暴動は、2024年11月7日(木)にオランダのアムステルダムで行われたサッカーの試合、アヤックス(オランダ)対マッカビ・テルアビブ(イスラエル)戦に前後して起こりました。
日本を含む西側メディアは、反アラブ主義暴動が引き金のオランダサッカー暴動を反ユダヤ主義暴動に捏造することで、イスラエル支援ファシズムを煽り、ヘルト・ウィルダース氏(ヨルダン川西岸のキブツで成人)が率いる自由党などによる反移民・反イスラム政策を後押ししています。
オランダサッカー暴動を通じて同国について分かもう一つの側面は、左派の不在状況ないし機能不全です。これはイスラエルとの関係でいえば、「左派」政党がイスラエルの「反ユダヤ主義」レッテル戦術などに基づく情報戦争の個々の局面でひるみ、日和ってきた結果でしょう。この日和見はイスラエル製兵器の導入を伴う同国の軍事力強化と結び付いています。日本と同じ状況にあるわけです。
イスラエルによる情報戦争は世界市民を標的に仕掛けられているものです。だから反撃として、オランダサッカー暴動のフェイクニュースを市民が正す必要性があります。
なお、11月14日のフランスサッカー暴動についても、真相を歪めるニュースを辺野古新基地にからむ日当デマで有名な講談社のサッカー専門メディア「ゲキサカ」ほかが流しました。
【目次】
[1]オランダサッカー暴動の経緯と影響:マッカビ支持者が暴力を開始〜議会下院でイスラエルのプロパガンダ動議が可決
[2]オランダのイスラエル支援ファシズムの異様:極右議員がイスラエル支援の軍事パレードを提案し、議会でのスイカ(パレスチナの象徴)配りが反ユダヤ的でハマス美化と批判される
[3]オランダサッカー暴動で増長するファシズム:パレスチナ解放政党「デ・フォンク」議長らの見解
[4]イスラム教徒への抑圧
[1]オランダサッカー暴動の経緯と影響:マッカビ支持者が暴力を開始〜議会下院でイスラエルのプロパガンダ動議が可決
マッカビ支持者の暴力は週初めから始まった:
ムスリム・ライツ・ウオッチ、マッカビファンを告訴:「人々は唾を吐きかけられ、倒される」
Muslim Rights Watch files a complaint against Maccabifans: ‘People are spit on and down’ | Het Parool
https://www.parool.nl/amsterdam/muslim-rights-watch-doet-aangifte-tegen-maccabifans-mensen-zijn-bespuugd-en-nagetrapt~bd3d9077
11 november 2024, 16:58
オランダの権利擁護団体ムスリム・ライツ・ウオッチ(MRWN)は、マッカビ・テルアビブのサポーターを告訴する。これは、アムステルダムで起きた約20件の事件に関するもので、これらの事件ではマッカビファンが刑事犯罪を犯したと言われている。
「国内外のメディアや政治からの反応を導いている警察のシナリオには同意できない。マッカビ・サポーターは数日前から暴力犯罪を犯している。先週初め、私たちはこの件に関する最初の報告を受けた。この暴力に後で反応したという事実は、当局が語る反ユダヤ主義のストーリーとは異なる文脈を描き出している。それを正す必要がある。」
オランダサッカー暴動とフランスサッカー暴動におけるイスラエル側支持者による主要な暴力のリストとフェイクニュースの例:
【抗議声明】オランダサッカー暴動を反ユダヤ主義暴動に脚色報道するメディア各社へ
https://www.facebook.com/bdstokyo.act/posts/pfbid0AjCuFanZ9bCQpdJtgMhyjAeKocpqrEnxDUaWG3cEYo1XFc32y8V14vWjpDy3xcbKl
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/505697853.html
【報道訂正要求】講談社はフランスサッカー試合のフェイクニュースを訂正してください
https://www.facebook.com/bdstokyo.act/posts/pfbid02BotiPAPEHBUaWnY3ksE4Y8B4kSYr5o5UJ3HRh6xF6TbNYaPexNDMxN3Ydd4qBaKGl
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/505750770.html
三者機関、暴力事件のためアヤックス対マッカビ戦の禁止を検討
Driehoek overwoog wedstrijd Ajax-Maccabi te verbieden vanwege geweldsincidenten - AT5
https://www.at5.nl/artikelen/229482/driehoek-overwoog-wedstrijd-ajax-maccabi-te-verbieden-vanwege-geweldsincidenten
12 november 2024, 08.44 uur ・ Aangepast 18 november 2024, 21.01 uur ・ Door: AT5
警察・司法・市長の三者機関は、「マッカビ支持者の攻撃とそれに対するタクシー運転手の反応」を理由に、同日のアヤックス対マッカビ・テルアビブの試合を禁止にすることを検討した。しかし、街の状況が手に負えなくなると結論づけた。
試合翌日の11月8日、警察がマッカビ支持者による暴力を発表:
アムステルダム警察、イスラエルのサッカーファンへの襲撃で60人以上を逮捕
Amsterdam police arrest more than 60 people after attacks on Israeli football fans | Netherlands | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2024/nov/08/israel-sends-rescue-planes-football-fans-reportedly-attacked-amsterdam
Fri 8 Nov 2024 19.21 GMT
アムステルダム警察のピーター・ホラ所長が記者会見で、試合前日にマッカビ支持者らによる地元タクシーへの襲撃などがあったことを発表。
肝心の事件の逮捕者はゼロ:
アムステルダムのサッカー試合に関連した暴力事件で初の起訴
First charges over violence linked to football match in Amsterdam | Netherlands | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2024/nov/10/amsterdam-police-charge-four-after-attack-on-israeli-football-fans
Sun 10 Nov 2024 17.58 GMT
オランダ連立政権の一員である極右政党「自由党」のヘルト・ウィルダース党首は、試合後の逮捕者がないらしいことに「言葉がない」と述べた。
オランダサッカー暴動の逮捕にかかる情報:
https://x.com/mitsu_ohta/status/1856934456587612555
報道によって逮捕日などに食い違いがある。逮捕者のほとんどは試合前と試合中で、試合後に60人以上の逮捕との報道は「盛った誤報」。いわゆるひき逃げ事件の逮捕者はゼロ。
アムステルダム市長、マッカビ対アヤックス暴動後の「ポグロム」発言を撤回
Amsterdam mayor takes back 'pogrom' comments following Maccabi-Ajax violence | Middle East Eye
https://www.middleeasteye.net/news/amsterdam-mayor-walks-back-calling-violence-after-maccabi-ajax-match-pogrom
上掲記事内引用動画(アムステルダム市長へのインタビュー):
Nieuwsuur | NPO Start
https://npo.nl/start/serie/nieuwsuur/seizoen-2024/nieuwsuur_4913
当該動画に関するオランダ語話者のツイート:
https://x.com/mmeeuw/status/1858252656223109124
アムステルダムのフェムケ・ハルセマ市長は、オランダサッカー暴動を「ポグロム」(虐殺)と表現したコメントを撤回し、イスラエルが事件の詳細に関してオランダ政府当局を「追い抜」いたと述べた。「試合後の2時間、午前0時半から午前2時半まで、暴力事件が突然街中に広がり、サポーターだけに限ったことではありませんでした。午前2時半ごろ、街は静かになった。私たちが持っていたイメージは、イスラエルに完全に追い抜かれたというものでした。なぜなら、午前3時にイスラエルのネタニヤフ首相が突然、アムステルダムで何が起こったかについて記者会見を行ったからです。その間、私たちはまだ事実を収集していました。しかし、その後数日で、私はポグロムという言葉が非常に政治的になり、実際にプロパガンダに変わったのを目にしました。イスラエル政府がアムステルダムの路上でのパレスチナ人ポグロムについて語りました。ハーグの政界ではポグロムが主に、モロッコ系アムステルダム市民とイスラム教徒を差別するために使われています。」
オランダのユダヤ人団体リーダーがイスラエルのフーリガンと政府の対応を非難
Dutch Jewish group leader slams Israeli hooligans, govt response | Daily Sabah
https://www.dailysabah.com/sports/football/dutch-jewish-group-leader-slams-israeli-hooligans-govt-response
オランダを拠点とするユダヤ人反シオニスト団体エレブ・ラブの理事アンナ・ジョセフ氏は、イスラエルのサポーターの行動に対するオランダ警察の対応が遅れ、不十分だと批判した。「オランダ警察が週の初めに介入してマッカビのサポーターの暴力を止めていれば、週末の激化は避けられたかもしれない」と彼女は主張した。
彼女は、オランダ当局が拘束したのは騒ぎを起こした個人ではなく、パレスチナのサポーターだったと述べた。「警察はマッカビファン以外の人々を逮捕の対象にしている。政府の行動は偏っていると感じ、多くの人が傷つき、怒っている」と彼女は付け加えた。
ジョセフ氏は、オランダでの反ユダヤ的事件のほとんどは白人のオランダ人によるものだと語り、友人が2人のオランダ人男性から反ユダヤ的中傷を浴びせられた事件を振り返った。
モロッコ系のアチャーバル財務副大臣が辞任:
オランダ政府、アムステルダムの暴力事件をめぐる論争を乗り越える
Dutch government survives dispute over Amsterdam violence
https://www.reuters.com/world/europe/dutch-government-could-fall-over-handling-amsterdam-violence-media-report-2024-11-15
November 16, 20248:59 AM GMT+9Updated 16 days ago
ノラ・アチャーバル財務副大臣は、11月7日に行われたオランダのアヤックスとマッカビ・テルアビブの試合の前後に、モロッコ系オランダ人の若者がアムステルダムでイスラエルのファンを襲撃したという一部の政治家の主張に抗議し、金曜日に突然内閣を辞任した。
閣僚ではないウィルダース氏は、警察が容疑者の経歴を明らかにしていないものの、イスラエルのファンに対する主な襲撃者はモロッコ系オランダ人の若者であると繰り返し主張している。
ショーフ首相は月曜日、今回の事件は、オランダの移民系若者の一部が「オランダの基本的な価値観」を共有していないことを示していると述べた。
閣僚会議に人種差別があるのかどうか?議事録の公開を求める:「処罰される可能性のある発言」
Wel of geen racisme in ministerraad? Roep om notulen openbaar te maken: 'Mogelijk strafbare uitspraken' - EenVandaag
https://eenvandaag.avrotros.nl/item/wel-of-geen-racisme-in-ministerraad-roep-om-notulen-openbaar-te-maken-mogelijk-strafbare-uitspraken/
2024年11月16日午後6:43
差別・人種差別に対する国家調整官のラビン・バルデューシン氏も、スホーフ氏の沈黙を破ることを望んでいる。「私は明日のオランダのことを非常に心配しています。従って、スホーフ首相に対する私の『心からの叫び』は、閣僚会議で何が述べられたのかを正確に公表するようにということです。」「人々は、法の支配の守護者である閣僚会議が人種差別的な発言をしていることを非常に懸念しています。組織的な人種差別が今や民主主義の原動力にも根付いているのではないかと疑問に思っています。このことについてお互いに話し合うことが非常に重要です。そんなことは絶対にあってはなりません。私たちはこれ以上分断されてはならないのです。」
イスラエルのプロパガンダ動議が下院で可決
Israelische propaganda-moties aangenomen in Tweede Kamer - The Rights Forum
https://rightsforum.org/israelische-propaganda-moties-aangenomen-in-tweede-kamer/
下院は11月19日、イスラエル政府からの「特別報告書」を利用して、イスラエルに批判的な組織に「テロリスト」とレッテルを貼る2件の動議を採択した。レッテル貼りの対象は「ハマスと関係がある組織や個人」と「イスラエル国民、イスラエル国家、ひいてはユダヤ人の破壊を促進する組織」。
「特別報告書」はイスラエルのディアスポラ・反ユダヤ主義対策省が作成して、オランダの国会議員に渡したもので、「アムステルダムでのイスラムテロ攻撃」に関与している組織や人々のネットワークの要となっていると主張するパレスチナ関係組織を挙げている。
オランダ、アムステルダム暴力に関する「報告書」の配布でイスラエルと対峙
Nederland spreekt Israel aan op verspreiding van 'rapport' geweld Amsterdam | Binnenland | NU.nl
https://www.nu.nl/binnenland/6337281/nederland-spreekt-israel-aan-op-verspreiding-van-rapport-geweld-amsterdam.html
デビッド・ファン・ウィール法務・安全保障大臣「この報告書が公式機関ではなく、ソーシャルメディアチャンネルやその他の非公式チャンネルを通じて配布された方法は、我々が望む情報の受け取り方ではない。」「政府は、イスラエル政府機関の報告書の配布方法が異例であり、オランダ住民に悪影響を与える可能性を考慮すると、望ましくないものであると考えている。」
[2]オランダのイスラエル支援ファシズムの異様:極右議員がイスラエル支援の軍事パレードを提案し、議会でのスイカ(パレスチナの象徴)配りが反ユダヤ的でハマス美化と批判される
自由党(PVV)議員の主張:「不法移民は西側諸国を内部から弱体化させるために利用されている。オランダがイスラエルを武器で支援していることを示すため、PVVはアムステルダムでの軍事パレードを提案している。」
https://x.com/mmeeuw/status/1864071439365587247
新しい「反ユダヤ主義計画」に対するファシストの弾圧
De fascistische repressie van het nieuwe "antisemitismeplan" | Doorbraak.eu
https://www.doorbraak.eu/de-fascistische-repressie-van-het-nieuwe-antisemitismeplan/
政府はサッカー界などにおける日常的な反ユダヤ主義を完全に無視しながら、反ユダヤ主義を主に「極左」とイスラム教徒のせいにしたいと考えている。反ユダヤ主義との闘いに関する特別委員会で、デモや「反ユダヤ主義の講演者」の活動の禁止などを計画。反ユダヤ主義の講演者とは、パレスチナ組織サミドゥンのモハメッド・ハティブ氏が念頭にある。「テロ賛美」(政府見解の否定)の犯罪化も狙っており、動物党(PvdD)による下院でのスイカ(パレスチナの象徴)配りが反ユダヤ的でハマス美化だと批判されている。
[3]オランダサッカー暴動で増長するファシズム:パレスチナ解放政党「デ・フォンク」議長らの見解
(原文)イスラエルのフーリガンがオランダのファシズムを煽った経緯/How Israeli hooligans fueled fascism in the Netherlands
https://www.doorbraak.eu/how-israeli-hooligans-fueled-fascism-in-the-netherlands/
(翻訳)オランダのパレスチナ解放政党「デ・フォンク」議長らの見解:イスラエルのフーリガンがオランダのファシズムを煽った経緯
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/506395970.html
https://www.facebook.com/mitsumasa.ohta/posts/pfbid0jPoCwTgD3y5ypsoLjEHgrSeGZzuQ8dEs8nWBAgCc56pH46u6in27zjxExynexssKl
以下は日本語訳の要旨。
◆マッカビの暴徒による不吉な警告:
マッカビの暴徒たちはアムステルダムを訪れた2016年、誇らしげに「レイプソング」を歌った。その歌は「アラブ人の娼婦」の血を飲み、その女性をレイプし、共産主義者を広場に吊るすという内容。11月のサッカーの試合を前に、そのビデオ*を自分たちのYouTubeチャンネルに再投稿した。
*(2024/07/15)https://www.youtube.com/watch?v=0MFFk1eQmkA
◆サッカーの試合を中止すべきとの事前警告を市が無視:
アムステルダムの市民の大半は移民のバックグラウンドを持ち、また同市ではパレスチナ連帯活動が盛んで、明らかに問題が起こりそうだった。アムステルダム市民がサッカーの試合を中止すべきだと事前に警告し、地元政党もアムステルダム市議会で訴えた。実際、隣国のベルギーでは、暴力を恐れて昨年9月にイスラエル代表チームがベルギーに来ることを許可されなかった。しかし同市は、このクラブの本質と人種差別についての警告を無視した。
◆欧州サッカー連盟(UEFA)とオランダ司法・安全省テロ対策調整官組織(NCTV)がマッカビ・テルアビブの真実を隠蔽した背景:
アムステルダム市長はUEFAとNCTVから受け取った評価に基づき、マッカビは危険度の高いクラブではないと主張。しかし、両組織は非常に偏見と人種差別に満ちた歴史を持っている。
UEFAは10年以上にわたり、パレスチナサッカー協会(PFA)やイスラエル人種差別レッドカード運動からの度重なる要請にもかかわらず、イスラエルサッカー協会(IFA)の活動停止や追放の要求を一貫して拒否してきた。
オランダの裁判所は今年9月、NCTVがアムステルダムのイスラム学校を誤って過激派として描写したとの判決を下した。アムステルダム市当局はNCTVの中傷的な発表を利用して学校を閉鎖させようとした。UEFAは、政治に関わりたくないと主張して、イスラエルリーグを擁護する立場を擁護してきた。しかし、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した際、ロシアのチームを一夜にして禁止し、本性を現した。
◆警察がマッカビの過激派を支援:
サッカーの試合前日の11月6日、マッカビの過激派はパレスチナの旗やポスターを掲げた複数の家を襲撃し、それらを破壊し、窓を割って住民を脅迫した。23歳の住人の証言「彼らはドアを蹴り、家に入ろうとしていました。彼らは私たちに中指を立て、首を切る仕草をしながら、『お前たちを殺して戻ってくる』と言っていました。」
アムステルダム市民は反撃した。遠くからパレスチナの子どもたちを狙撃することに慣れていたイスラエルのファシストたちは、すぐに恐怖に怯えた。象徴的なビデオでは、マッカビのフーリガンの一人が逃げるために運河に飛び込み、追っ手を追い払うために「パレスチナを解放せよ」と叫ぶことに同意した。
ビデオ映像では、イスラエルの暴漢たちが何もせずに家を襲撃する間、パトカーが通り過ぎる様子が見られる。同様に、最初に襲われたタクシー運転手は警察に直行し、窓が明らかに割られていたにもかかわらず、警察は運転手を叱責しただけだった。
クーフィーヤをかぶった通行人は侮辱され、唾をかけられ、瓶を投げつけられた。暴行を受けた通行人の多くは、警察は何もせず、立ち去るように言い、フーリガンの近くにいたことを責めたと証言している。
◆襲撃されたタクシー運転手の思い:
アムステルダム市民をマッカビ支持者のファシスト的暴力から守りたいと思っていたことも明らかになった。
アムステルダムのタクシー運転手の物語/HET VERHAAL VAN DE TAXI CHAUFFEURS IN AMSTERDAM - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=k9VBspPpIvk
◆アムステルダム市民側の警戒:
人権活動家のチャットやソーシャルメディアグループは、暴力を恐れて、市内中心部でクーフィーヤやその他の親パレスチナのシンボルを身に着けないよう警告した。
◆警察は反ファシストと人種差別を受けた少数派だけを標的にしている:
フーリガン10人が一時逮捕されたが、イスラエル人は一人も起訴されなかった。
ユダヤ人反シオニスト団体エレブ・ラヴは、11月9日水晶の夜の反ファシスト記念行事を計画するに当たり、マッカビ・ファシストからの特別保護を警察に要請したが、警察は単に「親パレスチナ活動家と反ファシスト」の方が心配だと返答。
◆警察と刑事司法制度における制度的人種差別:
警察による殺害、逮捕、投獄率における人種的不平等は米国よりも著しくひどい。極右シオニスト政党PVV(自由党)は警察内で大きな支持を得ている。複数の内部告発者によると、自らを「モロッコ人駆除業者」と呼んだり、「クソアフリカ人」や「NATOS(運動靴を履いた北アフリカのクソ野郎)」と発言したりする警察官がいる。
◆警察による親パレスチナ派活動への弾圧と親イスラエル派暴力への傍観:
2024年5月にユトレヒトとアムステルダムでガザ虐殺抗議の学生キャンプが始まったとき、両方とも世界のどの国よりも迅速な立ち退きに直面した。アムステルダムの場合、警察はシオニストが火炎瓶で野営地を襲撃するのを傍観しながら、学生の頭蓋骨を警棒で砕くなど、多くの暴力行為を働いた。その後、野営地は違法(数カ月後に検察官が遅ればせながら認めた)に追い出された。
◆主要政党による抗議の権利の制限:
イスラエルのヘルツォグ大統領が国立ホロコースト博物館の開館のためにアムステルダムを訪問することになり、ユダヤ人の反シオニスト組織であるエレブ・ラヴが抗議デモを組織したが、主要政党は抗議デモを反ユダヤ主義と捏造。この嘘は、オランダの憲法上の権利を制限するキャンペーンの根拠となった。
オランダ緑の党(GroenLinks)は自身を立憲主義的かつ自由主義的であり、市民の自由を支持する政党であると考えている。その元党首で現アムステルダム市長のフェムケ・ハルセ氏はこれまで、抗議の権利に対する極右の脅しに抵抗してきたが、11月7日以降、すべての抵抗は消え去った。市長の「ポグロム」発言は、極右のプロパガンダを促進する上で決定的な役割を果たした。「ポグロム」発言が利用され、アムステルダム市内でのすべての抗議活動を禁止する緊急法が公布された。デモ禁止期間中のデモでは、イスラム教徒の女性が警官から血だらけになるまで殴打され、重度の脳損傷を負った。
市長は警察の暴力行為をかばい、警察は責任を問われないという雰囲気が広がった。新たなデモでは、抗議者たちが警察(のバス)によって市郊外に移動させられ、暴行を受けた。
◆植民地主義プロパガンダを促進する指導者の特徴:
フェムケ・ハルセマの「ポグロム」発言はコリン・パウエルのイラク侵攻促進演説を彷彿とさせるが、この演説もリベラルメディアにとっての転換点となった。植民地主義プロパガンダを促進する上で決定的な役割を果たすのは、往々にして、より「尊敬される」指導者。
◆アムステルダムでの権利制限が大学予算削減に反対するユトレヒトでの抗議弾圧に拡大:
アムステルダム事件に便乗して、隣の都市ユトレヒトで、左派市長とされる労働党シャロン・ダイクスマ市長が、大学予算削減に反対するオランダ最大の労働組合による抗議活動を事実上禁止した。親パレスチナ団体による暴力の脅威があるという嘘が言い訳。
◆大学予算削減は軍事費急増と関係:
予算削減は、オランダ政府の軍事費の急増と関係があり、オランダ政府はイスラエルのように徴兵制の再導入も検討し始めている。武器の多くは、ガザでの大量虐殺を可能にしているイスラエルの武器製造業者から購入されることになる。この軍事化もまた、「左派」野党の GroenLinks-PvdAが支持している。
◆植民地支配の歴史を引きずるオランダの人種差別主義指導者:
オランダは長く深い人種差別の歴史を持っており、南アフリカ、インドネシア、スリナム、オランダ領アンティルなど、さまざまな場所にアパルトヘイト(人種隔離政策)を持ち込んだ。「リベラル」なマルク・ルッテ前首相でさえ、民族プロファイリングで有罪判決を受けた。ヨルダン川西岸のキブツで成人した極右政党、自由党(PVV)党首のヘルト・ウィルダース氏は、インドネシアの植民地支配者の家系で、差別煽動の有罪判決を受けている。「左派」野党とされる緑の党(GroenLinks)・労働党(PvdA)連合の指導者フランス・ティメルマンス氏は、<我々の「生命の文化」>と<彼らの「死の文化」>について語った人物。ディック・スホーフ首相はオランダ諜報機関の元長官で、特にイスラム教徒を標的にスパイ活動を行っていた。与党連合はイスラエルで生まれ育った熱狂的なシオニストPVV議員のギディ・マルクスゾワー氏を副首相兼難民・移民大臣に真剣に検討したが、同氏は移民を「アフリカの獣」と呼び、流出した電子メールでは反シオニストの「卑劣なユダヤ人」を殺害するよう主張した人物。
◆急増するイスラム嫌悪と「反ユダヤ主義はイスラム教の問題」とのデマ:
極右政党PVVが2023年の選挙で勝利して以来、イスラム嫌悪が急増している。メルド・イスラムフォビー(イスラム嫌悪症を報告)の最新データによると、昨年、オランダのイスラム教徒の83%がイスラム嫌悪の事件の標的になった。この夏、イスラム教徒が人種差別主義者の隣人に殺害された。
オランダの主要ロビー団体であるイスラエル情報文書センター(CIDI)の所長だったエスター・フォエトは2014年、反ユダヤ主義の3分の2はイスラム教徒から来ていると主張したが、検察庁の数字によると、加害者の3分の2は「生粋の」オランダ人だった。加害者の2番目に多いグループは、「西ヨーロッパ」移民の背景を持つオランダ人だった。
政府の大規模な調査によると、オランダのイスラム教徒の若者の12%がユダヤ人に対して「それほど肯定的ではない」ことがわかった。これは、クルド人(12%)、オランダ人(10%)、さらにはモロッコ人(8%)に対するイスラム教徒の態度に匹敵する。逆に、イスラム嫌悪が蔓延しており、キリスト教徒や無宗教の若者はイスラム教徒(約30%)やモロッコ人(約40%)に対して極めて否定的だった。
◆結語、ファシズムの脅威について:
イスラム教徒の悪魔化は、増大するファシズムの表れと見るべきである。右翼の政治家は、イスラエルのアパルトヘイトと民族浄化の現実をオランダに持ち込もうとしている。右翼の「イスラム左翼」レトリックは、ナチスがユダヤ人に対する殺人行為を正当化した「ユダヤ・ボルシェビズム」の現代版と見るべきである。1930年代にユダヤ人難民がオランダから追放されたが、今日イスラム教徒について耳にするのと同じ議論がオランダ最大の新聞テレグラーフなど文字通り同じ新聞によって行われたことも忘れてはならない。
ファシズムの脅威は現実的で広範囲に及んでいる。集団虐殺アパルトヘイト国家イスラエルは、はるかに広範で危険なプロセスの槍の先端に過ぎず、西洋世界を暗闇に陥れようとするファシストの空想を煽っている。米国のカマラ・ハリスからアムステルダムのフェムケ・ハルセマまで、リベラル中道派は無力で、ファシズムに真に立ち向かう意志がないようだ。
[4]イスラム教徒への抑圧
イスラム教徒への抑圧はさらに強まる
‘We stevenen af op nog meer repressie van moslims’ - OneWorld
https://www.oneworld.nl/mensenrechten/we-stevenen-af-op-nog-meer-repressie-van-moslims/
歴史学者のナディア・ブーラス「メディアがこのような事態を助長しているという事実に、私は怒りと悲しみを覚える。モラル・パニックにはバランスの取れた報道で対抗しなければならないのに、熱心なジャーナリストたちは、イスラエルのプロパガンダや国際メディアの圧力に負けて、『ユダヤ人狩り』や『ポグロム』といった言葉を乱発した。ジャーナリストたちよ、いったい何が起きているのか、よく見てください。今、ハーグと、そこで議論されている政策に皆が注目すべきだ。」
「内閣は怯えているユダヤ人と獰猛なモロッコ人の集団というイメージから恩恵を受けている」と移民史家のナディア・ブーラスは言う
‘Het kabinet is gebaat bij een beeld van bange Joden en een bende woeste Marokkanen,’ zegt migratiehistoricus Nadia Bouras | Het Parool
https://www.parool.nl/israelische-fans-aangevallen-in-amsterdam/het-kabinet-is-gebaat-bij-een-beeld-van-bange-joden-en-een-bende-woeste-marokkanen-zegt-migratiehistoricus-nadia-bouras~bca14469/
「モロッコ人が新たなユダヤ人であるという私の言葉は聞こえないだろうが、反ユダヤ主義との闘いを装ってイスラム教徒とモロッコ人に対して攻撃が開始されているという私の言葉は聞こえるだろう。」
自由党党首ヘルト・ウィルダース氏の発言:
https://x.com/geertwilderspvv/status/1854786535700279581
アムステルダムでのユダヤ人狩りを非難するだけでは十分ではない。加害者は国外に出国させなければなりません。私は20年以上にわたり、我が国での大量移民とイスラム化が続いていることにより、オランダ国内でユダヤ人に対する憎しみが増大していることについて警告してきました。
スホーフ:ユダヤ人狩り、移住の背景を持つ若者の割合が高い
Schoof: er is gejaagd op joden, jongeren met migratieachtergrond oververtegenwoordigd - AT5
https://www.at5.nl/artikelen/229481/schoof-er-is-gejaagd-op-joden-jongeren-met-migratieachtergrond-oververtegenwoordigd
12 november 2024, 01.59 uur ・ Aangepast 12 november 2024, 03.29 uur ・ Door: AT5
ディック・スホーフ首相は本日午後、閣僚会議の後、市内で発生した「反ユダヤ主義的暴力」に対して反論した。木曜日の夜、ユダヤ人が狩られたことに同意する。彼は、「ひき逃げを実行したグループによる紛れもない反ユダヤ主義であり、その中で『移民出身の若者たちが過剰に代表されていた』」と語った。「私たちは寛容をもって不寛容に答えることはできない。我々はそれに対して厳しくなり、一線を引かなければならない。」
イスラム教徒の憎悪に対する国家調整官を設置する時期が来たのだろうか?
Is het tijd voor een Natio-naal Coor-dinator tegen Moslim-haat? - OneWorld
https://www.oneworld.nl/mensenrechten/is-het-tijd-voor-een-nationaal-coordinator-tegen-moslimhaat/
差別と人種差別に対する初の国家調整官 (NCDR) ラビン・バルデューシン(Rabin Baldewsingh)「オランダには『慢性的なイスラム教徒差別』が存在します」。彼は2020年にはオランダのイスラム教徒の55%が「疑いなく」差別を経験したと回答し、14%が確信が持てないと述べた。2023年には、宗教差別に関する報告のほぼ4分の3がイスラム教徒に関するものだった。
パレスチナ人に対するイスラエルの暴力が激化して以来、インターネット上の反ユダヤ主義の報告数は最大48パーセント増加した。これは、オンライン差別に関する報告の約 4分の1がユダヤ人への憎しみに関するものである一方、オランダ人のユダヤ人はわずか0.3%であることを意味する。イスラム教徒に対する差別もこの期間に急激に増加した。報告センターのメルド・イスラムフォビーによる未発表の調査では、回答者約500人のうち83パーセントが、過去1年間で安全性が低下し始めたと回答した。
調査: イスラム教徒はアムステルダム暴動の後、安全性が低下していると感じており、ハルセマ(アムステルダム市長)の辞任を望んでいる
Onderzoek: moslims voelen zich onveiliger na Amsterdamse rellen ? en willen Halsema weg - de Kanttekening
https://dekanttekening.nl/samenleving/moslims-voelen-zich-onveiliger-na-amsterdamse-rellen-en-willen-halsema-weg/
◆検閲と自由の欠如が増加:
イスラム教徒、モロッコ系、トルコ系のオランダ人の4分の3は、メディアプラットフォームのCestMocroを禁止するという政治家の意図は検閲の一種だという。
3分の2は、2023年10月7日のハマスによる攻撃以来、社会情勢がより不自由になったと経験している。多くはもはや自分の考えを遠慮なく言うことができない。3分の1は、オランダの状況が改善しない場合、機会があれば海外に移住することを真剣に検討している。
モロッコ系、トルコ系のイスラム教徒オランダ人によると、社会の否定的な雰囲気は主にメディアのせいだという。大多数は、メディアがアムステルダムで起きたことについて中立的かつ客観的に報道していないと信じている。
◆オランダの安全性は低い:
特にモロッコ系オランダ人は、アムステルダムでの出来事の影響でオランダに危険を感じており、3分の2がそのような感情を抱いていると回答している。これはトルコ系オランダ人の間ではあまり一般的ではない。
◆反ユダヤ主義に注目しすぎている:
モロッコ系オランダ人の4分の3以上は、アムステルダムの暴動後にイスラム恐怖症が増大したと考えている。
回答者の約3人に2人は、オランダ系ユダヤ人はイスラエル国家の行いに対して責任を負うことはできないと考えている。ここでは回答者間の意見の分かれ目が比較的大きく、特にトルコ系オランダ人やアムステルダム在住者の間で、ほぼ半数がこの意見に対して中立か否定的である。
(調査は、オピニオン・ハウスがKanttekeningと提携して、11月16日から19日にかけて、アムステルダム居住者300人を含むオランダのイスラム教徒970人を対象に実施。)
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太田光征
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