2008年03月20日

WAVEMENTのかくぶんれつかてい

3月16日逗子.
WAVEMENT発祥のこの地で,独映画『核分裂過程』上映会と対談.サーファーの皆さん,素晴らしい企画有難う.

1985年8月再処理工場立地が決まり工事が始まったドイツ連邦共和国バイエルン州ヴァッカースドルフ村.反対が継続して盛り上がり88年85万人署名,同年裁判所の計画無効宣言,翌年電力会社の建設中止,92年には再処理からの撤退を勝ち取った村.

この映画は作成から2年後89年4月に再処理工場建設停止のきっかけとなった.

建設予定地に丸太小屋を建て,再処理まっぴらの歌を歌い集う4万人.

警察と州政府の"合法的"デモつぶし.ベトナム戦争で使用された催涙ガスを使用.軍事協力もあり装行車が走る.市民を潰そうとヘリが飛びガス弾を発射.

原発政策を独裁民主制,スーパーヒトラーと呼ぶ学者.原発への厳重な管理が必ずや全体主義に繋がると語る学者.電力をうむ原発は麻薬.再処理工場の賛否が家族内の分断をうんだ.

ナチ時代の教訓から憲法に盛り込まれた抵抗権.毎週欠かさず建設地脇で抗議のミサと散歩.生命を環境をまもる為に沢山の父親,母親,神父が参加.プルトニウム経済に抵抗する,と地元民の演説.

省エネと経済成長を語る大臣,デモの人々を150名の過激派と名付けるメディア.

近隣への放射能被害を懸念し100m煙突の計画は不可.200mは建設可.工場は辺り一面に放射能の塵や砂をまき散らす.肺に吸い込み生涯にわたる内部被爆の恐れ.

伐採ロボットの映像.殺人ならぬ殺木マシン.伐採される木々の悲しみを歌ったコンスタンチン・ベッカーの"樹"という歌.

荒涼とした大地に重機が鉄柵を打ち込む.警官が人々から工場をまもる構図.良く撮映できたと感じさせる警官による弾圧シーン.

警察を楯にした体制にも抵抗していると語る人.石で鉄柵をリズミカルに打つ人.そのリズムに合わせてジャーマンテクノ.3mの竹馬の様な棒に乗り変装したクラウン達.

"コスト高い"として電力会社が州政府に相談せず建設中止.再処理はフランスに委託.建設が中止され外される鉄柵.切断される鉄筋コンクリートの壁.

●以下対談報告●
この映画を配給している小林大木企画,鎌倉の海をまもる会の蓮沼氏,芸術家やプロサーファーが登壇.司会はWAVEMENTのゲン.

"上映から2年でどう止めたのか?"を語る.
それぞれが思いを寄せ合って専門性をいかした.国内外から支援があった.地元の参加者が多かった.運動からみどりの党議員がうまれた.社会民主党とみどりの党の連立政権が脱原発政策を打ち出した.

何千人という逮捕者の裁判闘争,行政訴訟,23日間もの討論会,85万筆の署名等あらゆる手を尽した.日本では六ヶ所村について100万人の署名を提出した.

日独の違いとしては,州の権限強いこと,チェルノブイリ事故による放射能の雨を住民が直接体験したことが挙げられた.

湘南の取り組み.150m海の方へ広げる鎌倉高校前の踏み切り工事,4つの浜を埋め立てテトラポットを設置する葉山の遊歩道計画.

"安全""経済成長"という名の下での開発.詳しく知らされずに住民の合意が無いことが多い.

原発は中央主権.一ヶ所に利権を集中させたい権力はなかなか手放さない.コンクリートを使った工事をしたい土木業者.原発は超土木,超ハコモノ.構図はどこも同じ.

デンマークの風車の電力を売る法律を習って,日本でも電力を売買できる様になった.

毎日2kwの太陽光発電をしている登壇者.技術革新により2年後に太陽光パネルは3分の1の値段で買える様になる.粛々と進める.

意見は伝えるが相手を否定はしない.推進派を否定しないことが大切.1歩踏み出し参加して運動を活性化しないと変わらない.先ずは地元でアクションすることで広がる.言いたいことは必ず言う.

様々な議論と活動が大切だと感じた.

豊田義信

関係無いが,これを書き途中,満員電車で"うるせえ!"と他人の髪を引っ張る男性.私は彼にまぁまぁと手を当てた.彼が降りる時"すみません"と手を当ててくれた.蛇足失礼.
posted by 風の人 at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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