2012年06月02日

セシウム137は何年後まで残るか(オーストリアの例)/セシウム137は甲状腺・副腎に蓄積しやすい

4年間での人体におけるセシウム濃度 : 小児科医の放射性物質に関する覚え書き
http://blog.livedoor.jp/bug_and_flowers/archives/1222773.html
Radiocesium levels in humans over a four-year period.
http://jnm.snmjournals.org/content/32/8/1491.full.pdf+html
J Nucl Med. 1991 Aug;32(8):1491-5.
Rabitsch H, Feenstra O, Kahr G.

1986年7月から1990年6月にかけてオーストリアのグラーツで行われた法医学的解剖で、筋組織300例の放射能が測定された。死亡時の年齢は21〜86歳。グラーツの土壌のCs137汚染は2.5〜3.5万Bq/m^2で、千葉県東葛地域の1万〜6万Bq/m^2(2011年9月、文科省)と重なる。筋組織のCs137濃度は急に立ち上がり、87年の約100 Bq/kgをピークに減少するが、90年でも約10 Bq/kg(バンダジェスフスキーによれば子どもの心電図異常が現れるレベル)が残っている。天然の放射性核種K40は約100 Bq/kgで一定だった。

小児の各臓器における慢性的なセシウム137の取り込み : 小児科医の放射性物質に関する覚え書き
http://blog.livedoor.jp/bug_and_flowers/archives/839102.html
Chronic Cs-137 incorporation in children’s organ
http://www.smw.ch/docs/pdf200x/2003/35/smw-10226.pdf
Swiss Med Wkly 2003;133:488-490
Y. I. Bandazhevsky

Cs137濃度は乳児>小児>成人の順に高い。乳児では<死因ないし個人>によって各臓器へのCs137分布は一様でない。

心疾患で死亡した乳児でCs137の蓄積濃度が1番高かった臓器は副腎であった(表1)。10歳までの小児の平均でもCs137の蓄積濃度が1番高かったのが甲状腺で、その次が副腎であった(表2)。

死後摘出した臓器は生きている状態とは異なり、セシウムが臓器細胞から移動する可能性があるので、死後の測定は生きている状態を反映していない可能性があると、東北大の岡山博先生は指摘しているが、大きくは外れないだろう。

岡山博 セシウム放射線内部被曝とカリウム(少し詳しい解説、その1)
http://hirookay.blog.fc2.com/blog-entry-14.html

Cs137がK40と同じ挙動をするとの仮定は採用できない。

東大病院放射線治療チーム ‏@team_nakagawa
https://twitter.com/team_nakagawa/status/166315089220210689
「一方、放射性セシウムでは、有機水銀のような「生物濃縮」はほぼ起きません。セシウムは、カリウムに近い「アルカリ金属」です。体内に取り込まれると、カリウムと同じように全身の細胞へほぼ均等に分布し、尿に排泄されていきます。これは、福島県内で安楽死となった家畜の分析でも確認されています。」

太田光征
タグ:セシウム
posted by 風の人 at 18:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 放射線による健康被害
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