2014年02月05日

小泉・細川氏は脱原発を実現できるか

-------- Original Message --------
Date: Thu, 23 Jan 2014 22:40:36 +0900 (JST)

阿部です

「脱原発は宇都宮さんではなく誰が実現しても良いじゃないか」「小泉さんも細川さんも本気で脱原発を考えているのじゃないか」という意見に対する、私の考えです。


細川氏と小泉氏は、原発の是非が選挙の最大の争点だという。しかしお二人が真に脱原発を目指しているなら、その圧倒的な知名度を活かして宇都宮氏の支援を表明し、活発な選挙活動を展開すれば、例え相手が自公や連合の支援を受ける強力な桝添氏でも、勝てる可能性が出てきただろう。革新・市民派の宇都宮氏を保守の小泉・細川氏が支援するという意外さも話題を呼んで、宇都宮氏の陣営は大いに活気づき、盛り上がったに違いない。仮に宇都宮氏が負けても、脱原発の流れは格段に強化され、国政を決定的に動かす力になっただろうし、もし宇都宮氏が勝ったとすれば、原発ゼロは圧倒的に揺るぎないものになっただろう。

しかし、細川氏や小泉氏は、そうはしなかった。宇都宮氏に対抗し、宇都宮氏をつぶす形で、細川氏の立候補を決めた。何故なのか。

それは、小泉氏や細川氏の狙っているものが、単純に脱原発というわけではないからだ。彼らが試みているのは、安倍晋三氏が牛耳る今の自民党への異議申し立てであり、安倍自民党に対置する形で別の保守政治勢力を打ち立てんとする行動だ。アンチ安倍自民党の新しい保守政党を立ち上げることが、小泉・細川氏らの真の目的なのであり、脱原発のスローガンは、その手段として活用されているに過ぎない。

もちろん、小泉・細川氏が脱原発を望んでいないというわけではないだろうが、彼らはその経済的・社会的・政治的な深刻な意義、加えて歴史的な意味について、深く理解できているわけではない。彼らは、資本家政府の手の中にある様々な政策的選択肢の中のひとつとして、原発から他の発電方法への転換を考えているに過ぎない。

それだけでも大したものではないか。たとえ無自覚にではあれ、彼らが脱原発を実現したとすれば、そのことの社会変革的な影響は彼らの思惑を越えて波及するのだからやらせて見れば良いではないか、という者がいるかも知れない。

しかし、そもそも、小泉・細川氏らが脱原発を実現する戦略や能力を持っていると想定すること自体が現実的ではなく、まったくもって甘すぎる見通しといわざるを得ない。それは、「コンクリートから人へ」「生活が第1」「最低でも県外移設」と言った鳩山・菅・野田氏の民主党政権が、そのスローガンとは全く真逆の政策へと行き着かざるを得なかったのと同様に、早晩、挫折せざるを得ない。

何故そう断言できるのか。それは、小泉・細川の政治運動は、かつての鳩山・菅・野田氏の民主党政治と全く同じ構造を持っているからだ。民主党政権は、本気で「コンクリートから人へ」「生活が第1」「最低でも県外に」を実現しようとするならば、何よりも日本の民衆の運動、労働者・市民の力に依拠しなければならなかった。それらのスローガン実現の前に立ちはだかる財界、官僚、米国の巨大な力に対抗し、それらを押し返す力は、強力な民衆の運動の中にしか存在しないにもかかわらず、民主党政権は逆に財界や官僚や米国に擦り寄った。

何故そうなったか。もともと民主党という政党自体が、民衆の運動から疎遠であり、むしろそれに敵対してきた政党だったからだ。「コンクリートから人へ」「生活が第1」「最低でも県外」を本気で実現しようとすれば、ひとりの湯浅誠ではなく100人、1000人の湯浅誠や鴨ももよや山城博治等々の党派を超えた民衆を代表する人々の力を政府内に取り込み、その背後にいる巨万の自覚した民衆の力を主体としつつ、そして民衆の声を自らの声とすることができる各分野の専門家たちの力を結集しつつ、財界、官僚、米国に力に立ち向かう戦略を持たなければならなかったにもかかわらず、彼らにはその選択肢は最初から存在しなかった。

小泉・細川連合も、その意味では全く同じ構造を持っており、したがって同じ運命をたどらざるを得ない。脱原発を実現するとか、世の中を大きく変えるということは、一握りの政治家はもちろん、たとえ数百人の国会議員と言えども、それだけの力で実現できることではないという真実に気づくべきである。

「渇しても、盗泉の水は飲んではいけない」
私の古い友人が今度の都知事選を評して述べた言葉を結びとする。

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以上、転載

太田光征
posted by 風の人 at 19:05 | Comment(1) | TrackBack(0) | 一般
この記事へのコメント
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Posted by 那梨 at 2014年02月09日 12:35
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