2012年01月18日

日隅一雄・木野龍逸著「検証 福島原発事故・記者会見」(岩波書店)

胆嚢癌(腹膜播種あり)手術不適応患者の記 - 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/c/0014fc6d188927ccadc946eab2135f00

「検証 福島原発事故・記者会見」(岩波書店)が刷り上がりました!〜サイン初めも(^^)

2012-01-17 02:35:23

 「検証 福島原発事故・記者会見――東電・政府は何を隠したのか」が刷り上がりました。店頭に並ぶのは21日、今週金曜日です。宣告された余命期間を超えての発刊となるため、書店に並ぶ姿を目にすることはできないのではないかとも思っていましたが、なんとか、「嫁入り」させることができました(笑)。まだ、次女( 『「主権者」は誰か 原発事故から考える』:岩波ブックレット)が残っているので、もう少し、宣告が外れてもらわないと困りますが…(笑)。

 初めて手にした本には、練習を兼ねて、早速「サイン初め」をしてみました。これまで、たまに、サインを求められたときに汚い字で書くのは味気ないな〜と思っていたため、これを機に考案したものです。

 左下のいたずら書きのようなものが、それです。木野さんは最初、こういうサインを考案するのは嫌がっていたのですが、自分も字が汚いということに気づいたせいか(笑)、何か考えると約束してくれました。そこで、木野さんのサインは後日もらうことに…。記念の一冊になりそうだ。



キノリュウが行く
「検証 福島原発事故・記者会見」と、事故収束のまやかし
http://kinoryu.cocolog-nifty.com/go_kinoryu/2011/12/post-b994.html
2011年12月29日

長らくブログをお休みしてしまいました。
情報を期待していただいた方々、申し訳ありません。

お休みしていた間に、単行本を作りました。一緒に会見に出席していた日隅一雄さんとの共著です。
「検証 福島原発事故・記者会見〜東電・政府は何を隠したのか」(岩波書店)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4000246690.html

11月くらいまでの記者会見メモ、ビデオ、資料などをベースに、メルトダウン、SPEEDI、工程表、作業員の被ばく関連などについて、テーマごとに、東電、政治家、行政庁からどのように情報が出てきたか、記者会見での説明はどのように変化したのかなどをレポートしています。

基本的なスタンスとして、できるだけ評価は避け、事実関係を列記するようにしています。行政に対する評価、政治家に対する評価、読者の方々におまかせします。それとともに、本著に対する評価もいただければ幸いです。

東電・福島第一原発の事故は、今なお継続中です。12月に政府が発表したステップ2完了と「事故終息宣言」は、言葉をもてあそんだ最悪の決定だと思います。12月27日に福島県議会は「東京電力福島第一原子力発電所事故の収束宣言の撤回を求める意見書」(http://www.pref.fukushima.jp/gikai/pdf/2312/iken07.pdf)を全会一致で可決し、政府(衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、文部科学大臣、経済産業大臣、原発事故の収束及び再発防止担当大臣、東日本大震災復興担当大臣)に見直しを求めています。

福島県会、原発事故収束宣言撤回求め意見書可決(2011年12月27日 読売新聞電子版)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20111227-OYT1T01080.htm

意見書では、1)溶け落ちた燃料がどこにあるのか確認できていない、2)溶融燃料の温度は、溶け落ちたと思われる(圧力容器、格納容器)底部の計測による判断であり、この温度計は20度近くの誤差がある、3)冷却装置は仮設であり、汚染水が溜まり続け漏水もあるなど安定しているとはいえない、という3つの点を問題にしています。

このポイントは、これまでの統合会見、東電や保安院の記者会見でも何度も繰り返し指摘されていたことですが、こうして改めて意見書の形で要求が出ているということは、東電や政府による説明に対して、誰も納得していないことを意味しているといえます。ステップ2完了を宣言した最後の統合会見でも、その場にいた誰もが、不信感と疑問を持っていたように感じました。今でも、これらの点について納得のできる回答は出てきていません。

他方で政府は、12月26日には避難区域の解除方針を発表し、年間20ミリシーベルト以下の地域に関しては基本的に帰宅を認める方向で調整に入っています。原子力災害対策本部は、来年(2012年)の春頃を目安にするようです。原災本部・原子力被災者支援チーム総括班の須藤参事官は、20ミリシーベルトの基準は、8月4日に原子力安全委員会が出した助言と、細野原発担当大臣が行った「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」の結論に沿ったという説明をしています。

しかし安全委による助言は、ICRP勧告による年間1〜20ミリシーベルトの「下方から選択」するとしているので、上限の20ミリシーベルトを選択した原災本部の決定には、避難解除を早くしたいという思惑を感じます。

また、低線量WGの委員には、WG開催中から以下のような発言をしている、丹羽太貫・京都大学名誉教授が参加していることなどから、議論の公平性には疑問があります。

「線量さえきっちり管理されておれば恐れるには及ばないというのが基本です。それにも関わらず、質の良し悪しを区別しない情報が飛び交うネットの普及、センセーショナルなマスコミの報道、さらには一部の科学者や研究者による売名かとも思える発言などが、ごく低い放射線に対する恐怖をあおっています。そのため、一般の方々のみならず、国全体が取るに足らない線量に対してもきわめて神経質になっています」
放影協ニュース 2011年10月 No.69
http://www.rea.or.jp/kikaku/rea_news/news/2011_69.pdf

公平に議論をすべき場である会合で、福島の現状に対して「とるに足らない線量」に対して神経質になっているという表現は、あまりにも不穏当に思えるだけでなく、はじめから結果ありきの会合だったのではないかという疑問も浮かびます。

冒頭に戻りますが、福島第一原発の事故は、未だ収束への道が見えません。放射性物質を封じ込める方法も、汚染水の処理方法も、今後の技術開発を待たねばなりません。福島だけでなく、ホットスポットになっている地域の除染はには膨大な費用がかかるうえ、最終的な廃棄物の処理方法も、今後の技術開発が必要な状況です。

そしてなにより、低線量被曝を受忍させられている地域に対する施策は滞ったままになり、住民同士、あるいは家庭内での反目と不信感を生んでいます。こうしたことの責任は、そこに住む住民ではなく、現状を強要している政府、そして汚染者である東京電力にあることを、絶対に忘れてはいけません。政府による事故の収束宣言は、そうした根本の原因から目を逸らし、責任を回避することを目論んでいるのではないでしょうか。

いま大事なことは、放射能汚染の現状に正面から向き合い、福島を忘れず、ひとりひとりができることをやっていくことではないかと思います。今すぐに何かをするのが無理であれば、頭の片隅にでも、福島のことを置いておいてほしいと思います。同時に、例えば地元選出の議員(国会でも県議会でも市町村議会でもなんでもいいです)に電話する、行政庁に電話する、新聞やテレビなどにもっと福島を伝えてほしいを電話することでもいいと思います。そうした声が大きくなることが、変化のきっかけになります。現状を変えられるのは、結局は、私たち市民しかいないのではないかと思います。

冒頭紹介した自著は、これまでを振り返るとともに、東電や政府がなにをしたのかを思い出すことで、同じことを繰り返させないことはもちろん、現在進行形である福島の状況に思いを馳せていただければという思いから、闘病と続ける日隅さんと書き表したものです。内容に納得される方、されない方、いろいろあると思いますが、そうしたご感想もいただけると幸いです。

最後になりましたが、これまで会見に出続けてこられたのは、数多くのご支援をいただいたからに他なりません。本当にありがとうございました。

本来であればひとりひとりの方に御礼を申し上げるべきなのですが、生来の無精もあり、このような形でお伝えするのが精一杯でした。不作法、不義理をお許しください。

これからも可能な限り会見の様子、福島の様子をお伝えしていきたいと思います。ご声援、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

2011年12月29日
木野龍逸

投稿日 2011年12月29日 (木)



NPJ ブックレビュー 日隅一雄 『マスコミはなぜ 「マスゴミ」 と呼ばれるのか』 補訂版
http://www.news-pj.net/books/020.html

日隅一雄弁護士『マスコミはなぜ 「マスゴミ」 と呼ばれるのか』補訂版 現代人文社

梓澤和幸(NPJ代表)

  ネットやシンポでの発言が、ある種カリスマ的な熱を帯びた人気を呼んでいる、日隅一雄弁護士(NPJ編集長)が、マスゴミ本の増補版を出した。
  原発報道でマスコミへの信頼を失ったという声は、少なくない。購読している全国紙をやめたという話も聞く。なぜこんなメディアなのか。日隅弁護士は、ただ、記者のやる気や、経営者の姿勢を糾弾してもだめという。
  日本にメディアの独立性を担保する仕組みがないところをついた。堅実な本だが、すでに三刷を重ねたという事実に驚く。加えて、増補版が出た。そのポイントは、東電福島第一原発事故報道の批判、特に東電記者会見の模様と、その批判的解明である。なるほどそうか! と、膝を打つ。
  1,890円(税込)で溜飲が下がり、そればかりでなく、メディア改革の見通しまで伝授されるとなれば、ヤスイ。おすすめ本だ。
  なお私は、NPJの代表であって、「おいおい、内輪褒めか。」 と言われるかもしれない。でもそんなことは関係なく、いいものはいいのである。少し付け加えると、日隅さんは、ブログでも書いているが、闘病中。軽くはない病である。「でも、原発への自分の闘いは弱かった。福島で苦しんでいる人に申しわけない。その人たちの辛さ、悲しさに比べれば、自分の病など小さなことだ。」 と、日隅さんはインタビューで語った。その想いを込めた発言の記録と思えば、きっと書店で本書に手をのばしていただけると思う。

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太田光征
http://otasa.net/
posted by 風の人 at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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