているのであろう。しかし、現在のように、この憲法を変えようという政治家が多くいる時には、この憲法の根っこがどこにあるかを確認することは、かえるにせよ、かえないにせよ大切なことである。
そして、主権在民の背景には、ラテン語で表される諺、Vox populi , vox Dei (民の声は神の声)という良識がある。現代において、心理学者ユングは、神は人々無意識の集合概念のたまものとしたが、この見方は、「民の声は神の声」の正しさを再確認する。したがって、主権在民を具現化する、選挙の公正さこそが、憲法が支えるこの国に体制にとっても、この国の主権者たる国民にとっても第一の利益であることは、間違いないと言えよう。
こうして、主権在民と法律という話題は、法哲学の流れになるであろうが、その話しを通らないでは、憲法と公職選挙法の話はできないように原告は考える。
憲法前文冒頭文、公職選挙法の第一条は、主権在民をうたう憲法によって、国家として他国を傷つけることのない平和な国家と平和な国内社会を形成しようという息吹に溢れている。
法律には、法哲学の側面とそれを実施するための諸規定の側面と二種類ある。憲法は、法哲学そのものである。その精神の下に、憲法の法文を実施するための、たとえば公職選挙法があり、その諸規定、細則などがある。
ここで、現実が法律に合っているかかどうか、の判断は、むずかしい。今のように常識がほとんど通用しなくなってしまった世の中において、実に難しい問題を裁判官は課されている。
公職選挙法は、法哲学から実際の諸規定までの流れが具体的にみてとれる法律である。第一条は、「憲法の精神に則 って」とあり、法哲学を述べている。
(引用始)  
この法律は、日本国憲法 の精神に則り、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期することを目的とする。
(引用終)
つまり、日本国憲法の精神のひとつの具現化が、この公職選挙法であることが示されている。「法の精神」つまり憲法の精神が公職選挙法に示されている、という宣言が、ここ、同一条でなされているのである。
このように、公職選挙法に違反するかどうかを考える際には、実は、同一条や、憲法、前文、15条などの法哲学の部分と共に考察しなければ、この法律をめぐる議論は本末転倒の議論になりかねないと、原告は思料する。
3. 答弁書が依拠している判例は今次原告の訴えにはあたらないのではないか、という考察をする。
.3−1.関係法文
.公職選挙法(衆議院議員又は参議院議員の選挙の効力に関する訴訟)
第二百四条  衆議院議員又は参議院議員の選挙において、その選挙の効力に関し異議がある選挙人又は公職の候補者(衆議院小選挙区選出議員の選挙にあつては候補者又は候補者届出政党、衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては参議院名簿届出政党等又は参議院名簿登載者)は、衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院(選挙区選出)議員の選挙にあつては当該都道府県の選挙管理委員会を、衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては中央選挙管理会を被告とし、当該選挙の日から三十日以内に、高等裁判所に訴訟を提起することができる。
公職選挙法 第二百五条  選挙の効力に関し異議の申出、審査の申立て又は訴訟の提起があつた場合において、選挙の規定に違反することがあるときは選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合に限り、当該選挙管理委員会又は裁判所は、その選挙の全部又は一部の無効を決定し、裁決し又は判決しなければならない。

3−2−0 判例原文 関係個所 抜粋
事件番号最高裁判所大法廷判決/昭和38年(オ)第1081号より抜粋
判決日付:昭和39年2月26日
判示事項:1.公職選挙法第204条によって訴訟を提起できる選挙人はその属する選挙区の選挙人に限られるか。
参照条文:公職選挙法第204条、憲法32条(関係法文:日本の法律以外に世界人権宣言9、国際人権B91・2、この註は、引用者))
主文:本件上告を棄却する。
理由:(以下、分かち書きと付番は引用者による)
上告人の上告理由第一点について。
論旨は原判決には公職選挙法204条の解釈適用を誤った違法があると主張する。
しかし、同条の選挙訴訟を提起しうる選挙人とは当該選挙区に所属する選挙人に限る 趣旨であると解した原判決の判断は正当である。@
けだし、右規定がいわゆる選挙訴訟の制度を認めた所以は、A
選挙が選挙区ごとにおこなわれるものであることに鑑みB、
その選挙区の選挙に参加しうる権利を有する者にその結果の違法を主張する途を与え、C
もって選挙に関する法規の適用の客観的適正を期している法意であると解するのが相当であるからであり、D
かつ、右規定は憲法47条が両議院の議員の選挙に関し、選挙区その他選挙に関する事項を法律にゆだねて、E
各選挙区を一個の単位として議員を選出せしめることにし、F
その選挙の実施、管理などの手続きは法律をもって規定しうることに由来するものである。G
したがって、原判決には所論のような違法はない。H( 以下、省略。理由の文章の番号は引用者による)
3−2−1  判例文「けだし、右規定がいわゆる選挙訴訟の制度を認めた所以は、」Aについての考察.
判例文Aの冒頭、「右規定」とは、公職選挙法204条のことであると解釈される。この判決文は、204条が認めているのが「選挙訴訟の制度である」と述べている。
一方、204条の条文は以下のとおり。
「・・、その選挙の効力に関し異議がある
選挙人又は公職の選挙者(括弧内選挙者の詳細説明)は、
・・・の選挙管理委員会を被告とし、
当該選挙の日から30日以内に、
高等裁判所に訴訟を提起することができる」
これによると、公職選挙法204条が前提として認めているのは、まず、
選挙の効力について異議があり得る
という状況判断である。人間のすること には、いかに完全をめざそうと誠意精真をつくしても、ミス・間違い・怠りを防ぎきるとはいえない、という人間の性への洞察がある。
上記2,で見たように、公職選挙法は、選挙の管理方法の規定をバラバラに並べた規定集にあらずして、第一条の法哲学の具現化として構成されている法律である。204条と205条は、選挙の効力についての連番の条文であり、よって、別々ではなくて必ず共に理解されなくては、その真意が理解されない。
205条では、訴訟以外に、「選挙の効力に関し異議の申出、審査の申立て」が、「訴訟の提起」と並列して掲げられている。前二つ、異議の申し出、審査の申し立て、については具体的に方法が示されていないのである。しかし、それらが訴訟の提起という方法 と同じ扱いを受けることが205条に述べられているので、異議の申し出、審査の申し立ては、訴訟の提起という型式の内容であろう。訴訟の提起は、異議を申し立てのための手段であり、それにより高等裁判所による客観的立場からの、選挙効力についての審査を受けることができる。
これは、高等裁判所に対しては、異議申し立てがあれば、客観的審査をせよ、ということである。
そして、204条では異議申し立てをする権利を選挙人(有権者)と選挙者(候補者)に認める、という宣言をしていることになる。
そして、その異議申し立てにあたって、被告としては、衆院選・参院選の各の場合に、それぞれに相応しい「選挙管理委員会を被告とし」て、とある。つまり、選挙の効力について説明責任 ・実施責任を負うのは、選挙の管理運営を任されている管理委員会であるという当然の見解が示されている。
公職選挙法の一条に明らかなように、「憲法に則って」選挙を管理をするとあるので、「公正な選挙」(憲法前文第一文)によってはじめて発生する「選挙の効力」により、代表者が国政の「厳粛な信任」を受け取る、という構造である。したがって、その間をとりもつ選挙管理委員会は、効力についての釈明責任をもつのである。
この異議申し立ての権利を、選挙者(候補者)のみならず、選挙人(有権者)にも認めているのは、憲法12条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」に関係するものであろう。
「正当に選挙された」(憲法前文 冒頭文)「国会の代表者を通じて」「日本国民は」「行動し」、それによって「確保される自由のもたらす恵沢」は、「国民の不断の努力によって保持すべき」(憲法12条)であり、その不断の努力の具体的実践を保障するのが、公職選挙法の204条であろう。このように、交渉選挙法は、「憲法に則って」(同一条)構成されている。
以上が、判例文A「右規定がいわゆる選挙訴訟の制度を認めた」が含蓄する、交渉占拠法と憲法によって構築される人間社会構築関係の像であると原告は理解する。
さて、これに「所以は」をつけ加え、第三文A「右規定がいわゆる選挙訴訟の制度を認めた所以は、」でAの全文になる。デジタル大辞泉によれば、所以とは、漢文訓読の「故になり」の音変化からと推定しており 、その意味はわけ、いわれ、理由とある。したがって、判例文は、公職選挙法204条が「いわゆる選挙訴訟の制度を認めた」「理由」を次に述べている。
3−2−2判例文Bについての考察
引用:判例文B「選挙が選挙区ごとにおこなれるものであることに鑑み」(引用終)
ここで、B「選挙が選挙区ごとにおこなわれるものであることを鑑み」というが、この述語「鑑み」るの主体は誰であろうか?
これを考察するにあたって、第一に、204条にあたる。ここには、選挙が選挙区ごとに実施される事実について直接はふれていない。以下、詳らかに確認する。204条が選挙区について言及しているのは二か所である。その一か所目は、以下。すなわち、(引用はじめ)
公職の候補者(衆議院小選挙 区選出議員の選挙にあつては候補者又は候補者届出政党、衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては参議院名簿届出政党等又は参議院名簿登載者)(引用おわり)
つまり、ここでは、この異議申し立てをする主体者として、その選挙区における各選挙者個人のみならず、カテゴリーとしてはその上位に立つ(あるいはカテゴリーを別にする)、候補者届け出政党、比例代表制における参議院名簿登載者をあわせて列挙している。
つまり204条は、選挙を「選挙区ごとに行われるものであることを鑑み」るよりは、むしろ、それぞれの選挙者の属する政治的主張のまとまりであるところの政党が異議申し立ての主体になることを許可している。各選 挙区における単位的性格については言及がなく、むしろ、選挙区横断的に異議申し立てを整理している。
次に、204条が選挙区に言及するのは、被告を指定する箇所である。(引用はじめ)
衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院(選挙区選出)議員の選挙にあつては当該都道府県の選挙管理委員会を、衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては中央選挙管理会を被告とし、(引用終)
この箇所は、公職選挙法第5条と呼応している。(引用はじめ)
(選挙事務の管理)第五条  この法律において選挙に関する事務は、特別の定めがある場合を除くほか、衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙については中央選挙管理会が管理し、衆議院(小選挙区選出)議員、参議院(選挙区選出)議員、都道府県の議会の議員又は都道府県知事の選挙については都道府県の選挙管理委員会が管理し、市町村の議会の議員又は市町村長の選挙については市町村の選挙管理委員会が管理する。(引用終わり)
したがって、204条の二番目の箇所が着目しているのは、各選挙区ごという選挙における区分けではなくて、「選挙の事務」を「管理」する(公職選挙法第五条より引用)選挙管理委員会ごと、という区分けにむしろ着目しているのである。公職選挙法が選挙管理を 旨とする法律であることから、これは当然である。

公職選挙法においては、選挙管理委員、選挙管理委員会がまず組織される。選挙管理委員会であり、公職選挙法第5条におけるごとく、選挙管理委員会は、「選挙の事務」を「管理」担当するものである。選挙区などの物質ではなくて、この法が重要視するのは、まずは人、そして人の組織である。
そして、選挙事務を管理するものとして、選挙の効力について、自らの努力の成果として自信をもって応えるべきである、とするのが204条ではないか。ここには欧米社会の現場主義、現実主義、プラクティカルな思想がみられるようである。日本社会においては、選挙効力を問われるだけで、その選管の落ち度になってしまうようなウェットでシャイ な性格があるかもしれない。それは、現実からの遊離を生む、現実に対応する勇気に欠く、惰弱な姿勢であることを、日本社会はそろそろ認めるころである。それこそが、福一の爆発への道であることを、今、皆で反省するべきではないだろうか?
「過ちて、改めざる、これを過ちという」という孔子のことばがある。
事情通の大人であれば、自らの落ち度によらなくとも諸事情により、また、現実の変化に対応しきれずに、結果的に効力について問題が生じる場合もありえることが理解されているはずだ。その場合には、担当者として誇り高く責任をもって、気が付かなかったことを是正することこそ、「正当な選挙」を管理するプロの仕事人である。このような積極的なあり方が、204条、205条には 表れていると原告は慮るものである。
その選挙が実施された「当該」選挙管理委員会が、異議申し立ての被告として204条において指定されているのは、その選挙管理委員会をいじめるためでなくて、不名誉と罵るためではなくて、むしろ、高貴な訂正を勇気をもってなすに相応しいからであろう。その現場であるからこそ、細かい事情がわかり、次回からの向上に生かす最高の是正方法を見出すことができるからである。選挙管理における現場主義を、204条は採用している、と言ってもいいかもしれない。
さて、公職選挙法5条の三によって、中央選挙管理委員会は、各選挙管理委員会に対して、「技術的指導および助言」をし、「情報提供の要求を求めることができる」とあるので、各選挙管理委員 会はバラバラではなく、全体でひとつの組織であることが示されている。
以上、判例における第三文Bの「選挙が選挙区ごとにおこなれるものであることに鑑み」における「鑑み」る主体について考察してきたが、204条を詳しく調べた結果、204条の起草者が、「選挙が選挙区ごとに行われていることに鑑み」ていることは、少なくとも204条に表れていない、という結論が導かれた。これについては判例における上告文などの背景情報などによって明かになることもあろうと推測されるが、答弁書にもそこまでは言及されていなかったので、原告側の準備書面としても、これについては、ここまでにとどめる。
以上より、判例文B「選挙が選挙区ごとにおこなれるものであることに鑑み」の「鑑み」 の主体は、204条(起草者)ではないと解釈される。
3−2−3判例文Cについての考察
引用C「その選挙区の選挙に参加しうる権利を有する者にその結果の違法を主張する途を与え、」(引用終)
前半部、「選挙に参加しうる権利を有する者」とあるが、有権者のことであろうか。有権者は、選挙において、投票しようとも投票せずとも、選挙の結果に関係するのである。棄権というのは、ひとつの典型的な選挙行動である。投票率という形で、選挙結果の大切な部分を構成する。好むと好まざるとによらず、有権者はすべて、選挙に参加しているし、参加せざるを得ないのである。これが、2013年における常識であると原告は考えるが、昭和39年においては、事情が異なったのであろうか?ある いは、現在でも法曹界全体あるいは一部においては、「選挙に参加し『うる』権利を有する者」という表現および、表現に応じる実情が常識的に理解されるのであろうか?
さて、この箇所には、「その結果の違法」とあるが、これは204条にも205条にない表現である。205条にあるのは、「選挙の規定に違反」という言葉である。
選挙管理委員会は管理をする機関であり、管理上の規定の違反はありえるが、「結果の違法」が、選挙管理委員会を被告として提起される訴訟において、何を意味するのか、不明である。
これは、また、204条にある、「選挙の効力についての異議」ともニュアンスを異にする。したがって、「選挙結果の違法の主張」という公職選挙法204条、205条にみられな い文言を用いる故に、この判例の特融の事情がここにあると推定せざるをえない。
少なくとも、この事情は、今次の訴訟とはまったく様相を異にするものである。なぜなら、今原告は選挙の「結果の違法を主張」していない。今次原告は、選挙のプロセスの在り方について異議を申し立てたのである。選挙管理委員会は、国民から信託を受けて、公のお金を使って公の大切な仕事をしているのであるから、異議申し立てにいて、公に説明責任を果たすべきであるというのは、もっともなことである。
2013年衆院選において、福島県内100%の投票所で、閉鎖時刻のくりあげをしたことについて、説明責任を果たすのは当然のことである。204条は選挙管理委員会に対して異議申し立てをすることは当然と してその機会を、選挙人、選挙者に与えている。しかし、上記詳細に調べたように、それは選挙区ごととは一言も書いていない。選挙管理委員会の管理事務において、選挙区ごとに異なることがあろうという事態は、公職選挙法は例外を除いて想定していないのではないか。
3−2−4判例についての結語
以上の考察により、判例は、確かに同じ交渉選挙法204条を用いてはいるが、今次原告の訴えとは、重ならない異なる状況下で(「結果の違法」をめぐって⇔『管理プロセスへの異議』をめぐって)おこなわれた判決であり、異なる用語で(結果・違法・主張⇔異議・管理プロセス・申し立て)論じられたことであり、今次原告のケースには、適用されえないと結論する。
4.公職選挙法204条における当事者適格性を、答弁書が引用する判例より拡大を求める、そのリーナビリティ(論理的正当性)
4−1  答弁書の主張する、204条当事者適格性への限定について
さて、答弁書にあった昭和39年2月26日最高裁判決は、
{判示事項}1.公職選挙法第204条によって訴訟を提起できる選挙人はその属する選挙区の選挙人に限られるか)について、
「{判決要旨}1.公職選挙法第204条によって訴訟を提起できる選挙人は、その属する選挙区の選挙人に限られる」
と司法判断を下している。
この判例においては、選挙「結果の違法」性を「主張」することが204条によって訴訟提起することであるとしている。
一方、今次原告は、選挙結果ではなくて、選挙プロセス(管理運営方法)における問題性を指摘するために、204条に法によって保障されている異議申し立てをするものである。なぜなら、これまで述べてきたように、選挙の公正さを保つころが、国家の礎であるからである。国民主権が被告は選挙管理委員会であり、選挙の管理を担当する公務員であるが、公務員も国民であって主権者であることにおいては、同じ立場である。公務員は、憲法99条によって、国民は憲法12条によって、憲法をあるいは憲法に保障された自由と権利を、あるいは擁護し、あるいは守るよう宣言されて いる。つまり、共に、憲法を守ってこの国を支えていく立場にある。その前提において、この訴訟ははじめられていることに留意されたい。さて、被告の答弁書にあげられた判例における論証が、今次訴訟に適用されるに適当か否かについては確認作業が必要であるとし、次の項目で詳細な考察を試みるものである。
4―2  204条における当事者適格性拡大のリーズナビリティ
さしあたり、判例の結論のみを受け取ったと仮定して、立論する。
つまり、国政選挙において204条による申し立て訴訟を提起できる選挙人は、その属する選挙区の選挙民に限る、
という判例の結論を前提とし、これについて、今次原告は、204条原告の当事者的確性の拡張を求めるものである。
その論旨は以下で ある。
 国政選挙においては、それぞれの地方で選挙人としての国民が、議員を選ぶことによる国民の主権行使(論拠:憲法前文冒頭文)には、二つの異なる側面がある。
第一の側面は、それぞれの有権者が自らの属する選挙区で一票を投じることによって、それぞれの代表者を決定選任することである。この側面においては、判例に述べられているように、選挙区単位で選挙が管理されていることを原告は首肯するである。
第二の側面は、選ばれた代表者である国会議員が、厳粛なる信託(憲法前文)を受けて代表者として、国会において、それぞれの案件について審議・投票などによって決定することである。公職選挙法第一条に、
この際、それぞれの選挙区でそれぞれの選挙人の厳粛なる信託を受けてその地 方から立つ議員が、決定に関わる議案は、自らが立つ選挙区の特殊な事柄に限らない。その選挙区とはまったく異なる地方についての審議をすることもある。
たとえば、福島選挙区にいる人にとっても、東京にいる人にとっても、沖縄の普天間基地や辺野古の問題は地域性を異にするとも言えよう、また、少なくとも選挙区が異なることは確かである。しかし、普天間基地あるいは辺野古に装備されたオスプレイの飛行ルートは、東京も福島も通るのであって、飛行中に墜落する確率が他の戦闘機より高いオスプレイ装備と切り離せない辺野古基地の問題は、ここで大きな問題になる。おりしも、明日3月3日ひな祭りの日より、福島の上空をオスプレイが非行する予定であると報道された。
このように、国政においては、一地方だけにしか関わらない案件は、むしろわずかなであって、国会議員は自分の立つ選挙区地盤についての議案のみならず、全体に関わる案件について決定していく権利を、国民のひとりひとりから厳粛な信託によって、委譲されている。
したがって、どの地域の人々にとっても、その属する選挙区以外から立つ国会議員が、正当な選挙によって選ばれているか、それとも、正当でない選挙によって選ばれているかは、国政の質を大きく左右する。国政の質によって、国民と国土の運命が、生死を分けることもある、というのが、今の国民の実感である。それは、言うまでもなく、利益と不利益の分岐点となり得る、ということである。
したがって、国政選挙においては、 いかなる選挙区における選挙の効力についても、また、いかなる選挙区の選挙の不正・不手際・意図されないミスによって、選挙の公正さがうたがわしいときには、いかなる選挙区の選挙人であろうとも、不利益をこうむるのであって、204条、205条に沿って訴訟する権利を得ることを原告は主張する。
4−3 付言:福島について
さて、被告である福島選挙管理委員会の委員におかれては、2011年3月11日より、福島周辺の人々とともに、人類未曾有のカタストロフィの中心地となってしまった故の苦難は、いかばかりであるかと思うのである。
しかし、その苦難はいまや日本中に広がりつつある。2011年からの汚染水拡散、2012年から始まったガレキ拡散、今も間断なく続く放射線 物質の空中放出により数十年後には、日本中が福島の今の苦難の状態を共有することになるだろう。
その先人となった福島の人々のことを、原告ひとりひとりは日本の他の人々も世界の人々も共に、日夜深く傷むものである。また、共に、苦境からの回復を図らんと望むものである。
わたしたちが、励ましを受けるバナーとしたいのは、憲法13条、
「すべての国民は、個人として尊重され」、「生命、自由、幸福追求に対する国民の権利」は、・・「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
国政上、生命、自由、幸福追求に対する国民の権利が、最大の尊重をされるのが、この国の政治の目標なのである。目標にむかって、共に力をあわせようではないか。
そして、このような困難な状況からの回復は、皆の力をあわせて始めて達成されるものであり、そのためには、どのような一票をも大切に生かす、「公明且つ適正な選挙」(公職選挙法第一条)による、民主政治の健全な発達(公職選挙法第一条)こそが必須である。そして、これこそ、公職選挙法第一条にうたわれる、この法の目的であり、したがって必然的に選挙管理委員会のみなさまの日々の目標でもあろう。
3.11以来、侵されがちな権利を高らかにうたう、憲法97条もあげ、わたしたちの目標を高く掲げたこの憲法を味わい、こころあたたかくお隣を大切にする東北人が中心になってイニシアティブをとってこそ、3.11からの回復をはかれるであろうことを、心から望むものである。
憲法97条「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由擁護の努力の成果であって、これらの権利は過去幾多の試練に堪え、現在および将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」
最後に、この誇り高い仕事を自らの職務にしておられる公務員の方々が、憲法99条にあるように、「この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」公務員としての自覚をもち 仕事に邁進しておられる幸福に共に感謝するものである。そして、公正な選挙のために、まだ努力できることがあれば、すばらしい郷土福島と、福島人の誇りにかけてのいのちの回復のために、今一つの勇気をもって実行されんことを切に願うものである。
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2013年03月04日

森裕子様:本日のNHK日曜討論を拝見

生活の党代表代行・参議院議員 森裕子様

3月3日


1日に要望書をお渡しした太田光征です。

「国民負担と引き替えの国会議員定数削減」「有権者の権利を縛るネット選挙法案」で各党議員に要望
http://kaze.fm/wordpress/?p=445

本日のNHK日曜討論を拝見しましたが、議員は貴党が比例区定数の80削減を提案していると説明されました。

要望書でもお伝えした通り、国会議員の定数削減は比例区であれ選挙区であれ国民主権格差を拡大するもので、国民主権に最高の価値を置く日本国憲法の下で、国民主権の政治を発展させこそすれ、国民主権をないがしろにする方向を向くことは考えられません。

沖縄に辺野古新基地やオスプレイを押し付けるという差別を公約に掲げている政党があります。幸いにも民意の支持を得ていませんが。公約すべてが守られるべきだとなれば、国民主権に反した政治を容認することになってしまいます。

消費税増税に反対という立場は、それが民意の支持を得ているとともに、消費税増税が経済格差を拡大するという点で、大義を持っています。

「差別を押し付ける公約」は認められませんし、「差別を押し付ける民意」というものがあったとしても、それは民意として容認できるものではありません。(だからこそ、特に自治体差別を抑止するために憲法95条がありますが、自民党はこの95条を骨抜きにしようとしています。)

今からでも遅くはありません。比例区定数80削減を含め、国会議員定数の削減という方針を撤回してください。

自民党などが目指している96条改憲は、まさに国民主権原理を切り崩すものです。小選挙区制を廃止すること、定数削減はしないこと、公職選挙法を抜本的に改正すること、96条改憲はさせないことが、国民主権を尊重する政治勢力の明明白白な立場であり、こうした立場を明らかにしてこそ、反国民主権の政治勢力との対立軸が鮮明化するというものです。

太田光征



「国民負担と引き替えの国会議員定数削減」「有権者の権利を縛るネット選挙法案」で各党議員に要望
http://kaze.fm/wordpress/?p=445

要望書

2013年3月1日

(1) 消費税増税と議員定数削減をセットにするのはやめよ

民主党の公約違反である消費税増税(自民党・民主党・公明党による密室談合で決定)を実施するにあたって、自民党・民主党・公明党などは国民に負担をかけるからには自ら「身を切る<姿勢>」を示すべきだとして、消費税増税と、議員定数の削減、議員歳費(政党助成金含む)減額をセットにして国民に訴えています。

<議員定数削減は、言動と矛盾し、その理由が示されていない>

各党は政治を官僚主導から政治家主導に転換すべきと公言しています。それなのになぜ議員定数を削減するのでしょうか。

今の議員たちは仕事をしていない、仕事をしない議員が多いから議員の首切り合理化をしたい、というようにも聞こえます。

官僚主導から政治家主導にするなら、議員がもっと必要でしょう。もし仕事をしていない議員が多いなら、政党別に議員の実態を明らかにした上で、仕事のできる議員を有権者に選んでもらう努力を行うべきであって、議員数全体を減らすのは筋違いというものです。

なぜ政策遂行と引き替えに「身を切る<姿勢>」を示す必要があるのか、なぜ国民負担と「身を切る<姿勢>」が釣り合うのか、政府・各党が国民に求めている負担が数多い中で、なぜ消費税増税の負担だけを取り上げて「身を切る<姿勢>」を示す必要があるのか、なぜ定数削減が「身を切る<姿勢>」を示すことになるのか、各党は理由を明らかにしていません。

<議員定数を削減すべきでない理由>

1.官僚主導から政治家主導の政治を実現し、国民の多様な意思を国会にできるだけ的確に反映させるためには、しかるべき議員定数が必要であり、日本の議員定数は国際比較すると大幅に少ないことから、定数削減の必要はまったくありません。

2.適切な議員定数については、少数政党でもすべての国会委員会に掛け持ちせず委員を配属させることができるようにするのが公平性にかなっていることから(この条件を満たすにはドイツ下院並みの500人台が必要)、最低でも現在の定数が必要です。

3.定数削減は、比例区の定数削減であれば中小政党とその支持者に対する差別(現在の比例区定数でも比較大政党に有利)、選挙区の定数削減であれば無所属候補とその支持者に対する差別(無所属の当選枠は選挙区だけに限定され、政党より不利)を拡大します。
 東日本大震災や福島原発事故からの復旧・復興にどの政党・国会議員も尽力されていることと思いますが、平等な国民主権、平等な投票価値を尊重することから、人を真に思いやる政治を実現し、福島原発事故につながる政治を改めることができるのではないですか。

4.ムダをなくして予算を節約すべきとの議論は、議会制民主主義における議員の果たすべき役割を軽視するものです。
 ムダな政策、ムダな予算があります。定数削減によって国会にますます民意が反映しなくなれば、真の巨大なムダを根絶できません。

5.国民負担と引き替えに「政治家は自ら身を切るべき」との議論がありますが、これは世界的にも類例のない虚偽です。身を切られるのは、代表を選ぶ権利を縮減されてしまう一般国民の方です。
 負担増を求めて身を切るべきだと主張している比較大政党が身を切ることがなく、負担増に反対している中小政党と有権者が身を切られるというのは、あべこべです。この構図は幾つもの政策で見られます。
 政策遂行に必要な条件はただひとつ、その政策を支持する民意ではありませんか。政党・政治家には、政策に対する民意の支持を得るための仕事にこそ、身を切るほどの努力が求められているはずです。

6.以上のように消費税を上げるために、自分たちも「身を切りますから」と国民に理解を求める方法は、常識的認識の欠如であり、国会の権威の軽さと国民主権の軽視を世界に向けてアピールすることになり、その弊害は甚大です。

(2) 有権者の権利を縛る公職選挙法から決別を

インターネット選挙「解禁」法案が議論されています。ネット選挙が実現すること自体は好ましいものの、同法案は重大な問題を含んでいます。

インターネットのない時代に制定された公職選挙法でインターネットが想定されていないことは明らかであり、同法でネット選挙運動が禁止されていると断言することはできません。

従って、ネット選挙を「解禁」するのではなく、同法でネット選挙が禁止されていると解釈すべきでない旨の修正にとどめるべきでしょう。これは国民主権を尊重した考え方と言えます。

自民党と公明党のネット選挙「解禁」法案では、政党や候補者以外がメールを利用した選挙運動を禁じており、有権者の権利を制限するという、国民主権を軽視した従来の考え方から抜け切っていません。

また、現在の公職選挙法でも、個別訪問以外の手法なら、落選運動は禁止されていませんが、自民・公明のネット選挙「解禁」法案では、匿名でのネット選挙運動とネット落選運動を禁止しています。これは憲法で保障された表現の自由を侵害し、現公職選挙法から著しく後退するもので、有権者としては容認できません。

高すぎる供託金の規定を含め、有権者の権利を縛る一切の条項を公職選挙法から削除してください。有権者の権利を認めないで有権者のための政治ができるわけがありません。

以上、ご見解をいただければ幸いです。

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2012年10月24日

経済同友会の倒錯した1票格差・選挙制度論

なぜ経済同友会が1票格差の問題に熱心なのか、疑問だった。差別の極致たる原発を維持することに熱心な同会が1票格差に関心があるとは、あまりにも不釣り合いである。

同会は「投票価値の平等」実現の目的を「物事を決められる体制に変える」ことであると明言し、衆議院の選挙制度は「民意を集約」するもの、つまり小選挙区制がよいとしている。

「投票価値の平等」を実現し、民意を切り捨てる。



経済同友会提言
http://www.doyukai.or.jp/kakusa/torikumi.html

このサイトを見ると、何と「維新八策」と似通っていること。統治機構改革、道州制、国と地方の役割分担、TPP…。

「維新八策」こそリセットが必要
http://kaze.fm/wordpress/?p=375

経済同友会提言:2012年5月17日
「政党・政策本位の政治の成熟化と統治機構改革 〜「決断できる政治」の実現に向けて〜」(2011年度政治・行政改革委員会 委員長:永山 治)

「日本国憲法の下で現在行われている政治は、コンセンサスが得られないと物事を決められない体制だが、参議院の1人区で各地方の実情だけを踏まえた人が政治家になり、その1人区の勝敗で参議院の勝敗が決まるため、参議院が賛成しないと何事も通らない体制になっている。これを、物事を決められる体制に変えるのが「投票価値の平等」実現である。」

憲法のせいで「コンセンサスが得られないと物事を決められない体制」を問題視し、「投票価値の平等」を実現したい狙いを述べている。つまり、コンセンサスを必要とすることなく、「物事を決められる体制に変えるのが『投票価値の平等』実現」なのである。

同会にとって「投票価値の平等」は民主主義にとっての問答無用の前提ではなく、特定の政治目的を達成するための手段になっている。

「小党間の離合集散で政権が決まることは民主主義として望ましいとは言えず、政権選択を担う衆議院議員選挙については、『民意の反映』よりも『民意の集約』にウェイトを置いた制度設計が、参議院議員選挙については、真の良識の府を構成するにふさわしい人材を選抜する制度設計が必要である。」

こう述べて衆議院議員選挙で小選挙区制を支持している。コンセンサスは必要ないし、民意は切り捨ててよい。これまでの小選挙区制選挙の実績で示されているように、投票者数にして過半数に満たない民意であっても、つまり投票者数ベースの生票・死票間1票格差が甚大であっても、有権者数ベースの選挙区間1票格差がなければ、問題ない、物事を決められるからよい、というのだ。

経済同友会提言:2007年5月31日
「3つの軸から政治改革の加速を−政治参加、政・官関係、『戦後レジーム』脱却」(2006年度政治委員会 委員長:丹羽宇一郎)

「もはや、『国民から政府に対する命令』とも言われる憲法に、一票の価値を常に等しくすることが原則である旨を明記すべきである。憲法に明記されていれば、国会が対応を怠っても、裁判所が違憲判決を出しやすくなる。」

滑稽である。そんな意識がある国会議員なら、その前に1票格差は是正されている。

こうなってくると、何が何でも改憲したいがための改憲ルートを開発するために1票格差の是正を持ち出しているのか、と勘繰りたくなる。

維新の会と同様に二院制改革の改憲が提言されている。こちらがより本丸なのだろう。

経済同友会提言:2005年5月20日
「わが国『二院制』の改革−憲法改正による立法府の構造改革を」(2004年度政治の将来ビジョンを考える委員会 委員長:池田守男)

こうした主張にメディアが呼応する。

時論公論 「1票の格差・最高裁判決で問われる政治の責任」 | 時論公論 | 解説委員室ブログ:NHK
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/135038.html

選挙制度が主権者の平等な主権を保障する制度であるとすれば、選挙制度は衆議院であれ参議院であれ変わるはずがないが、NHK解説員は「選挙制度の抜本的な見直しは、参議院のあり方、そのものを変える大きな問題です」と、改憲にまでつながる論点を持ち出す。

そして国民がお願いしてもいない「決められない政治」フレーズを潜り込ませて、政治が選挙制度改革に真正面から取り組んでこなかったことに対する国民の怒りを代弁する。このフレーズも選挙制度改革以外の論点へ誘導するものだ。

当然、産経は「違憲状態」判決の社説で改憲誘導を忘れていない。それを有権者の政治不信と絡めているのもNHKと同様である。

「違憲状態」判決 衆参とも急ぎ格差是正を
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121018/trl12101803130001-n2.htm

「重要なのは、選挙制度の抜本改革で二院制のあり方など憲法上の問題を含めて議論することだ。両院の制度を別個に論じ小手先の定数是正にとどまるなら、有権者の政治不信も決定的になる。」

太田光征

1票の格差とは何か
http://kaze.fm/wordpress/?p=381
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