太田光征
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近い将来、パレスチナ人に対するユダヤ人のホロコーストが起こるだろう
Is a Jewish Holocaust Against the Palestinians in the Offing?
By:Khalid Amayreh
2010年10月13日
ハーレド・アマイレ
注:この小論は、婉曲にいえば起こりうる「住民交換」、すなわち非ユダヤ人の民族浄化を遂行するために、イスラエル治安部隊が大規模な訓練の演習を開始したときに書かれたものである。
数日前、ユダヤ人入植地キリヤット・アルバのラビであるドヴ・リオルは、ナブルス市住民の殲滅を呼びかけた。彼が入植者のリーダー仲間に演説しているとき、そのうちの一人に向かって、「私は、あなたがシュヒーム(ナブルスのヘブル語名)の市長になることができると信じている。あなたはひと月以内、いや一日のうちにもその仕事を遂行できると、私は確信している。」と語った。
※太田注 ラビ:ユダヤ教の宗教指導者、ナブルス:パレスチナ自治区の都市
ほとんどの他の国家宗教的なラビたちと同様に、リオルは「支配民族」に従うことを拒むような非ユダヤ人の男、女、そして子どもたちを大量殺戮することは、聖書で許されていると信じこんでいる。この同じラビは、1994年にヘブロン市街地にあるイブラヒーム・モスクで起きた、アメリカからイスラエルに移住してきたアメリカ・ユダヤ人のテロリスト、バルーフ・ゴールドシュタインによる無実のパレスチナ人礼拝者たちの大量虐殺を熱狂的に支持していた。リオルはその事件直後、生存者たちによって殺害されたゴールドシュタインを「偉大な英雄であり聖者である」と呼んで褒め称えていた。
予想どおり、パレスチナに住んでいる非ユダヤ人には三つの選択肢が与えられるべきだという「対策(proving)」をリオルはさほど困難もなく提唱することになる。すなわち、物理的な根絶、支配民族に仕えて水を運び木を伐るような奴隷化、もしくは暴力的な追放である。彼は常に申命記や列王記やヨシュア記を引用しては、虐殺を促すような血まみれの詩歌を選び出している。その地に住んでいる「よそ者」に対して公正な処遇を強く促している他の詩歌を、彼は礼儀正しくも避けようとしているのだ!
あいにくにも、リオルは珍しいタイプの人間ではない。イスラエルのシオニスト・ラビの大多数は、十戒よりもアドルフ・ヒトラーの教義をさらにありがたがっているようだ。
例えばこれらのユダヤ・ナチたちは、騙されやすい学生や弟子たちに「汝、殺すなかれ」の代わりに、「ユダヤ人を殺すなかれ」と教えている。非ユダヤ人というものは、彼らの生命は何の尊厳もないのだから、ユダヤ人とは異なる問題だと考えている。これらの病んだラビたちは、「汝、嘘をつくなかれ」の代わりに、もし真実を話すことがユダヤ人の利害を貶めたり、またゴイ(goy非ユダヤ人)―非ユダヤ人を中傷するユダヤ人の言葉―を殺すユダヤ人を危険に晒すことになるのであれば、ミツバ(mitzvah神に慕われる善き行い―訳注:義務を負う、戒律の意)に真実を語ってはならないと、彼らの信奉者たちに教え諭しているのだ。同様のことが、盗みにたいする聖書の戒律にも適用される。この数日間あるいは数週間、西岸のいたるところで多数の入植者ラビたちは、彼らの信奉者たちに「パレスチナ人のオリーブの収穫物を盗む行為は、敬虔で信心深い行為だ」と語ってきた。これらの冒涜的な訓戒を聞いたうえで、何百人という「宗教的な」入植者たちがパレスチナ人のオリーブ果樹園の周囲に群がり、また白昼堂々とそこから収穫物を盗んでいる。パレスチナ人の農民がそれに抵抗すると、若い頃のヒトラーのような入植者たちは彼らの銃口を農民たちに向けるのだ。あたかもそれで十分ではないかのように、イスラエル占領軍は(パレスチナ人が)「入植者を挑発する」という理由で、パレスチナ人農民をさらに残酷に扱うように兵士を派遣したのである。
上に述べたように入植者や彼らのリーダーたちは、人を殺し、盗みをはたらき、嘘をつくことによって宗教的行為を行なっていると主張している。しかし彼らの行為や振る舞いを一目見ただけで、これらの人々が正義と公正に基礎付けられた本来の宗教がもっている道徳的反対物であることは明らかであり、せいぜいが異端者でしかない。
大量殺人がアラブ/イスラエル紛争に対する唯一の解決策だと彼らが信じているので、私は、これらの人々は殺人と民族浄化を容認していると言いたいのだ。数ヶ月前、アラブ人所有の建物を占拠した入植者たちを強制退去させようとする軍に抵抗するグッシュ・エムニームの入植者たちを励ますために、ダリア・ウェイスという名前の入植者リーダーがヘブロンに到着した。
歯に衣着せない、気の荒い話し手であるウェイスは不法入植者たちに向かって、「これらのパレスチナ人」を処理する唯一の方法は「行為の目録」のように聖書に書かれた同じやり方を実行することだと演説した。ついで西岸北部の入植地ケドミームの前市長であった中年の女性が、男、女、子どもたち、牛や羊までふくむ集団殺戮を描写した聖書時代の詩歌を朗誦しはじめ、息つくこともせずにそれを言い終えたのだった!
イスラエル政府は西岸で何が起こっているかを熟知しているのだが、入植者の犯罪性とその野蛮性には全く見て見ない振りをしている。入植者はパレスチナ人に対抗するイスラエルの最終的な軍事力であり、アラブ人に対する民族浄化を遂行するための究極の道具であると政府が考えているからだ。
時々ほんの数人の入植者が逮捕されるものの、それらの逮捕はほとんどがごまかしの悪意に隠されて履行されておらず、イスラエルは依然、法の権威が支配している民主的な国家であるという国際世論を欺くものにしかなっていないのが実態である。
では、法の権威が尊重されるべきものであるなら、一体どんな種類の法なのか?ナチもまた、法をもっていたが、しかしそれはファシズムとバーバリズムを立法化したという類のものであった。想い起こせば、世界中における最も野蛮な犯罪行為のいくつかは、法による執行規定のもとで犯されていたのである。
今日、イスラエルは多かれ少なかれ同様のことをしている。ファシズムを立法化し、すべてをユダヤ国家の遂行という名のもとに、これらの狂暴な犬たちは正義と道義の考えられるあらゆる権利を白昼下に堂々と侵害させている。
70年前、第三帝国はドイツ国家の遂行に努めた。私たちみんなは、その物語の残りの部分を知っている。
現在イスラエルは、アメリカの政界と政策の支配を握って完全に横柄になり、加えてアメリカのメディアに対するユダヤ人の影響力を最大限利用して、もはやナチに張り合おうとしているのだ。
もちろんイスラエルの問題は、リオルやリーバーマンのような野蛮で有害な若干の人物をはるかに飛び越えて進んでいる。問題の核心は、ユダヤ・ファシズムがイスラエル国内において主流になりつつあるということである。
そう、真の民主主義国家を標榜するのであれば、「支配者」と「下級市民」とに住民を分割し、国民に強制的にその分割を義務づける国家が一体どこにあるのだろうか。
国家は民族の栄光を導く光であると常に信じ込ませ、偽善と虚偽に満ちた悪の権化という醜態をさらけ出し、ファシズムに身を売るようなこの恥知らずに対して、イスラエルの内外にいるユダヤ人指導者の大部分が、まったく沈黙しているということは、じつに悲しむべき嘆かわしいことである。
信心深いエリ・ヴィーゼルはどこにいるのだ?道義を神に嘆願することをやめない民族のアブラハム・フォクスマンはどこにいるのだ?ジュダイズム(ユダヤ教)は、人間の権利と道義を擁護する第一線に立っていると主張することをやめないイギリスの最高ラビ、ヨナタン・サックスはどこにいるのか?イスラエルとその犯罪的な行動に対して、取るに足りない批判の矢が向けられるたびに天にも昇る叫び声をあげるじつに多くの書き手、知識人、ラビ、そしてアカデミズムと他の人々は、どこにいったのか?彼らはどこにいるのだ?
ユダヤ人指導者たちは、ホロコーストはアウシュヴィッツ、ベルゲン・ベルゼン、マウトハウゼンおよび他の死の収容所で始まったのではなく、ニュールンベルク法およびドイツ政府当局によって可決された他の人種差別法のような比較的無害に見える法律によって始まったのだ、と正しくも主張している。
私は、現在のイスラエルが1930年代はじめのドイツと非常に似通っていることを疑っていない。イスラエル国内において、カハニストと他のファシスト諸派、ユダヤ・ナチ党の優位性が意味するのは次のことである。すなわち、すでに一人前となったユダヤ・ナチズムは、ここ数年で完成する。何人かの善意ある人々は、それがすでに躍動を始めたことを確証している。
究極的な分析においてナチズムはナチズムであり、たとえそれがドイツ人の顔であってもユダヤ人の顔であっても、問題ではない。1930年代と1940年代のヨーロッパ・ユダヤ人よりも現在さらに無力な立場にいるパレスチナ人に対するユダヤ・ホロコーストは、ドイツが第二次世界大戦期に犯した犯罪行為と同様、けして軽視してはならない極悪非道であると私は言いたいのだ。(松元訳)
原文以下:拙い訳ですから不適切な訳文があると思います。教えていただければ幸いです。http://www.intifada-palestine.com/2010/10/is-a-jewish-holocaust-against-the-palestinians-in-the-offing/
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パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
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