小泉氏が安倍政権を苦しめている(ようにみえる)ことは、政権を危険視する我々にとっては蜜の味だ。飛びつきたくなるのが人情。だが、小泉氏が本気で安倍自民と対決したいならなぜ離党しない?以前も「自民党をぶっ壊す」と言いながら自民に留まり自民を強化した。あのときも一点突破。共通点は多い。
小泉氏が自民党内野党みたいなのを立ち上げて対立の構図を作ると、みんなの興味関心がそっちに移ってしまって、自民対(ホントの)野党という構図がかすんじゃうんですよ。今回宇都宮さんが割をくってるのはその原理。で、自民対自民で闘えば、どっちが勝っても自民の勝利。負けるはずがない。
実際、自民党の古賀誠元幹事長が興味深いコメントをしている。
「小泉元首相の脱原発論は支持率低下の時の仕込みで、安倍晋三首相への一つの助け舟だ。対立ではなく『新師弟関係』だとみている」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131221/stt13122113170005-n1.htm
ツイッターにこう書いたら、安倍昭恵の「家庭内野党」も同じ原理ではないかとの指摘があった。そう、それですよ。
舛添vs細川・小泉連合の構図を、自民vs脱原発派ととらえるのではなく、自民vs自民(実際、小泉氏は自民党員)ととらえると、イメージが物凄く変わってくる。実は後者に近いのではないか。そんな気がしてきた。少なくとも郵政選挙での小泉氏のやりくちは後者だった。
いま小泉氏に熱を上げているのは脱原発派であり、自民党支持者ではない。つまり、よくよく考えると、小泉氏は自民党支持者ではない人の力を借りて、自民党を勝たそうとしているともいえる。すくなくとも郵政選挙ではそういう曲芸を成功させた。
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以上、転載
太田光征
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