2013年09月15日

シリア化学兵器――イスラエル軍によるシリア軍の通信傍受では、シリア部隊がミサイルの発射を否定

9月29日付デイリーコーラー「戦争の犬たちを解き放つ前に化学兵器の使用を証明せよ」の抜粋訳・解説

Verify chemical weapons use before unleashing the dogs of war | The Daily Caller
http://dailycaller.com/2013/08/29/verify-chemical-weapons-use-before-unleashing-the-dogs-of-war/

筆者はイラン民主主義財団のケネス・ティンマーマン会長。

米国、英国、フランス、イスラエル、ヨルダンで軍のトップを務めた前当局者らによれば、イスラエルのユニット8200電子諜報隊によって傍受されたシリア軍の通信は、オリジナルの報告とは真逆の結論に誘導するよう、改ざんされている。

改ざんされた報告書によれば、アサドの弟であるマヘル・アサドが率いるシリア陸軍第4装甲師団第155旅団が化学兵器攻撃を実行したとされる。

ユニット8200は、第4装甲師団第155旅団に所属するロケット部隊を率いる少佐と参謀の間の通信を傍受した。参謀将校は少佐に化学兵器攻撃を実行したのかと質問。会話の調子から、「シリア軍参謀が自分らの指示に公然と抗って155旅団が承認されていない攻撃を行ったとパニックになり、正気を失っていた」ことが明らかである、と同前当局者が語っている。

ユニット8200のオリジナルレポートによれば、少佐は「熱くなってミサイルを1基も発射していないと否定」し、参謀が来て、兵器がすべて現存することを点検してほしいと要請した。

同レポートの末尾には、この少佐がシリア諜報当局から3日間にわたって尋問を受け、その後で部隊の指揮の任に戻されたことが記されている。レポートは「少佐の武器すべての所在が確認された」と述べている。

エジプト諜報当局の報告書は、トルコ、カタールの軍諜報当局者とシリア反政府勢力の間の会合がトルコで開催されたと書いている。参加者の1人は、「8月21日に状況を一変させる出来事があり、それによって米国が(シリア政府に対して)爆撃攻撃に踏み切るだろう」と語った。

反政府勢力が支配しているMoudhamiyaで化学兵器攻撃が起こったのは、8月21日であった。この報告書に通じた情報筋は、「エジプトの軍諜報当局は、これはトルコ、カタール、反政府勢力が組んだ偽旗作戦であったと主張している」と語っている。 

ホワイトハウスは事実の独立調査を止めさせるために労を惜しまなかった。

国連調査団が8月21日にダマスカスにいた時にMoudhamiyaの攻撃が起こり、そこで調査団は先に起こっていたとされる化学兵器攻撃の現場に行く許可をシリア政府から待っているところだった。

Moudhamiya攻撃の話が広まると、調査団は先の攻撃ではなく、新たに起こった攻撃の調査に切り替える計画だと発表したが、ホワイトハウスは事実の収集から手を引くよう、国連に要求した。

8月28日付ウォール・ストリート・ジャーナル(http://goo.gl/lsIgQc)によれば、政府高官は国連の潘基文事務総長に、「調査団の任務は要領を得ておらず、もはや安全ではない」と話した(注:事務総長は任務の継続を命じた)。

調査団は8月26日にMouadhamiyaへ行き、被害者の調査を試みたが、ダマスカス郊外の政府軍地域と反政府軍地域の間にある緩衝地帯で狙撃を受け、引き返した。銃弾を受けた装甲車を取り換えてMouadhamiyaに乗り込み、反政府軍が用意した被害者を急いで調査した。

記事ではほかに、ラクダール・ブラヒミ国連シリア特使の発言(http://goo.gl/VrKQXu)や、カルラ・デル・ポンテ国連シリア化学兵器調査官の次のような発言を紹介している。

国連シリア化学兵器調査団のカルラ・デル・ポンテ調査官の証言「(3月のアレッポでの攻撃について)私は最初の証拠に少し茫然としました。それらは神経ガスが反政府勢力によって使用されたことに関するものだったのです。」 5月6日付BBC http://goo.gl/mpcI3

太田光征
posted by 風の人 at 19:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | シリア
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