2010年12月13日

伊方原発を教訓に上関原発は建設中止を 〜岩国基地米軍機が衝突する危険性〜

山口県知事 二井関成様
中国電力御中

伊方原発を教訓に上関原発は建設中止を
〜岩国基地米軍機が衝突する危険性〜


上関原発に関係される皆様には、故斉間満氏の『原発の来た町 原発はこうして建てられた 伊方原発の 30年』(南海日日新聞、2002年)をお読みいただきたいと思います。ブログで公開されています。

同書によると、伊方原発推進の立場であった伊方町商工会でさえ、伊方原発が地元経済の発展を阻害していることを報告書で認めています。原発誘致後も人口減少と高齢化は止まらず、農業・水産業・工業・商業を含む地場産業は衰退しています。

伊方原発の30年(25)――原発で町はどう変わったか
http://simanto114.blog116.fc2.com/blog-entry-546.html

日米両政府が米海兵隊普天間飛行場の移設先としている辺野古を抱える名護市を思い出します。キャンプ・シュワブを抱え、多額の基地関連交付金が入っている名護市ですが、失業率が沖縄県の平均を超えているなど、基地と基地関連交付金が地元経済を発展させているわけではありません。

基地依存、原発依存はどちらも政治の無責任化を招き、経済の自立を阻害するのでしょう。

上関原発はこの米軍基地とも無関係ではいられません。1988年6月25日、米海兵隊普天間基地所属の大型ヘリコプターCHが山口県岩国市の米海兵隊岩国基地を飛び立った後、伊方原発から直線距離で約800メートルの山中に墜落しました。乗員7人全員が死亡しています。

伊方原発の30年(18)――原発真近への米軍へリコプター堕落事故
http://simanto114.blog116.fc2.com/blog-entry-538.html

米軍機の墜落はこれだけではありません。99年1月20にも岩国基地のFA戦闘機が高知県沖の土佐湾に墜落しています。リムピースの調べによると、同戦闘機はなんと小学校や発電所など六ヵ所の施設を攻撃標的にして低空飛行訓練を行なっていました。

伊方原発の30年(19)――攻撃目標に小学校、発電所
http://simanto114.blog116.fc2.com/blog-entry-539.html

1948年から2002年5月10日までの間に岩国基地周辺で米軍機・自衛隊機が起こした事故は74件ありますが、そのうち墜落は32件に上ります。

日弁連 - 上関原発建設計画意見書
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/2002_13.html

普天間飛行場の運用、つい最近の沖縄国際大学へのヘリ墜落事件を見ても、在日米軍が安全を考慮した訓練を行なっているはずがなく、原発自身も航空機の衝突を考慮した設計になっていません。岩国基地に近い上関原発はほかの原発より空からの危険性が高いといえます。

それに加え、上関近辺はM7.2規模の芸予地震のようにフィリピン海プレートによる地震の影響を避けられないと思われます。

航空機事故にしろ地震にしろ何らかの原因で上関原発に放射能漏れの事故が発生した場合、わずか数キロメートルしか離れてない離島である祝島の住民はどこに避難すればいいのでしょうか。定期船が来るまで待てるわけがありません。

一方、上関原発は辺野古新基地と同様に「絶滅危惧種を無視した環境アセス」という点でも問題です。

民主主義の点でも同様。二井関成山口県知事は祝島の建設反対派の皆さんと一切会おうとしませんし、辺野古区行政委員会も、採決なしの非公開会合で辺野古移設案を条件付きで議決するなど、民主的ではありません。

山口県庁大混乱 - 街森研究所
http://d.hatena.ne.jp/conokix/20080910
沖縄タイムス | [続「アメとムチ」の構図・砂上の辺野古回帰](1)反発封じ条件闘争 容認決議急いだ区行政委
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-07-16_8219/
沖縄タイムス | [続「アメとムチ」の構図・砂上の辺野古回帰](10)行政委員会 特定の有力者に実権 民意反映に疑問も
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-07-31_8615/


ほかにも理由はありますが、上関原発は建設するべきではありません。ご再考ください。

2010年12月13日

太田光征
http://otasa.net/
posted by 風の人 at 09:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般
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