2022年04月28日

戦争の永続化に反対するウクライナ平和主義者運動の声明

ユーリー・シェリアジェンコ氏らが設立したウクライナ平和主義者運動が戦争の「永続化」に反対する声明を発表しましたので、ご紹介します。

声明では、ロシアによるウクライナへの大規模侵攻を当然にも非難している一方で、双方によるドンバス内戦のミンスク合意(停戦協定)違反、双方によるレッテル貼り、双方による民間人への兵役強制、ロシアとNATO諸国によるウクライナ過激派への武器供給を批判しています。「いかなる種類の戦争をも支持せず、戦争のすべての原因を取り除く」決意をしているからです。また当然、戦争犯罪の責任については、公平かつ中立な捜査と法の適正手続きによって確立されなければならないと主張しています。

ウクライナ東部におけるドンバス内戦が頭の中にある人なら誰でも、今回の大規模侵攻の有無に関係なく、戦争の「永続化」を懸念するはずです。声明の表題にこの言葉があるのは当然というべきでしょう。

【原文】

戦争の永続化に反対するウクライナ平和主義者運動の声明
Statement of the Ukrainian Pacifist Movement Against Perpetuation of War - World Beyond War . . .
https://worldbeyondwar.org/statement-of-the-ukrainian-pacifist-movement-against-perpetuation-of-war/

【翻訳全文】

戦争の永続化に反対するウクライナ平和主義者運動の声明
ヨーロッパ
2022年4月17日、ウクライナ平和主義者運動

ウクライナ平和主義者運動は、ロシアとウクライナの間における紛争の平和的解決のための橋が双方で激しく焼かれ、何らかの支配的/主権的野心を達成するために流血を続ける意図が示されていることを深く懸念する。

私たちは、ロシアが2022年2月24日にウクライナに侵攻するとした決定により、致命的なエスカレーションと数千人の死者をもたらしたことを非難するとともに、ロシアによる侵略のエスカレーションに先立ってドンバスでロシアとウクライナの戦闘員がミンスク合意で規定された停戦を相互に侵害したことを改めて非難する。

私たちは、紛争当事者の双方がナチスのような敵や戦争犯罪者というレッテルを貼り、それを法律に押し込め、妥協できない極度の敵意を含む公式プロパガンダによって強化したことを非難する。私たちは、法律は戦争を煽るものではなく、平和を築くものであり、歴史は戦争を続けるための言い訳ではなく、人々がいかにして平和な生活に戻ることができるかを私たちに示す例となるべきものであると考えている。私たちは、犯罪に対する説明責任は、特に大量虐殺などの最も重大な犯罪において、独立した有能な司法機関によって、公平かつ中立な捜査の結果、法の適正手続きによって確立されなければならないと主張する。私たちは、軍事的残虐行為の悲劇的な結果が、憎悪を煽り新たな残虐行為を正当化するために利用されてはならないことを強調する。逆にそのような悲劇は、闘志を冷まし、最も流血の少ない方法で戦争を終わらせる方法を粘り強く模索するよう促すものでなければならない。

私たちは、双方の軍事行動や民間人に危害を加える敵対行為を非難する。私たちは、すべての銃撃を停止し、すべての側が殺された人々を追悼し、当然の悲しみの後に、冷静かつ誠実に本気の和平交渉に取り組むべきであると主張する。

私たちは、特定の目標を交渉によって達成できない場合にそれら目標を軍事的手段によって達成するとの意図を示したロシア側の発言を非難する。

私たちは、和平交渉の継続は戦場において交渉上の最良の立場を勝ち取ることにかかっているというウクライナ側の発言を非難する。

私たちは、和平交渉中の停戦に対する両陣営の消極性を非難する。

私たちは、ロシアとウクライナの平和な人々の意思に反して、民間人に兵役、軍事任務の遂行、軍への支援を強制する慣行を非難する。私たちは、このような慣行は、特に敵対行為中に、国際人道法における軍人と民間人の区別の原則に著しく違反するものであると主張する。良心的兵役拒否という人権に対するいかなる形態の侮蔑も容認することはできない。

ロシアとNATO諸国がウクライナの過激派に提供するあらゆる軍事支援は軍事紛争をさらにエスカレートさせるものであり、私たちはこれを非難する。

私たちは、ウクライナと世界中の平和を愛するすべての人々に、いかなる状況においても平和を愛する人々であり続け、他の人々が平和を愛する人々となるのを助け、平和で非暴力的な生き方に関する知識を集めて広め、平和を愛する人々を結び付けるための真実を伝え、暴力なしで悪と不正に抵抗し、必要かつ有益で不可避にして正当な戦争があるとする神話を覆していくよう呼び掛ける。私たちは、平和の計画が軍国主義者の憎悪や攻撃の対象とならないよう、現時点で何らかの特別な行動を起こすことは求めない。しかし、世界中の平和主義者が、その最高の夢を実際に実現するための良き想像力と経験を持っていることを確信する。私たちの行動は、恐怖心ではなく、平和で幸せな未来への希望によって導かれるべきである。私たちの平和活動によって、未来を夢から近づけよう。

戦争は人類に対する犯罪である。従って、私たちは、いかなる種類の戦争をも支持せず、戦争のすべての原因を取り除くために奮闘することを決意する。

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ウクライナの平和主義者らは、4月17日にこの声明を採択した。会議では、オンラインとオフラインでの反戦活動、良心的兵役拒否の提唱活動、平和主義者と平和を愛する市民のための法的支援、慈善活動、他のNGOとの協力、平和的・非暴力的生活の理論と実践に関する教育と研究について、作業計画を話し合った。ルスラン・コツァバは、今日の平和主義者は圧力を受けているが、平和運動は生き残り、前進しなければならないと述べた。ユーリー・シェリアジェンコは、私たちの周りで厄介な戦争が長引くことにより、平和主義者は真実を語り、透明性と寛容性を持ち、敵を持たないことを主張し、特に情報・教育・人権保護の分野で長期的な活動に傾注することが求められていることを強調した。彼はまた、良心的兵役拒否という人権に対する侵害を隠蔽したとして国家国境警備隊に対して起こされた正式な訴訟について報告した。イリヤ・オヴチャレンコは、ウクライナとロシアの人々が自分の人生の意味は敵を殺すことや兵役とは何の関係もないことに気づくための手助けになる教育活動に期待を表明し、マハトマ・ガンジーやレオ・トルストイの幾つかの本を読むことを薦めた。
2022年4月17日、ウクライナ平和主義者運動のオンラインミーティング
録画:https://youtu.be/11p5CdEDqwQ


太田光征
posted by 風の人 at 22:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ウクライナ危機
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