【要旨】小選挙区別の比例区得票率は自由民主党がほぼ一定で、立憲民主党、日本維新の会、公明党が小選挙区によって比例区得票率に大きな変動がある。立民は自民と勝負しているというより、自民以外の維新・公明という与党グループと野党の間で票を奪い合っている。有権者から見て自民対立民の政権選択選挙になっていない。
小選挙区別の比例区得票率を千葉、東京、神奈川、大阪で算出しました。
千葉では、10、11、12区で自民の比例区得票率が高いものの、自民の比例区得票率は小選挙区の違いによる変動があまりありません。立民の比例区得票率が落ち込んでいる選挙区は、維新ないし公明の比例区得票率が高くなっています。
東京では自民が1、2、25区で特に高いものの、比例区得票率は小選挙区によらずほぼ一定しています。これとは対照的に立民の比例区得票率は小選挙区によって大きく変動しており、特に公明の比例区得票率とは山と谷の関係にあります。維新もかなり比例区得票率が変動していますが、変動幅は立民と公明の中間程度です。
神奈川では、小泉進次郎の11区などを除いて、自民の比例区得票率はかなりきれいな横一線で、小選挙区によって変わりがありません。立民の比例区得票率が落ち込んでいる選挙区は維新・公明・共産・国民・社民の比例区得票率が高い選挙区となっています。
大阪でも、自民の比例区得票率はどの小選挙区でもほとんど差がなく、立民の比例区得票率が低い選挙区は公明の比例区得票率が高いところばかりです。維新は公明と小選挙区でバーター形式の選挙協力をしており、両党の比例区得票率は山と谷の関係にあります。
以上のように、比例区得票率という指標で評価する限り、立民は自民というより、自民以外の与党グループ(維新・公明)や野党と勝負している格好です。いま現在の投票率では、固い自民支持層が一定の比例区得票率を確保し、それ以外の政党、特に立民・維新・公明の間での争いが、今日の選挙の実態といえます。
とても自民対立民の政権交代モードにはなっていません。立民には単独政権や二大政党制などということは諦めてもらいたいものです。
太田光征
【一般の最新記事】
- 立憲民主党:経済秘密保護法案は廃案に
- ガザ・ジェノサイド:国連総会決議377号..
- 立憲民主党御中:ガザせん滅作戦の即時停止..
- 立憲民主党御中:長射程ミサイルの容認は撤..
- Fwd: [uniting-peace:..
- 【署名】ウクライナの平和主義者ユーリー・..
- 【講演会動画】作られる台湾有事(講師:..
- 立憲民主党:軍需産業強化法案(防衛生産基..
- 小西ひろゆき議員の参院憲法審査会筆頭幹事..
- 敵基地攻撃能力=先制攻撃能力には反対を
- 経済安保法「基本方針案」のパブコメ(20..
- 【沖縄県知事選2022】玉城デニー氏のさ..
- ウクライナ危機:日本の国会とメディアは情..
- ウクライナ危機:安保構築の提案なき侵略戦..
- 市民運動の一環ないし前提としてのパソコン..
- 2022年名護市長選の重大な争点:旧消防..
- 2021年衆院選:比例区選挙における死票..
- 2021年衆院選:共・社への野党統一選挙..
- 2014年衆院選から2021年衆院選にか..
- 2021年衆院選:小選挙区での得票率10..