2007年08月09日

宮本顕治氏の死去を悼むとともに改めて共産党に望む〜東京都知事選の総括に変えて

 共産党の志位委員長は、一昨日7日にあった同党議員団総会のあいさつで、民主党は野党共闘のパートナーという認識を示し、今後民主党に対して「一致点での共同とともに、わが党から積極的に問題提起や必要な申し入れをおこなっていく」と述べたといいます。また、市民運動との関わりについて、「どんな問題でも、草の根の運動との共同をいっそう強めること」の重要性を強調したといいます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-08-08/2007080801_01_0.html
(「しんぶん赤旗」 2007年8月8日)

 参院選前にあった共産党の第四回中央委員会総会(4中総)での志位報告及び結語では、民主党の評価について、「今日の民主党は、自民党政治の『三つの異常』を共有する政党であり、政治の基本でどちらかが『よりまし』とはいえないのであります」という同党3中総決定を引用した上で、「三中総のこの指摘は、半年間の民主党の現実の行動で証明されています」としていました。また、「たしかな野党」(共産党)以外はすべて「自公民『オール与党』」であり、排撃されるべき存在として位置づけていました。
■第四回中央委員会総会 志位委員長の幹部会報告(「赤旗」 2007年5月19日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-05-19/2007051917_01_0.html
■第四回中央委員会総会 志位委員長の結語(「赤旗」 2007年5月20日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-05-20/2007052025_01_0.html

 こうした共産党のこれまでの頑なな態度、わが国の「変革の」道筋を読み間違えていると思える態度にどれほど多くの人が失望してきたか(一例をあげれば、これまでの共産党の方針について朝日新聞は「共産 先祖返り戦略」(2007年5月19日付)などと評していました)。たとえば私は、先の東京都知事選であくまで党の独自候補にこだわり、結果として、反動石原都政の継続を許してしまった共産党の「論理」にいまだに深い怒りを抑えることはできません。

 日頃、私は、共産党に一票を投じることが多かったのですが、今回の選挙ではどうしても共産党に投票する気になれませんでした。自民党批判の意味を込めて、共産党にいろいろ批判があるにせよ、ある意味“消去法”で共産党に投じた私の一票が共産党へ反省を促す材料にはならず、またしても「得票数では、前回および前々回の得票を上回る四百四十万票という地歩を維持することができました」(共産党常任幹部会声明、「赤旗」2007年7月30日付)などという同党流の手前味噌的論理の一票に回収されるかと推(おも)うと絶望を超えて、おぞましさのようなものさえ感じるのです。

 私は、共産党の今回の「方針転換」(といってよいと思うのですが)を歓迎します。そして、今回の共産党の変化(方針転換)がどうかほんものであって欲しい、と切に願うものです。下記記事で評論家の立花隆氏や名古屋大教授の後房雄氏が指摘しているように共産党が「生き残り」を図るためには「野党共闘に入る方針転換をした方が良い」。「共産党が小選挙区に候補者を立てることで自民党を勝たせている、と有権者が見れば、共産党は邪魔だとなる。今は単なる死票ではなく、自民党を助けることになっている」(後房雄氏)。

 私は上記の後房雄氏の分析に同意します。そして、より根本的には「民主集中制 真っ先に捨てよ」という立花隆氏の論に私はまったく共鳴します。私たちが地方である市民運動を提起して共産党の地方組織にも「共闘」あるいは「会議の参加」を呼びかけたとき、まずはじめに直面するのが「党中央の決定通りのことをおうむ返しに語るだけの」(立花隆氏)地方議員、地方党幹部の硬直した姿勢です。民主主義とはひとりひとりの個人の発想を大切にする思想の謂いでしょう。「党中央の決定通りのことをおうむ返しに語るだけ」では話し合いは成立しないのです。「民主集中制」の弊はまだまだたくさんありますが、語り尽くされている感があり、これ以上のことは私は述べません。ただ、共産党の再生(立花隆氏の言葉でいえば「生き残り」)のためには、「民主集中制 真っ先に捨てよ」という立花隆氏の論に深く共鳴することを再度申し述べておきたいと思います。

 どうか私を反共主義者などと呼ばないでいただきたい。「日頃、共産党に一票を投じることが多」い反共主義者などいるでしょうか?

引用1:
■宮本顕治氏の共産党葬に1200人参列(要旨)
(朝日新聞 2007年08月06日)
http://www.asahi.com/politics/update/0806/TKY200708060318.html
 7月に98歳で亡くなった日本共産党元議長の宮本顕治氏の党葬が6日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。河野洋平衆院議長をはじめ政界関係者ら約1200人が参列し、不破哲三・前議長や志位委員長が宮本氏の業績をたたえて党の発展を誓った。ただ、参院選では比例3議席の厳しい結果に終わった。識者からは宮本路線の抜本的な転換が必要だとの指摘も出ている。

引用2:
■民主集中制 真っ先に捨てよ(要旨。作家 立花隆氏)
(朝日新聞 2007年08月06日)
 日本共産党が絶対の組織原則として守る「民主集中制」は、名称とは裏腹に民主的な制度ではない。党内の言論の自由を封殺し、指導部の絶対権力を保障する制度だ。
 70〜80年代に欧州の共産党は自由な討論をもとに先進国革命の新しい方向(ユーロコミュニズム)を構築したが、宮本氏は正反対に民主集中制の規律強化を進めた。党中央に逆らう者は次々に除名や軌道修正(思想変更)をさせられ、共産党は誰も党中央に逆らわず、党中央の決定通りのことをおうむ返しに語るだけの組織になってしまった。
 先進国市民社会に受け入れられる形で党組織を残すために真っ先にやるべきことは、民主集中制を捨てることだ。ヨーロッパの(元)共産党はとっくにそれを捨てている。それでも旧共産党の悪いイメージが強いヨーロッパでは生き残りに苦戦している。日本共産党も早く宮本時代の残滓(ざんし)を捨て去るべきだ。

《引用3》
■妥協して野党共闘へ転換を(要旨。名古屋大教授 後房雄氏)
(朝日新聞 2007年08月06日)
 今の政策を変えるため野党で自民党を批判していても仕方ない、と国民も分かってきている。野党共闘に入る方針転換をした方が良いのではないか。ここ10年で党の苦境がはっきりしているのに独自色を言い張る。衆院小選挙区は民主党だけでは勝てない状況もある。共産党が小選挙区に候補者を立てることで自民党を勝たせている、と有権者が見れば、共産党は邪魔だとなる。今は単なる死票ではなく、自民党を助けることになっている。
 今度の衆院選が最後のチャンスではないか。自民、公明に対し民主、社民、共産と組んで勝てるなら共産党も意味がある。当選の可能性がない小選挙区に候補者を立てないだけでも良い。比例区は共産、と思う有権者はいるはずだ。妥協して野党連合に入るかどうかだ。


東本高志


posted by 風の人 at 18:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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