2012年08月12日

原子力防災で協議すべき自治体の範囲に関するパブリックコメントが12日午後12時まで

政府は、原子力事業者が原子力事業者防災業務計画を策定・改定する際に協議すべき自治体の範囲を広げるための政令改定案について、12日午後12時までパブリックコメントを募集しています。

パブリックコメント:意見募集中案件詳細
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060120713&Mode=0

私もグリーンピースのパブコメを参考に提出しました。

被害“地元”、避難“地元”はもっと広いはず、パブコメ書こう! ~グリーンピースも書きました~
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/41663/

専用のウェブ提出フォームを使用すると、機種依存文字が使用されているとのエラー表示が出たので、メールで提出。本文に貼り付けるとともに、テキスト形式の添付ファイル付きで。メールアドレスはanzen.junbi@cas.go.jp、件名は「原力災害対策特別措置法施行令一部改正 (案) に関する意見」、宛先は「内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室パブリックコメント担当」。



意見(1)

(該当箇所)

「実用発電用原子炉(※1)を設置する原子力事業所から30kmの区域の全部又は一部をその区域に含むこと」

(意見内容)

30qでは不十分。福島原発事故の教訓を踏まえ、最低でも福島第1原発から最遠の「放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染廃棄物対策地域、除染特別地域及び汚染状況重点調査地域」までとすべき。

(理由)

(1)福島原発事故に伴う除染地域の範囲

原子力災害対策特別措置法第7条第1項では、「原子力事業者は…原子力災害の復旧を図るために必要な業務に関し、原子力事業者防災業務計画を作成」とあり、「原子力災害の復旧」の1つである除染作業についても「原子力事業者防災業務計画」を策定しなければならない。従って、福島原発事故の教訓を踏まえ、最低でも福島第1原発から最遠の除染地域までの自治体を協議対象とすべき。

(2)防災指針検討ワーキンググループの見解

原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方(平成23 年11 月1 日)
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/sisetubo/sisetubo023/siryo1.pdf

「東京電力福島第一原子力発電所の事故においては、プルームの放射性ヨウ素の吸入による甲状腺等価線量は、IAEA の安定ヨウ素剤予防服用の新たな判断基準を用いると、その範囲が原子力施設から概ね50 qに及んだ可能性がある(解説4)」

(3)福島原発事故による被ばく線量の評価に関するWHO中間報告

WHO(世界保健機関)が福島原発事故後の日本内外における被ばく線量の評価に関して中間報告を発表した。ただし、IAEA(国際原子力機関)の研究者も執筆者に加わっており、WHO、IAEAともに放射線被害の隠ぺいに加担してきた組織であることに注意を要する。

福島原発事故による被ばく線量の評価に関するWHO中間報告http://goo.gl/vEFeB

ビデオ「真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って」
http://www.youtube.com/watch?v=oryOrsOy6LI&feature=youtu.be&t=3m40s
WHOとIAEAが共同で開催した2001年キエフ国際会議の模様を捉えたドキュメンタリー
チェルノブイリ事故被害の隠ぺいカスケード
http://goo.gl/CSzFc

同報告書46〜47ページの表4によれば、いわき市では最初の1年で乳児(1歳)の甲状腺等価線量が10-100 mSvであると推定され(全員というわけではない)、その90%が呼吸によるという。ほぼ事故直後の被ばくと考えてよいだろう。

IAEAは甲状腺がんを防ぐヨウ素剤服用基準としての甲状腺等価線量を50 mSvとしており、福島第1原発から50q以上離れたいわき市でも、この基準に該当する乳児がいる可能性がある。

(4)福井県による放射性物質の拡散予測

滋賀県が福井県の大飯原発で重大事故が起きた場合を想定して放射性物質の拡散を予測した。グリーンピースがその結果を入手したところ、大飯原発から50q以上離れた京都府の広い範囲で、IAEAのヨウ素剤服用基準を超えていた。

大飯原発事故時、京都府の広範囲が汚染の可能性
http://goo.gl/E1fD4

意見(2)

(該当箇所)

「都道府県が以下の二つの要件の両方に該当すること。」
「原子力災害に関する地域防災計画を定めていること(※2)」

(意見内容)

「二つの要件」を「1つ以上の要件」 とすべき。

(理由)

原子力災害対策特別措置法第7条第2項では、防災について協議すべき「関係周辺都道府県」の定義に「原子力災害に関する地域防災計画を定めていること」という条件はなく、計画がなければ災害を想定できないわけでも、防災について協議できないわけでもないので。

意見(3)

(該当箇所)

「実用発電用原子炉(※1)を設置する原子力事業所から30kmの区域の全部又は一部をその区域に含むこと」
「※1 実用発電用原子炉に限定している趣旨は、今般のEPZ見直しは実用発電用原子炉に限定されており、再処理施設や研究開発段階の原子炉等は含まれていないことによる。」

(意見内容)

「実用発電用原子炉を設置する原子力事業所」を「原子力事業者」とすべき。

(理由)

「今般のEPZ見直し」の趣旨よりも原子力災害対策特別措置法の趣旨が優先されるべきであり、同法第7条第2項にあるように「実用発電用原子炉を設置する原子力事業所」ではなく同法第2条3項で規定した「原子力事業者」とすべき。

太田光征


posted by 風の人 at 03:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原発事故パブコメ

2012年08月11日

被害“地元”、避難“地元”はもっと広いはず、パブコメ書こう! ~グリーンピースも書きました~

被害“地元”、避難“地元”はもっと広いはず、パブコメ書こう! ~グリーンピースも書きました~
投稿日 - 2012-08-06 17:00

こんにちは、エネルギー担当の関根です。

いま、政府は、電力会社が原子力事業者防災業務計画をつくったり修正したりするときに、意見を聞くべき対象の自治体の範囲をどう変えるか(広げるか)、についてパブリックコメントを募集しています。締切は8月12日です。

もともとの、電力会社が協議するべき相手の範囲は、
a.原発の立地県、
b.原発の立地市町村、
c.立地市町村に接する自治体を含む府県
が対象でした。

これは緊急時計画区域が10qだったのを自治体に当てはめた範囲だったようですが、福島原発事故をうけて、これを30qに広げる(名前は緊急防護計画範囲)ことになったので、それに合わせて対象とする自治体も変える(多少広げる)という案について、今回パブリックコメントが募集されています。

エネルギー選択肢のパブコメの陰に隠れていますが、こちらも、次のような理由で重要だとグリーンピースは考えています。

1) この法律はSPEEDIの大元の根拠になる法律なので、シミュレーションの提供範囲にも間接的に影響がある

2) この法律と、安全協定や「地元」の範囲とは、直接関係ないと電力会社はいうけれど、この施行令で自治体との協議の範囲が広がれば、安全協定や地元同意の範囲も広げるべきという説得力が増す

グリーンピースでもパブコメをだしました。要点は:
30qでなく50kmを最低とし、さらにSPEEDIやWSPEEDIの試算によって放射性物質の拡散する範囲を協議対象とすること
上記の範囲に入っていれば、原子力防災計画をつくっていなくても協議対象とすること

です。全文はこのページの下の方を見てください。

原発、エネルギーについては、政府に言いたいことがあって大変、というこの頃ですが、みなさまも是非パブコメをだしてください。

募集の詳細は以下です。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060120713&Mode=0

原子力災害対策特別措置法施行令の一部改正案についてのグリーンピース・ジャパンの意見

意見1.

(該当箇所)

@ 実用発電用原子炉(※1)を設置する原子力事業所から30kmの区域の全部又は一部をその区域に含むこと」について

(意見内容)

(1) 区域の範囲は、30qでは不十分であり、@は「実用発電用原子炉(※1)を設置する原子力事業所から最低50kmとの区域の全部又は一部をその区域に含むこと」すべきである。

(2) @を区域の範囲を最低50kmとした上でさらに、「過酷事故が発生した場合を想定したSPEEDI/WSPEEDIによる試算を、し、その影響範囲の全部または一部をその地域に含むこと」とする項目を追加すべきである。

(理由)

(1)この改正の根拠とされている「原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方」(「原子力施設等の防災対策について」の見直しに関する考え方について中間とりまとめ)では、「UPZ の外においても、事故発生時の初期段階では放出された放射性核種のうちプルーム通過時の放射性ヨウ素の吸入等による甲状腺被ばくの影響が想定される。」「東京電力福島第一原子力発電所の事故においては、プルームの放射性ヨウ素の吸入による甲状腺等価線量は、IAEA の安定ヨウ素剤予防服用の新たな判断基準を用いると、その範囲が原子力施設から概ね50qに及んだ可能性がある」と記されている。また、東京電力福島第一発電所事故により計画的避難区域となった飯舘村も50km圏である。よって、30qでは不十分であり、最低50kmの区域の全部又は一部をその区域に含むこと」とすべきである。

(2) 東京電力福島第一発電所事故では、被害は同心円に広がるわけではないことが確認された。よって、50km圏内を最低としたうえで、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)またはWSPEEDIでシミュレーションを実施し、より地勢や気象に即した放射性物質の拡散範囲を把握し、その拡散範囲に一部または全部を含む都道府県も協議の対象に含めるべきである。

意見2.

(該当箇所)

都道府県が以下の二つの要件の両方に該当すること。

(意見内容)

「都道府県が以下の要件のいずれかに該当すること。」 とすべきである。

(理由)

(1) 現在、国の防災対策指針も見直しの途中である

(2) 50q圏内およびSPEEDI/WSPEEDIの試算による放射性物質の拡散範囲に含まれる範囲を含む都道府県であれば、原子力防災計画がすでに策定されていなくても防災の当事者であることには変わりがない

以上の理由から、いずれかの要件を満たした都道府県を協議の対象に含めるべきである。

-----------------

以上、転載

太田光征
posted by 風の人 at 17:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原発事故パブコメ

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