お世話になります。
脱原発福島ネットワーク
佐藤和良です。
4月に提出した県内外75市民団体連名の廣瀬社長宛の 「深刻な放射能汚染水の
漏えい及び海洋放出に抗議し、無責任な『地下水バイパス計画』の実施を強行し
ないよう求める要請書」に、ご賛同頂きありがとうございました。
5月14日、東京電力(株)平送電所で実施した、再開第10回東電交渉で要請書
に対する回答があり、これに対する質疑応答を行ったのでご報告します。
*また、報道によりますと、東京電力は「地下水バイパス」を5月21日にも実施
する意向であることが伝えられています。
このため、私たち「脱原発福島ネットワーク」は、このような東京電力の意図的
な放射能の放出にたいして、改めて全国の市民団体の皆さまとともに、下記「要
請」を公表し、「ストップ・汚染水」の広範な声を挙げ、命の海へのさらなる放
射能放出を止めたいと願っております。沢山の市民団体の賛同をお願いいたします。
*同時に、東京電力への「地下水バイパス」実施に対する中止要請、抗議等のフ
ァックス、メールの発信にご協力いただけますようお願いいたします。
<4.4「深刻な放射能汚染水の漏えい及び海洋放出に抗議し、無責任な『地下水
バイパス計画』の実施を強行しないよう求める要請書」への5.14東京電力の回答>
1、深刻な放射能汚染水の漏えい及び海洋放出の停止に全力を挙げ、無責任な
「地下水バイパス計画」の実施を強行しないこと。
●回答/汚染水の海洋への流出防止に向けて、当社は緊急的対策として重層的に
対策を検討実施しておりますが
、海洋への影響は限定的であると考えております。なお、地下水バイパスは地下
水が原子炉建屋への流入量を抑制する緊急的対策であり、建屋に流入する前の地
下水をくみ上げ、水質確認を実施の上、運用目標値を確認し、海へと放出するも
のであります。
2、全てのフランジ型タンクの漏えい検査を実施し、漏えいの実態、原因、影
響の範囲等を明らかにすること。
●回答/タンクからの漏えいについてはエリアに堰を設け、水位計の設置、パト
ロールの強化などにより漏えい検知に努めております。フランジ型タンクからの
漏えいについて、底板の解体等により原因調査を実施した結果、漏えい部からは、
パッキンの飛び出し及びフランジ面の発錆が確認されております。
3、原子炉建屋周辺の凍土壁によらぬ遮水壁の設置、汚染水のコンクリート固化、
溶融炉心の空冷化計画の策定などを実現すること。
●回答/凍土遮水壁は、基本設計がとりまとまったことから、規制庁に平成26年
3月7日に実施計画の変更認可申請を提出し、現在、審議いただいております。
また、凍土遮水壁は、規制委員会等よりご指摘いただいていることは承知して
おりますが、当社は、資源エネルギー庁・施工会社と連携をとりながら、引き続
き、丁寧にご説明を行っていくとともに、凍土遮水壁の成立性について、現在実
施している実証試験の結果も踏まえて検討してまいります。なお、汚染水量の低
減を目的とした地下水流入抑制対策は、凍土遮水壁の他、建屋貫通部の止水、
サブドレンの活用等の対策を進めております。さらに、冷却水の低減を目的とし
た格納容器内燃料デブリの空冷方式についても検討をすすめております。
<回答への質疑応答(抄)>
Q:地下水バイパスは報道があったが21日から実施か?運用目標値に照らして、
トリチウムが1500Bq/Lを超えるようなら井戸ごとに止めるのか?
A:日程は決まっていない。12番井戸は、超えたので止め、再分析、1200Bq/Lだ
ったので再開。
Q:H4エリアの観測井E1の数値の跳ね上がりの原因は解明されたのか?水位計
は?
A:H4エリア周辺における地下水分析結果。ウェルポイントの汲み上げの効果
があり、再開して現在も続けている。地下水バイパス実施後も継続する。
当初、1000トンタンク5個連結で受け入れタンクのみに水位計設置。不十分
で11月全部に設置。警報の確認には行ったが、確認が不十分で目視するべき箇
所を確認しなかった。
地下水バイパスは 地下水であって汚染水ではない、トリチウム1500Bq/Lの
目標値とした。国の濃度基準の6万Bq/Lより十分低い。セシウムはいベクレル
との基準値を決めるに当たって、周囲の河川と同等濃度とした。トリチウムに
関しては、河川レベルとは関係ない。
Q:周辺河川と同等なら熊川の数値は幾つか?分析しているのか?放出規制は、
総量規制でないと意味がない。
A:地下水バイパスでの放出の最大値が放出されると仮定して、トリチウムは年
間量を計算し 0.5兆Bqで、事故前の年間2兆Bqよりずっと少ない。熊川の分析は
していない。
Q:地下水バイパスで汲み上げた水が汚染水でないなら、東電本社や他電力会社
で使用しては?福島の海に流してもらいたくない。汲み上げ水を運んで、東京
で使ってはどうか?
Q:場当たり的対策で、信頼性獲得には程遠い。放出は、総量で捉えるべき。
全フランジ型の検出検査をやっていないので、全容を把握しようがない。
21日確定ではないと言っているが、早期に説明会の開催を求める。地下水バイ
パスの水は、放出せずに東電による利用計画を求める。
A:県議会には説明している。公開して広く説明し、漁業関係者には厚く説明し
ている。
Q:海は人のものだけではない。生命の源である海を冒涜するものであり、考え
方そのものがまずい。放出前に市民説明会をしてほしい。
A:市民説明会は考えていない。去年、福島市といわき市で既に開催した。
(注*国の主催、東電ではない)
Q:凍土壁は、東電監視委の元NRC委員長からも疑問視されているが、あの技
術は通用するのか? 巨額の経費にみあうのか?凍土壁に失敗したら、誰が責任
を取るのか?
A:失敗とは何を想定しているか? 地盤も沈まないと思っている。
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東京電力への要請・抗議のメール、ファクスは下記宛先になります。
(「地下水バイパス」が実施されないよう急ぎお願い致します。)
下記「要請書」でも、オリジナルの抗議文でも、よろしくお願いいたします。
メール:genshiryoku-center@tepco.co.jp
FAX:03− 3596-8539
「要請書」に賛同頂ける団体は、5月19日(月)12:00までに下記宛先に、
メールまたはファックスで連絡をお願いいたします。5月20日に「要請書」
とともに団体名を公表させていただきます。
件名に【ストップ汚染水・賛同】と明記の上、賛同団体名と団体の所在都
道府県名をお知らせください。
メール送り先:stop.osensui@gmail.com
FAX送り先:03-3357-3801(原子力資料情報室:担当・澤井)
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要 請 書
東京電力株式会社
代表執行役社長 廣瀬直巳 様
2014年5月20日
母なる海への「地下水バイパス」という
意図的な放射能汚染水の放出を中止してください。
福島第一原子力発電所の過酷事故は、3年以上の年月を経ても収束の見通しもなく、
大量の放射性物質が環境中へ放出されています。このような状況での中で、報道によ
れば、東京電力が「地下水バイパス」を5月21日にも実施する旨、伝えられています。
私たちは、この「地下水バイパス」が放射能を含み汚染された地下水である可能性が
高いことから、決して外洋に放出することは許されないと考え、その実施中止を求め
ます。
福島第一原子力発電所では、1〜3号機の溶融した核燃料の所在もいまだにわから
ず、ただ冷却水を注入する作業が3年間行われてきました。そのために大量の高濃度
汚染水が発生し、鋼板をボルトで固定しただけのフランジ型タンクに貯蔵されていま
した。昨年夏以降これら複数のタンクから数百トンの汚染水が漏洩し最大で1800ミリ
シーベルト/hという非常に高い汚染が確認されています。福島第一原発事故は国際原
子力事象評価尺度ですでに「レベル7(深刻な事故)」、人類史上最悪の原発事故と
評価されています。東京電力は、その同じサイトで新たに「レベル3(重大な異常事
象)」とされるような汚染事故を重ねて起こしているのです。「地下水バイパス」に
よって放出される地下水は、フランジ型汚染水貯蔵タンクの近傍・下流に位置してい
る12本の観測井戸からくみ上げられたもので、漏洩した高濃度汚染水による汚染の可
能性が非常に高いと考えられます。
「地下水バイパス」という言葉も、事実を隠しています。実際、東京電力自身が設
定している「地下水バイパス」の運用目標でも、1リットル当たりセシウム134は1
ベクレル、セシウム137が1ベクレル、ストロンチウム等全βが5ベクレル、そして
トリチウムは1500ベクレルという値が設定されており、けっして汚染のない地下水
ではなく、汚染されていることが前提になっています。さらにこのような放出がいつ
まで、どのくらいの量が放出されるのか、全体像は一切明らかになっていません。
このような濃度だけの基準では、いくらでも大量の放射能を放出することが可能にな
り、特にトリチウムは1500ベクレルという高い値でこのような汚染水が放出されるこ
とは、また新たな国際問題に発展する懸念もあります。
福島第一原子力発電所の沖合、そして東北地方沖合の三陸沖は、世界三大漁場とい
われる豊かな海です。この海の恵みは日本国民の宝であり、さらにこの恵みによって
生きる漁業関係者等の生活の場でもあります。東北の真の復興を願う多くの人々にと
っても、「地下水バイパス」というこれ以上の放射能汚染水の放出は、その願いを打
ち砕きかねません。私たちは、このような「地下水バイパス」の実施を中止するよう、
重ねて強く要請いたします。
賛同団体名○○○○、
以上○○団体
連絡先:「脱原発福島ネットワーク」
いわき市鹿島町久保字於振1-2
TEL:0246-58-5570
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以上、転載
太田光征
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