2021年11月20日

2014年衆院選から2021年衆院選にかけての各党の比例区得票率の推移

比例区得票率の推移.jpg【要旨】維新は比例区得票率で17年に惨敗、21年は盛り返すも14年より後退。比例区得票率において与野党別の大きな勢力変化はなく、野党内で勢力が変化しただけ。ただし、比較大政党の自民・立民(民主)が伸び、比較中政党の維新・公明と比較小政党の共産・社民が後退する傾向にある。社民は17年より上向いている。

2014年衆院選から2021年衆院選にかけての各党の比例区得票率の推移を分かりやすくグラフで視覚化しておきたいと思います。

瞬間風力政党の旧希望の党が17年の選挙でしか登場しなかったこと、維新の票が17年に旧希望に大量に流れたことなどから、下記の政党を「再編4党」としてまとめると、各党勢力の変化が分かりやすくなるでしょう。

21年:日本維新の会、国民民主党、れいわ新撰組
17年:希望の党、維新
14年:維新、次世代の党、生活の党

グラフの左半分では青で示される14年の比例区得票率が橙で示される21年の比例区得票率に増えており、右半分では逆に減っています。つまり比較大政党の自民と立民(民主)が比例区得票率を伸ばし、比較中政党の維新・公明と比較小政党の共産・社民が比例区得票率を減らしています。

当然、国民とれいわが新規に比例区得票率を確保しています。正確にいえば、社民は17年を谷として21年は得票率を盛り返しています。

維新は17年に比例区得票率で見れば文字通りの惨敗でした。小選挙区も合わせた維新の獲得議席は、14年、21年とも41議席なので、今回の維新の議席増を必要以上に評価する必要はありません。比例区得票率で見れば21年の14.0%は14年の15.7%より減っています。

このように変化の傾向がありますが、与野党別に分けた勢力で見れば大きな変化はなく、単に野党内での勢力変化が起こっただけです。変化の大きな源は共産党の得票減で、17年に共産から旧立民に流れた票が、旧希望の一部と再合流した新立民にとどまっているのが特徴です。

下記記事で示したように、比較小政党の獲得票を死票にしてしまう現行比例区選挙の欠陥ゆえ、立民は比較小政党が獲得してしかるべき4議席分を余計にせしめています。

2021年衆院選比例区:全国一括集計した得票数で比例配分した場合の議席数(比例区でも死票が発生する)
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484286009.html

こうした意味で立民は比例区議席を取り過ぎているので、共産・社民から立民への比例区票の移動は好ましくありません。有権者の皆さんには考えていただきたいと思います。

野党内の勢力構成も重要なのですが、野党全体の勢力がこのまま固定されたままでは困ります。立憲野党と市民は政治運動を大幅に見直して、野党支持者だけではなく広く有権者一般の心に届く訴えを開発していく必要があります。


太田光征
posted by 風の人 at 20:24 | Comment(0) | 一般
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