2015年09月19日

「立憲主義者の憲法学者」はどのくらいいるのか――小選挙区制が解釈壊憲と立法壊憲を誘因する

小林節氏の以前の下記のような考え方は、憲法違反を認める戦争法を容認する考え方とどこが違うというのでしょうか。一時的な独裁を認めて、違憲の憲法解釈をしても、違憲立法を行っても、政権交代で憲法解釈を復活させ、違憲法を廃止すればよいというのでは、憲法の実効的安定性もなにもありません。

なぜ自民議員は首相に逆らえないのか 小林節慶応大学名誉教授インタビュー (ニュースソクラ) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150914-00010000-socra-pol
<私が小選挙区制に賛成していたもう一つの理由は、この制度では51%の票で100%の議席が取れます。同じ党の議員ばかりになって、一時的に独裁みたいになるかもしれないけれども、「決められない政治」から脱却して、てきぱきと決めていけるようになる。その政治的判断が間違っていたと国民が思ったら、選挙で落とせばいい。2%変わるだけで、他の党が政権を取れるわけですから。スピード感もあるし、試行錯誤してやっていけばいい、こういう発想でした。>

有権者の多数派が支持している政権であれば、わざわざ解釈壊憲や立法壊憲という危険を犯す必要性はありません。正面から改憲プロセスを踏めばよいのです。

わざわざ解釈壊憲や立法壊憲をするのは、<有権者の多数派>および<有権者の少数派しか支持していない政権>というねじれ状態ゆえの現象であり、このねじれは小選挙区制によってもたらされています。今この時期、立憲主義の危機をもたらしているのが小選挙区制であると声を大にして訴えないということは考えられません。

立憲主義の危機をもたらしている小選挙区制
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/422989868.html

軍事を立憲主義で抑制しようとは考えても、憲法要請たる平等な国民主権を保障するための手段であるべき選挙制度を二大政党制の実現の手段や自民党のお家事情=金権腐敗の治療薬として貶めているところに、この国の立憲主義と民主主義の弱さがあります。

憲法要請を渾身の努力で具現化するということをせず、個人の勝手な政治観、統治観で選挙制度を歪めてきた狼藉のツケが戦争法なのです。「自民党を前提にした選挙制度」がいかに乱暴なものか。

野党(第一党)が死守優先したいのは憲法要請でも何でもない二大政党制(を実現するための小選挙区制)より立憲主義だといえるのかどうか。今、有権者が野党に向けるべき眼差しで最も必要なのはこれです。

小選挙区制の下、フラフラ憲法の時代に突入しました。

太田光征
posted by 風の人 at 13:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 選挙制度
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