訂正(4月25日):18歳選挙権の施行期日を勘違いしていました。2015年6月19日が公布で、施行が1年後からなので、2016年6月19日から、つまり今夏の参院選からの適用となります。お詫びして訂正します。分析結果には影響しません。
池田まき氏の選挙に関わった皆さん、お疲れさまでした。結果は残念ですが、以下の分析に示すように、野党統一候補のメリットを確認できたことは、来る参院選と衆院選へ向けての大きな成果です。
選挙結果は北海道選挙管理委員会が公表しています。
衆議院北海道第5区選出議員補欠選挙投・開票速報 | 北海道選挙管理委員会
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hs/shugihosensokuho.htm
自民党候補・和田よしあき氏の得票数135,842票と野党統一候補・池田まき氏の得票数123,517票の比は1.10となっており、2014年衆院選北海道5区での自民党候補・故町村信孝氏の得票数131,394票と民主党候補・勝部けんじ氏の得票数94,975票の比1.38を下回っています。
前回は自民・民主に加え共産の鈴木龍次氏が立候補して31,523票を獲得しており、3人の合計得票数は257,892票、投票率は58.43%でした。今回の2人の合計得票数は259,359票で、投票率は57.63%です。
今回の当日有権者数は455,262人で、無効投票数は3,009票です。前回の当日有権者数(無効投票数)がすぐに分からないので、今回と同数の無効投票数が発生したと仮定して推計すると446,519人となり、今回より若干少なくなっています。
今回、投票者数が若干増えて投票率が若干低下したのは、おそらく未成年者が有権者に加わって有権者数が増えたものの未成年者層が低投票率に終わったことによるものと想像できます。
このように投票者数に若干の変化はあるものの、前回投票者のほとんどが今回の補選で投票したと見なしてよいでしょう。
前回の共産党候補の31,523票と民主党候補の94,975票を合わせると126,498票となり、前回の自民党候補の得票数131,394票とこの合計得票数126,498票の比は1.04となります。
前回と今回を比べて、合計得票数が1,467票増え、自民党候補の得票数が4,448増えていますが、民主ないし共産に前回投票して自民に今回投票した有権者は、増分の1,467票がすべて池田まき氏に流れたと仮定して(これはこれで野党統一候補および池田氏個人が高く評価されたことになる)、最大限野党に厳しめに推測しても、この4,448人しかいません。これは前回の民主党候補の94,975票のわずか4.7%でしかなく、前回の共産党候補の31,523票が加算されるメリットの方が優に上回ります。
以上から、今回の自民党候補対野党統一候補の比1.10が前回の自民党候補対民主党候補の比1.38を下回ったことは、今回の野党統一候補が自民党候補に対抗する上で14年衆院選の民主党単独候補や共産党単独候補よりメリットがあったことを示しています。
太田光征
2016年04月25日
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