賛同締め切りが過ぎたようですが、重要な声明なのでご紹介します。
太田光征
http://otasa.net/
皆さまに
日印原子力協力協定に対する反対声明への賛同のお願いです。7月6日に整理して発表しますので、来週月曜日7月5日の午後3時までにお名前と肩書を内藤雅義(日本反核法律家協会理事)宛に
[a:maa:mailto:lwyrmn@sa2.so-net.ne.jp]lwyrmn@sa2.so-net.ne.jp
(転送歓迎)
日印原子力協力を進めるという動きが突如現実化しました。
日印原子力協力は、経済界の経済的利益とこれと絡む米仏の圧力のために核不拡散、核軍縮、そして核兵器廃絶に向けての被爆国としの日本の独自の地位を失わせるものです。そして平行して進められている中国のパキスタンに対する原子力協力にも反対する資格を失わせ、南アジアの緊張と世界的な核拡散のつながるものです。
原子力ルネッサンスの名の下に世界で核拡散の危機が進行している今日、日本には最低限、原子力協力の基本原則を守ることが強く求められています。その意味では今回の動きは、米印原子力協定への対応とも異なる日本の政策の重要な変化を示すものと考えます。
そこで以下のような声明を起草しました。是非、多くの方のご賛同をお願いします。
現在の賛同者は末尾に記載してあります。
内藤雅義
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
総理大臣 菅 直人 様
外務大臣 岡田克也 様
経済産業大臣 直嶋正行 様
日印原子力協力に反対する声明
岡田克也外相は本年6月25日の記者会見で6月28日、29日に日印原子力協力の第1回協議を行うと発表し、更に菅直人首相は、カナダ・トロントにおいてG20に出席するインドのシン首相と会談して、原子力協定締結に向けた日印交渉を念頭に発電技術開発など民生分野での協力推進で一致したと報じられた。そして、28日から、日本の外務省において外務省北野充南部アジア部審議官や経済産業省、文部科学省の担当者ら、インド側は交渉団長のゴータム・バンバワレ外務省東アジア局長らが出席して協議が行われた。
国際原子力機関(IAEA)の包括的保障措置を受け入れていないインドに対する原子力協力を禁ずる原子力供給国グループ(NSG)のガイドラインが、アメリカのブッシュ政権による強い圧力で変更された後、当時の自民党政権の麻生太郎首相は、その直後の2008年10月に「日本を含むNSGは、NPTに加盟していないインドへの民生用原子力協力を例外的に認めることを承認したが、ただ、唯一の被爆国である日本の承認は予想以上に国民の反発が強かった」「国民を納得させるには、時間がかかる」(日本経済新聞2008年10月20日付夕刊)と述べていた。
日印原子力協力については、ここへ来て急速に進められようとしているが、外相の記者会見以後、広島、長崎の被爆地からこれに反対する声が上がっている。核兵器のない世界を求める我々も、これら被爆地の声と連帯し、以下の理由により、日印原子力協力に強く反対するものである。
1)今年5月に日本も賛成して採択されたばかりのNPT再検討会議最終文書に明確に反している。
最終文書の行動計画35には、「・・ 全ての加盟国に対して、核関連取引が直接的にせよ、間接的にせよ、核兵器の、また、その他の核爆発装置の開発を支援してはならず、そのような取引が、核不拡散条約に規定された目標と目的、とりわけ、第1条、第2条と第3条、、そして1995年の延長会議で採択された原則と目標に完全に一致することを求める。」と述べられており、1995年の決議には、包括的保障措置を原子力供給の条件とすることが含まれている。
2)日印原子力協力を拒否することは、核不拡散に大きな意味を持つ。岡田外相は、前記6月25日の記者会見において「日本だけが原子力協定を結ばないのは一つの選択肢だが、大勢に影響はない。日本だけ違う判断をするのは困難になってきた」と述べている。
しかし、日本経済新聞の記事によると、アメリカのGEやフランスのアレバが進めるインドに対する原子力協力にとって日本の原子力技術が必要であることや、更には東芝−ウェスティングハウス、日立−GEといった日米の企業、そしてアメリカ政府からの圧力があると報道されている。このことは、逆に日本の協力拒否が核拡散防止にとって十分に意味を持つことを示している。
3)日印原子力協力は、核拡散を進めようとしている動きへの更なる口実を与え、日本が被爆国として核兵器のない世界に向けた独自の道義的地位を失わせるものである。
中国は、NSGの輸出規制の適用除外をインド同様にパキスタンにも目指しているとされる。ロイター通信によると、今年6月初めに中国側企業が、パキスタンのチャズマで原子炉2基をの建設に協力する契約をしたとされ、また、ニュージーランドで行われたNSGの会合では、輸出計画に反対するアメリカや欧州諸国と中国との主張は平行線を辿ったと報道されているが、このような中国と動きは、インドに対する例外措置に対抗するものと推測されている。
このような状況で、日印原子力協定を進めることは、日本が世界の核不拡散・核軍縮を犠牲にしてでも、自国の経済的利害に走る国であるというメッセージをパキスタンのみならず、更には北朝鮮、イラン、イスラエルに送るものであり、被爆国としての道義的地位を更に失わせるものである。
核拡散の危機を背景に世界に核兵器のない世界を求める声が大きくなっている今日、被爆国である日本が核不拡散の原則を維持することは、国際的に極めて重要な意味を持つ。インドが、核兵器開発を止め、非核兵器国としてNPTへ加入することを確約しない限りインドに対する原子力協力すべきではない。我々は直ちに日印原子力協力交渉を中止するよう強く求めるものである。
2010年7月 日
川 崎 哲(ピースボート共同代表)
田 中 煕 巳(日本被団協事務局長)
朝 長 万左男(核廃絶地球市民集会ナガサキ実行委員会委員長)
高 原 孝 生(明治学院大学国際平和研究所員)
内 藤 雅 義(日本反核法律家協会理事)
伴 英 幸(原子力資料情報室共同代表)
松 井 和 夫(核戦争に反対する医師の会事務局長)
森 瀧 春 子(核兵器廃絶を求める広島の会共同代表)
湯 浅 一 郎(ピースデポ代表)
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