2008年01月05日

「ALLWAS 続・三丁目の夕日」過去のない昭和30年代

2005年、日本映画復活の牽引力の一つとなった「ALLWAYS 三丁
目の夕日」の続編が公開されている。鈴木オートと、その周囲にいる地
域の人々を中心に繰り広げられる物語だ。

 集団就職で上京してきた従業員が一人いるだけの、小さな自動車修理
工場、鈴木オート。その友人が営む吉田サイクル。東大出だが貧乏暮ら
しで、小説を書きながら細々と駄菓子屋を営んでいる、ロシア文学に傾
倒する気の弱い若者といった面々だ。敗戦から13年、テレビが買
えたことに感激し、ささやかな幸せを味わう人々の物語である。原作の
持つこの目線が、大ヒットの理由だろう。
 
 鈴木オートの社長は誰が死んだのか知るのが怖くて、一度も戦友会に
行ったことがない。二言目には「戦争中はな」と説教して息子から嫌が
られる。夫と共に鈴木オートを支える妻も、戦争に行ったっきり行方が
わからない男性のことが心に引っかかっている。社会にはまだ戦争の影
が色濃く残っていた。
 
 だがこの映画にあふれる幸せ感が、それを吹き飛ばしている。その結
果、ここに描かれる昭和30年代は過去のないものになった。その
ために、この時代と現在とのつながりもまた、消えてしまったのであ
る。経済成長を地域から支えた彼らは今、グローバル経済の大波に押さ
れて四苦八苦しているはずだ。戦前と昭和30年代と現在とを一本
の線で結んだ時、そこに見えるのは苦い現実である。
 
 それにしても、英語と日本語をつなげた「ALLWAS 続・三丁目
の夕日」といいうタイトルはセンスが悪い。川西玲子
posted by 風の人 at 13:11 | Comment(0) | TrackBack(2) | 一般
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