2012年09月28日

「慰安婦制度」は日本軍が作ったことを示す証拠のごく一例:「慰安婦問題」ネトウヨに騙された方との往復メール

長い文章ですが、赤字部分に目を通してください。

-----------------

皆様
こんばんは。犯罪都教委&1・5悪都議と、断固、闘う増田です! これはBCCでお送りしています。重複・超長文!? ご容赦を!

 「慰安婦問題」について、「ネトウヨら」に騙された方がいらっしゃったので、「慰安婦=日本軍性奴隷制度の被害者」に関して、「ネトウヨ紹介の史料から、確実に言える歴史事実」を紹介しました。

 こういう、○○さんのようなまじめな方・・・だと思いますけど・・・も、「ネトウヨら」の「ウソも百回言えば事実になる」に、引っかかってしまわれるのだなぁ、と、ため息・・・彼らの目的は、一定程度(であることを祈るしかにのですが)、成功しているんですねぇ・・・

 
*********************************
<○○さんから、増田へ>
 いつも諸問題を紹介ありがとうございます。

 慰安婦問題について、中曽根らが関与していたと自らほのめかしていたことから、軍が関与していたのは疑いないのですが、ネトウヨらは、韓国が自ら招集していたという物証も示し、日本軍が関与していた訳ではないという主張。

(彼らが引用している画像がまとまっているサイト
http://s.webry.info/sp/14819219.at.webry.info/201111/article_7.html

それぞれの事象発生年月を追う気があまりしないのですが、

私の勝手な推論:
・当初は日本軍が関与していた。
・待遇を丁寧にしていた。
・韓国の人が関与するようになってきて、日本軍が手を引くようになった。
・待遇が悪化してきた。

ということ、ではないでしょうか?

<増田から ○○さんへ>
> 彼らが引用している画像がまとまっているサイト
> http://s.webry.info/sp/14819219.at.webry.info/201111/article_7.htm
>
 見てみましたけど、この、どこにも
「韓国が自ら(※慰安婦を)招集していたという物証」は見当たらないのですけど・・・

 もしかして、「民間人の慰安婦募集広告」と、ネトウヨが銘打っているもの・・・のことでしょうか? アホウヨと言われるだけあって、資料を示す際の常識である出典が示せないのは仕方ないと思いますけど、これは、右側(「急募」ってヤツ)が、朝鮮総督府のハングル語機関紙である『毎日新報』に載せられたもので、左側が朝鮮総督府の日本語機関紙である『京城新報』に載せられたものです。

 ウィキによれば、『京城日報』は「日本人を含め親日派とされていた人物達は、主に京城日報を購読していたという分析もある。」というシロモノです。ハングルの方の『毎日新報』だって同じでしょう。

 朝鮮総督府の機関紙に載せられた「軍慰安婦募集広告」・・・○○さん、これが何を意味するかお分かりになりませんか? これから分かることは、

@朝鮮総督府=日本政府の支持・許可(もちろん、文書はなく黙認)の下に、「日本軍慰安婦募集」の広告が出されている。しかも「慰安婦」が「売春婦」を意味するとは書いていない。

A、当時の植民地朝鮮ではハングルでさえ読めない貧しい人が多かったのであり、ハングルにしろ、日本語にしろ、朝鮮総督府の機関紙を購読して、それが読める、という階層は「慰安婦」被害女性たちとは無縁の階層であり、まして「17歳以上30歳迄」「17歳以上23歳迄」の若い朝鮮人女性たちが、これを読んで「募集」に応じる、なんてことは、当時の植民地朝鮮では、まず有り得ないっ!?

B朝鮮総督府の機関紙に載せられた広告を見て、「おっ、これは、儲け仕事になる」とか思って、「17歳以上23歳迄」「17歳以上30歳迄」の若い女性たちを集めた「業者」は、たとえば村長(面長)ぐらい以上の新聞を購読できる階層であり、『毎日新報』の広告は韓国人業者で、『京城新報』の広告の方は「今井紹介所」とあって、こちらは明らかに日本人業者であり、日本軍の指示下での韓国人業者、日本人業者とも若い朝鮮人女性を「高額なカネ」で釣って「軍慰安婦=性奴隷」としようとしていたことが明らかである。

C当時でも、日本政府は「醜業婦女売買禁止国際条約」(1910)や「婦人及び児童の売買禁止に関する国際条約」(1921)に加盟しており、 これらの条約では、婦女子に対する暴力、脅迫、詐欺による売春の強制や未成年に対する勧誘は「本人の承諾を得たるときと雖」「罰せられるべし」としているので・・・当時、成年は21歳・・・朝鮮総督府は、本来、こんな「広告」は拒否し、国際条約違反の犯罪・人権侵害として、これらの業者を取り締まる立場にあったのに、黙認した。ということは、朝鮮総督府は「慰安婦=性奴隷」犯罪に加担していたのである。

 以上が、ネトウヨが「韓国政府が自爆したポスターに使われている民間人の慰安婦募集広告」というものから、分かる「日本軍慰安婦=日本軍性奴隷」犯罪の紛れもなき「物証」です。どっちが「自爆」してんだか(笑)・・・

―――――――――――――――――――――――――――――
 では、2点目、○○さんが書かれていた「慰安婦問題について、中曽根らが関与していたと自らほのめかしていたことから、軍が関与していたのは疑いない」ですけど、こんなもんは、その「関与」なんて生易しいものではない、日本軍が作り上げた「性奴隷犯罪=慰安婦制度」システムのウンザリするほどたくさんある証拠の、ほんの一例にすぎません。

 ○○さんは、私がMLに紹介していたアジア女性基金HPにある、ウンザリするほどたくさんの証拠文書に、全く目を通していらっしゃいませんね? 私は、この「基金」に全く反対ですけど、文書庫はたいへん、役立ちますから、ぜひ、目を通してみてください。http://awf.or.jp/pdf/0051_2.pdf 

@「性奴隷犯罪=慰安婦制度」システムは日本軍が作り、大日本帝国政府は全面的に協力した。その証拠の一例を上記「基金」HPから挙げます。

『岡村寧次大将資料第一 戦場回想編』1970年、302-303頁

「昔の戦役時代には慰安婦などは無かったものである。斯く申す私は恥かしながら慰安婦案の創設者である。昭和七年の上海事変のとき二、三の強姦罪が発生したので、派遣軍参謀副長であった私は、同地海軍に倣い、長崎県知事に要請して慰安婦団を招き、その後全く強姦罪が止んだので喜んだものである。

 現在の各兵団は、殆んどみな慰安婦団を随行し、兵站の一分隊となっている有様である。第六師団の如きは慰安婦団を同行しながら、強姦罪は跡を絶たない有様である。」

 岡村の部下であった岡部直三郎上海派遣軍高級参謀も慰安所の組織化に働いた。証拠は岡部直三郎が北支那方面軍参謀長として1938年(昭和13年)6月に出した通牒「速二性的慰安ノ設備ヲ整ヘ」(もちろん、その必要性を簡潔ながら丁寧に述べています)があります。

○○さん、おわかりでしょうか?
 「軍が関与していた」なんてもんではありません。日本軍が、「慰安婦」犯罪システムを作ったのです。「慰安所」は「兵站の一分隊」であり、兵站条項(陸軍慰安所は酒保の附属施設)の中に書いてあります。

●「野戦酒保規程」
第一条 野戦酒保ハ戦地又ハ事変地ニ於テ軍人軍属其ノ他特ニ従軍ヲ許サレタル者ニ必要ナル日用品飲食物等ヲ正確且廉価ニ販売スルヲ目的トス
   野戦酒保ニ於テ前項ノ外必要ナル慰安施設ヲナスコトヲ得

A慰安所=性奴隷レイプセンター設置を決定した日本軍は、そのために「慰安婦」集めをしなければなりません。しかし、日本内地、植民地朝鮮において、日本軍が前面に立って「慰安婦集め=慰安婦狩り」をすることは絶対に避けなければなりません。「軍の威信」に関わりますから・・・そこで、「民間業者」に集めさせたので、上記、その「慰安婦募集広告」も出されることになったのです。

 ○○さん御紹介のネトウヨの書いたものでは「この(※吉見義明さんが発見した)資料はよく読んでみる と、日本国内で慰安婦を斡旋する業者が人さらい紛いのことをしているが、それ は『軍の威信』に関わるから業者の選定を厳しくせよ、という『業者を取り締まる』内容です。」なんて、得意げになって「自爆」しています。もちろん、「自爆」している自覚は全く無いことは、上記「慰安婦募集広告」と同様ですけど・・・

 この通牒案の第一行が「(日本軍が)支那事変ニ於ケル慰安所設置ノ為」と書いてあることが、このネトウヨには見えていないんですね。要するにフシアナの目を持つのがアホウヨと言われる連中ですからねぇ・・・

 それから、続けて「内地ニ於テ之カ従業婦等ヲ募集ニ当リ故サラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ」とあるのですよ!

○○さん、お分かりですか? ここから分かることは
@「慰安婦=性奴隷犯罪被害者」募集に当り「軍部諒解」している、ことを、軍部は認めている・・・当然ですけど・・・「故サラニ」それを「利用シ」が困る、ってこと。あんまり大っぴらにやったから「『軍の威信』に関わ」ったじゃないかっ!? ってわけ。

A従って、この通牒は慰安婦=慰安所システムを巧く回すために、日本軍が「(もっと巧くやれる)業者の選定を厳しくせよ、という『業者を取り締まる』内容」であって、「性奴隷犯罪=慰安婦制度」システムは日本軍が作り、「慰安婦=性奴隷犯罪被害者」を大量に生産したのは日本軍である、という紛れもない「物証」である。
―――――――――――――――――――――
○○さん、お分かりいただけたでしょうか?

 日本軍=大日本帝国政府は、前記した醜業婦女売買禁止国際条約(1910年)、婦女売買禁止条約(1925年)や、強制労働条約(1932年)等の国際条約に違反する性犯罪、また、国内法における就業詐欺、略取誘拐罪、監禁罪、拷問罪、暴行罪、脅迫罪、傷害罪、殺人罪、終戦後の置き去り(保護責任者遺棄罪かな?)等々、数々の言語に絶する「慰安婦=性奴隷」犯罪の主犯であり、「民間業者」は従犯に過ぎないのです。

 したがって、○○さんの「勝手な推論:

・当初は日本軍が関与していた。
・待遇を丁寧にしていた。
・韓国の人が関与するようになってきて、日本軍が手を引くようになった。
・待遇が悪化してきた。」

は、全く歴史事実に存在しない、完璧に誤った「推論」なのです。

 「待遇問題」に関しては、設置されたそれぞれの慰安所の状況に応じて、さほどの虐待をしなかった・・・程度問題で、傷害・拷問まではしなかったということ・・・ところもあるようです。たとえば海軍が太平洋の島々に設置した慰安所などは、商品である「慰安婦」の補給は至難ですから、商品を虐待しては商品が減り過ぎると「店」を運営できませんから、虐待はそうでもなかった(程度問題で)と言われています。でも、供給先に近い、東アジア・東南アジア地域の慰安婦虐待は、本当に目を覆いたくなるほどのものだったようですよ。

-----------------

以上、転載

太田光征
posted by 風の人 at 00:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 従軍慰安婦・脱差別
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック