2012年07月07日

《国会事故調、「調査の対象外」こそ市民の課題》

みなさまへ    (BCCにて) 松元

《国会事故調、「調査の対象外」こそ市民の課題》

今回の事故は、「歴代および当時の 政府、規制当局、東京電力に責任感の欠如があり人災」と断定した「国会事故調」の報告書がすでに各方面で評価されている。

しかし、以下の項目は「当委員会で 扱わなかった事項」として「今回の調査の対象外」と外されている。(以下要旨)

1、 原 発の推進あるいは廃止(日本のエネルギー政策について)

2、 使 用済み核燃料の処理と処分について

3、 事 故現場の検証(線量が高くて実施検証できない)

4、 賠 償、除染などの事故処理費用

5、 事 故処理費用負担の責任の所在

6、 原 発事業に対するガバナンス機能

7、 個々 の原発の再稼動について

8、 原 発事業の政策、制度にかんする行政府が行うべき設計について

9、 事 故後の原子炉状況の把握。廃炉のプロセス。原発周辺地域の再生について。

10、 略



国会事故調の委員長黒川 清氏は、その「あいさつ」で次のように抱負を語っていた。

『本委員会のキーワードは3つ。「国民」「未来」「世界」。本委員会の使命は、第1に、「国民による事故調査」、第2に、「未来に向けた提言」、 第3に、「世界の中の日本という視点(日本の世界への責任)」である。』

し かし、第1の「国民による事故調査」に向けて大きな足掛かりを築いたと評価しても、上記の「対象外事項」をみると、とても未来や世界に向 けた提言とはなり えないことは一目瞭然であろう。圧倒的に多くの市民がもつ不安や懸念は、まさにこの「対象外」の検証にこそ期待されるのだから。

報告書は、「組織的制度的な責任感の欠如による人災」であると定義したものの、責任者と責任組織を絞り込むことはせ ず、原発存続の枠内での「見直し」提言にすぎない。

核兵器(安全保障)と密接に結びついた原子力(核)産業を、ヒロシマ、ナガサキを経験した地震国日本で存続させるか どうかは、やはり市民の課題であるほかない。脱原発をめざす「再稼動反対」の市民の声はもっと先を行っている。



■国会事故調の報告書サイト

http://www.naiic.jp/blog/2012/07/05/%e3%80%90new%e3%80%91%e5%9b%bd%e4%bc%9a%e4%ba%8b%e6%95%85%e8%aa%bf%e3%80%80%e5%a0%b1%e5%91%8a%e6%9b%b8%e3%81%8c%e5%85%ac%e8%a1%a8%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%e3%80%82%e3%83%80/

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以上、転載

太田光征
posted by 風の人 at 02:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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