2008年02月24日

声高に反戦を叫ばない「母べぇ」

この映画は、「日本人が忘れてしまった美しい心」
「昭和を生きた母」を前面に出して宣伝されました。
戦争に反対したということには触れられませんでした。

一番気になったのは、この映画への賛辞に、
「声高に反戦を叫ぶのではなく」という言葉が多かったこと。
今の日本では、声高に反戦を叫んではいけないらしい。
嘆かわしい限りです。

戦前の精神史にこだわり続けた橋川文三は、こう書いています。
「日本で抵抗が成り立たないのは、どんな政治的状況も
『あるがままの自然』として受け止められるからである」と。
そもそも、抵抗して変えられるものと捉えられていないと。

言いたいことはよく理解できます。
抵抗が成り立たない精神構造というか、感覚なんですね。
いわゆる大衆的な人ほどそうですから、どんなにインテリが
それを批判しても現実は変わらないわけです。

この現状を変えるのは、まさに岩に爪を立てるような困難な闘い。
でも、それをしなければなりません。
学生時代からこの問題に取り組んできた私の結論は、
「日本社会は内側からしか変えられない」ということ。
外から批判すればするほど自閉しますから。

ものを考える少数の人間が嘆き合っていても、孤立するだけ。
どうしたら実効性のある反戦運動ができるか。
どうしたら、何も考えたくない人々にメッセージを届けられるか。
目下、私のテーマはこれです。

                   川西玲子
posted by 風の人 at 14:39 | Comment(0) | TrackBack(1) | 一般
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