2012年02月22日

2012年2月21日の原子力安全委員会「ストレステスト」検討会報告

何なんでしょうか、これらが委員から出た質問だということです。

 1.マイプラント意識
 2.技術的背景
 3.共通原因故障、従属要因故障の同定、防止
 4.成功パスの頑健性
 5.シナリオ固定の頑健性
 6.可搬施設による対処の考え方
 7.経過措置の頑健性

太田光征



みなさまへ(転載転送歓迎)

本日行われた原子力安全委員会の大飯3・4号機のストレステスト審査についての検討会の第1回会合を傍聴してきました。

傍聴前に会場の合同庁舎前で大飯原発再稼動NO!の横断幕を広げてマイクアピール、グリーンピースも「でらため」のでか横断幕でアピールをしていました。昨日に班目委員長が、ストレステスト一次評価では安全上不十分との記者会見を行ったことから、ピエロにならないよう保安院の審査書を突き返せ!、最後くらいかっこつけろ!などとアピールしました。

先着順で整理券が配られ、100名ほどが番号がふられた傍聴席につきました。班目委員長の開会宣言、資料の紹介、委員の紹介、趣旨があって、保安院から審査書の説明に移りました。冒頭に昨日の記者会見の内容について触れるのかなと思いましたがそれはなく、今日の班目氏はただ議事を進めていただけでした。

委員からはそれなりに質問は出ていて、最初の質問は杉本委員から判断基準は何かと言うずばりのものでした、しかし保安院は明確には答えず、意味不明なことを言ったあと、審査書の12章に書いてあると、中でも鋭い質問をしていたのが、旧原研(現原子力機構)の更田委員だったと思います。彼の主張は、3・4号機が地震・津波に襲われたら、1・2号機も襲われるはずで、1・2号機が最悪の事故を起こしている状況を想定しないと、3・4号機の安全性は論じられないのではないかというものでした。

保安院は、一次評価では炉心損傷までで、1〜4号機が同時に対応が必要な状況は想定している(現実には燃料タンクなど共用施設を共用で使う想定のみ)が、シビアアクシデントについては二次評価になると。結局二次評価を含めなければ評価はできないということになります。

また、保安院の説明の中でIAEAの指摘がたびたび登場しましたが、これも結局二次評価が必要だというものでした。

また五福委員の要員確保についての質問も重要な指摘だと思いました。事故時にどうやって要員を集めるのか、半島の先端にあり、陸路は寸断されるだろう、あとは海路かヘリコプターしかないが、津波が心配な状況で海路は無理、天候が悪くヘリが飛べなければ結局陸路しかない、保安院は、3キロ以内で徒歩で来れる要員が一番確実だと、しかし五服委員は、原発が被災したら3キロ以内にいる要員も地震で被災して動けないのではないかと。

保安院が審査書を一通り説明して、上記のようなやりとりをいくつかに分けてやって二時間が経過、この間傍聴席は、発言の前に名前を名乗れ、スピーカーのボリュームを上げろ、もっとゆっくりしゃべれといったもので、声が出ると事務方が制していましたが、いずれも実現しました。後は比較的おとなしく聞いていたと思います。

問題はその後です、事務方が、委員からの質問をペーパーでまとめたから紹介するとして読み上げ、おそらくはそれを書いた副委員長の久木田氏が解説したのですが、それが一般抽象的で中味がなく、意味不明のものでした。項目を書き出すと以下です。

 1.マイプラント意識
 2.技術的背景
 3.共通原因故障、従属要因故障の同定、防止
 4.成功パスの頑健性
 5.シナリオ固定の頑健性
 6.可搬施設による対処の考え方
 7.経過措置の頑健性

こんなな質問事項を出せば、保安院も関電も好き放題に言いたいことを言うだけでしょう、これでまとめて今日は終わろうとしたので、会場はざわつき、しまいには騒然となりました。一般抽象的な質問書に対する抗議と共に、前回の保安院の意見聴取会で、井野さんと後藤さんが原子力安全委員会に意見がしたいと申し出て、保安院の市村課長がそれを抑えるために、この検討会に自身が出席するので、2人の意見はそこで伝えますと言っていたのに、それを一言も発しなかったことに対する抗議も出ました、さらに二次評価がどうなっているのか、保安院に聞けとも。

終了開始予定時刻まであと30分もありましたが、班目委員長以下、委員はそそくさと退出し、強制的に終了しました。次回は上記の質問事項に答えることになっていますが、委員から追加の質問があれば出すようにとも言っていました。

阪上 武
posted by 風の人 at 13:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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