2007年06月14日

「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」声明:自衛隊「情報保全隊」による市民監視活動批判

「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」が自衛隊「情報保全隊」による市民監視活動を批判する声明を出しましたので、紹介します。

2007年6月9日

防衛大臣  久間章生 様

違憲・違法な市民監視活動、「調査」活動を直ちに中止し、今後一切行わないことを明言してください

自衛隊イラク派兵差止訴訟の会(名古屋)

法治国家では、行政は憲法・法律に規定されていない行為を行ってはならない。今回明らかになった自衛隊の「情報保全隊」による市民監視活動を詳細に記録した内部文書の存在事実は、法治国家であることそのものを根底からくつがえす重大問題です。
内部文書には、市民運動や労組、政党、宗教団体、地方議会の動き、派遣をめぐる取材活動など、全国41都道府県の計293団体・個人の活動状況が記録されているとのことです。
平和を求める言論活動を、軍事機関という国家権力の監視下におくこと自体が違憲です。情報保全隊が行っている市民監視活動は、憲法前文に明記された「平和にうちに生存する権利」(平和的生存権)の侵害につながり、憲法21条に保障された集会、結社および言論、出版など表現の自由に対する違法行為です。
今回の「調査」活動では、一般の市民に対する捜査権限・監視権限・調査権限が与えられていない、また強制捜査権ももちろん与えられていない自衛隊が、犯罪とまったく無関係の平和を求める集会やデモ参加者に対して隠し撮りなどの写真撮影を行いました。これは、1969年の最高裁大法廷判決にあるとおり、明らかにプライバシー権を保障した憲法13条の趣旨に反し、越権・違法行為です。
また、陸上自衛隊・東北方面情報保全隊ならびに情報保全隊本部の市民監視活動は、自衛隊法施行令(32条)およびそれに基づく訓令(3条)に照らしてみてもまったく法的根拠のない、越権行為です。

久間防衛大臣は7日の参議院外交防衛委員会で、「憲法上も情報収集は禁止されていない。何ら抵触していない」「悪いことをしているわけではない。公開の場でやったことを報告しているだけ」「写真で『盛り上がり』を確認しても良いではないか。『(反対運動の)盛り上がり』の情報収集をして参考にするのは良いことだ、国民の声に耳を傾けることだ」「報道取材で写真を撮って良いのだから、自衛隊が撮っても良い。最高裁判例に照らしても構わない。特定の誰かをねらい打ちにしているわけではない。」と正当化をする答弁をしています。憲法の基本も守らず、人権感覚も全くないこのような答弁をする防衛大臣を私たちは認めるわけにはいきません。

久間防衛大臣は今回の違憲・違法な「調査活動」の非を認め、全容と責任を明らかにしてください。そして、「調査」活動を直ちに中止し、今後一切行わないことを明言してください。私たち主権者は、憲法(99条)によってあなたに憲法尊重擁護義務を課していることを忘れないでください。
以上

「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」(代表 池住義憲)
〒466‐0804愛知県名古屋市昭和区宮東町260 
名古屋学生青年センター内 
(電話:052-781-0165 Fax:052-781-4334)


--------------posted by ohta
posted by 風の人 at 10:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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