2011年07月31日

7月27日厚生労働委員会(放射線の健康への影響)で東大の児玉龍彦教授が怒りの意見陳述

7月27日の衆議院厚生労働委員会で、東京大学先端科学技術研究センター教授、東京大学アイソトープ総合センター長を務める児玉龍彦氏が参考人として意見陳述し、国会に怒りをぶつけました。

最高の技術による放射線量測定と除染を早急に実施しろ、国会は福島原発事故対応の法整備を怠っているから違法覚悟で南相馬市の除染を行なっている、などと主張。

また、チェルノブイリ事故後、ウクライナ住民の膀胱で見られた前がん状態の原因と思われるセシウム137の尿中濃度が、福島原発事故後、福島の母親の母乳から検出されたセシウム137の濃度と同レベルであった、という福島昭治氏らの重要な研究結果を紹介されています。

原発政策を推進してきた自民・公明などは口先だけの反省発言をするだけで、政府のお粗末な事故対応を批判するばかりです。

保安院が原発シンポジウムでヤラセを電力会社に指示していたヤラセ院であったことが明らかとなっても、このヤラセ院を育ててきた自公は自己批判することもない。

児玉氏の国会内演説は、国会議員、特に自公議員に対する痛烈な批判になった点でも、重要な意義を持っています。

福島原発事故の真の責任、すなわち政治災害をもたらした政治責任が今後追及されるきっかけになってほしいと願っています。

太田光征
http://otasa.net/



児玉龍彦「放射線の健康への影響について」
http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo
意見陳述文字起こし
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/8f7f0d5f9d925ebfe7c57aa544efd862
‪児玉龍彦 20110727_衆議院_厚生労働委員会_質疑
http://www.youtube.com/watch?v=LunV27H3oW8
質疑文字起こし
http://famasaki.com/japan/20110729105723/

2011年7月27日 (水)厚生労働委員会
厚生労働関係の基本施策に関する件(放射線の健康への影響)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=41163&media_type=wb


児玉龍彦国会発表概要
http://www.slideshare.net/ecru0606/ss-8725299

「児玉龍彦国会発表概要」の見やすい図表:児玉龍彦氏が警告する低線量被曝、内部被曝による癌発症の危険性・追補: 阿武隈(原発30km圏内生活)裏日記
http://gabasaku.asablo.jp/blog/2011/07/30/5994494

児玉龍彦国会発表詳細
http://www.slideshare.net/ecru0606/ss-8725343

児玉氏の意見陳述でも出てくる福島昭治氏らの研究
KAKEN - チェルノブイリ原発事故による放射能被爆住民における膀胱がんの発生(12576005)
http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/12576005
「ウクライナのチェルノブイリ原発事故後、周辺汚染地域では過去15年間で膀胱癌の発生頻度が約1・6倍に上昇したと報告されている。その原因として現在も土壌中に残存する低レベルCs137の長期間暴露が考えられる。我々は臨床的に膀胱がん症状のない汚染地域住民の膀胱粘膜に、上皮異形成や上皮内がんを含む膀胱がんの発生率が、汚染地域住民の24時間尿におけるCs137(セシウム137)レベルにほぼ比例して上昇していることを見いだした。」

以下は、ブログ「明日に向けて」による意見陳述文字起こしからの抜粋です。

明日に向けて(208)放射線の健康への影響について(児玉龍彦教授国会発言) - 明日に向けて
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/8f7f0d5f9d925ebfe7c57aa544efd862

熱量からの計算では広島原爆の29.6個分に相当するものが露出しております。ウラン換算では20個分のものが漏出しています。

残存量は1年経って、原爆が1000分の1程度に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は10分の1程度にしかならない。

東大のアイソトープセンターは現在までに7回の除染を行っていますが、南相馬に最初にいったときには1台のNaIカウンターしかありません。農林省が通達を出した3月19日には、食料も水もガソリンもつきようとして、南相馬市長が痛切な訴えをWEBに流したのは広く知られているところであります。

イメージングベースの測定器が、はるかにたくさん半導体で開発されています。なぜ政府はそれを全面的に応用してやろうとして、全国に作るためにお金を使わないのか。3カ月経ってそのようなことが全く行われていないことに私は満身の怒りを表明します。

トロトラストの場合は、第一の段階でP53の遺伝子がやられて、それに続く第二、第三の変異が起こるのが20年から30年かかり、そこで肝臓癌や白血病が起こってくることが証明されています。

(福島昭治先生がチェルノブイリの高濃度汚染地区について)尿中に6ベクレルパーリットルと微量ですが、その地域ではP53の変異が非常に増えていて、…かなりの率で上皮内の癌ができているということが、報告されています。

それでこの量に愕然といたしましたのは、福島の母親の母乳から2から13ベクレル、7名から検出されているというがすでに報告されていることであります。

30キロ以遠の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100万円かけて、子どもが強制的に移動させられています。このような事態は一刻も早くやめさせてください。

補償問題と線引の問題と、子どもの問題は、ただちに分けて下さい。子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。

滑り台の下、ここは小さい子どもが手をつくところですが、滑り台から雨水が落ちて来ると毎回ここに濃縮します。右側と左側にずれがあって、片側に集まっていますと、平均線量1マイクロのところですと、10マイクロの線量が出てきます。こういうところの除染は緊急にどんどんやらなくてはなりません。

緊急に子どもの被曝を減少させるために、新しい法律を制定してください。私の現在やっていることはすべて法律違反です。

お母さんや先生たちに高線量のものを渡してくるわけにはいきませんから、今の東大の除染では、すべ
てのものをドラム缶に詰めて東京にもって帰ってきています。受け入れも法律違反、すべて法律違反です。このような状態を放置しているのは国会の責任であります。

全国の国立大学のアイソトープセンターには、ゲルマニウムをはじめ最新鋭の機種を持っているところはたくさんあります。そういうところが手足を縛られたままで、どうやって、国民の総力をあげて子どもを守れるでしょうか。これは国会の完全なる怠慢であります。

こういうもの(民間会社の除染技術)を結集して、ただちに現地に除染研究センターを作って、実際に何十兆円という国費をかかるのを、今のままだと利権がらみの公共事業になりかねないいう危惧を私は強くもっています。国の財政事情を考えたら、そんな余裕は一瞬もありません。どうやって本当に除染をやるか。七万人の人が自宅を離れて彷徨っているときに国会は一体何をやっているのですか。



以下は、朝日新聞の児玉氏インタビュー記事からの抜粋です。
asahi.com:測定と除染を急げ/児玉龍彦東大教授に聞く-マイタウン茨城
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000001107010005


 福島県内での測定の経験では、平均で毎時0・5マイクロシーベルトの幼稚園で、雨どいや滑り台の下などは5〜10倍になった。園内にミニホットスポットが存在する。

 低い線量による内部被曝(ひ・ばく)の危険性も直視しなければならない。福島で母乳からセシウムが1リットルあたり2〜13ベクレル出た。チェルノブイリ原発事故で長期被曝が前がん状態を作り出したという研究報告と同レベルの濃度だ。
posted by 風の人 at 03:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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