2013年02月16日

福島からのメッセージ

みなさま
山梨の久松です。福島の原発事故も2年目を向かえ、また最近は、尖閣、竹島、北朝鮮の核実験と
近隣諸国との国際情勢に翻弄され、なかなか福島からの声が、全国に届かなくなりがちに
感じています。そこで、福島の二本松に住まわれているあろしゅんすけさんという友人のメセーージを全国の人にも
読んでもらおうと、ご本人の了承を得て、発信したく思いました。
多くの人に読んでもらい、福島の状況を身近に感じてくれる人が、増えることを
心から願っています。                 久松拝
以下転載・・・・・・
2年目の忌まわしい記念日、3.11が近づいてきました。
自主避難地域に住む被爆者のひとりとして、現況報告をかねてメッセージを起草しました。

できればなるべく多くの方に読んでいただきたいと思います。

尚、14日次の新聞報道がありました。
「子どもの甲状腺癌2人が確定(合計3人となった)。7人に癌の疑いがある。
 県立医大は原発事故の影響を否定するコメントを出した」
医大のコメントは医師、科学者としての資質を疑いたくなるようなものです。
福島県民の健康と命がこのような人たちに委ねられていることは許せません。

以下メッセージです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2013年 3・11メッセージ ・・・・(福島県二本松市:あらおしゅんすけ)


福島第一原発事故から2年を迎えます
福島に関心と支援を寄せ続け、脱原発運動をしている皆さんに心より敬意と感謝の意を表します。
なぜなら、福島はチエルノブイリやスリーマイルに学ばなかったため、今同じような苦しみを味わっているからです。
このような不幸はもう私たちだけにして欲しいと願っているからです。

福島では事故があった原子炉からは今も大気中や海に放射能が流出していますし、
4号機の使用済み燃料プールはリスクを抱えたままです。沢山の原発労働者が被曝しながら
困難な収束作業を行っています。2011年12月の野田首相の福島原発収束宣言を妥当なものだと
考える人はほとんどいないでしょう。
また、この原発事故は市民の告訴団により告発されていますが、未だに東電や国の刑事責任は問われておりません。
16万人を越える避難者が、全く先の見えない不自由な避難生活を強いられております。

避難地区の一部に、年間線量20msv以下になったということで、帰宅させようとしていますが、
多くの子供や母親たちが戻らないのは当然のことです。

私たち約100万人が住む福島県の中通りと言われる福島市、二本松市、郡山市などの地域でも
極めてリスクの高い被曝実験が行われているといわざるを得ません。
我々の街を訪れる人は、ここが原発事故に巻き込まれた地域、チエルノブイリなら自主避難地域とされたような
放射能汚染地域なのかと疑いたくなるような光景を目にして驚く事でしょう。なぜなら人々や街の表情は、
一見平静で全国のどこの街とも変わりないからです。
しかし、線量計を持って注意深く観察するとすれば、そこは紛れもなく放射能汚染地であり、
除染もさほど効果が無いことを確認できるでしょう。

ちなみに二本松市の私の周辺での1時間当りの空間放射線量は舗装道路では
0.3μsv(マイクロシーベルト)前後ですが、その道路脇では0.7から1.0近い値です。

公園の芝生でも未だに1μsvのところがありますし、市内の住環境の中で2とか3μsv以上の場所を
見つけ出す事はさほど困難ではないのです。
文科省のモニタリングポストはほぼ1年半にわたって、実態より10%も低い値を示していたのですが、
現在でも我々の生活環境の放射能を適正に示しているとは言えません。
復興・再生の名の下に、国や県はマスコミを総動員して、福島の安全安心を
人々に刷りこんでいると多くの人は感じています。
人々の心の内を覗ける人は、そこには、見ることも感じる事もできない、
しかも直ちに影響がない放射能に慣れさせられ、また国や県に対する不信感のため、
放射能問題の抜本的解決をあきらめかけている気持ちを見て取れるかもしれません。

低線量長期被曝が人間の健康に与える影響について、人類はこの半世紀以上にわたって、

多くの犠牲を払いながらそのリスクの存在を確認してきたはずです。それにもかかわらず、
IAEAや国はそれを認めようとせず、リスク情報の開示もしていません。
市民の不信感・不安を増した象徴的なことに、福島県県民健康管理調査検討委員会で
事前秘密会がもたれたことや、こどもの甲状腺の異常に対する不適切な対応があります。

除染に関しては、多くの予算がつぎ込まれていますが、市内の個人住宅の除染の進捗状況は
やっと20~30%であり、その効果もあまり期待できるものではないというのがおおかたの見方です。
また、賠償問題についていえば、東電の態度に誠意が見られないと多くの人が指摘しています。

さて、我々が望む必要最低の事は、次のようなことです。
低線量長期被曝が抱える健康リスクなどについて真実を伝える事、こどもや若い女性に積極的な
避難・保養をサポートする事、定期的に線量を測定し、ホットスポットを含めて情報を開示すること。
被爆者手帳を配布し健康管理を続ける事。
これら人権を尊重し「原発事故こども・被災者支援法」の中身を充実させることです。

このようなごく当たり前のことが行われることを切望しなければならないフクシマの現実にも
御注目いただければ有難いと思います。

フクシマ3.11の原発事故は世界原子力村の戦略により、事故直後から事故を過少化し、

忘れさせようとされています。しかし、実態を再確認して真実を知ることこそが、
核に怯える事のない平和な地球を未来の子供達に渡す道に通じるものと思います。
「チエルノブイリは人類に対する最後の警告」と言われましたが、その警告を生かせなかった我々は
今何をすべきなのか、何ができるのか、真剣に考えようではありませんか。

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以上、転載

太田光征
posted by 風の人 at 17:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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