http://www.hokkaido-np.co.jp/news/education/224835.html
調査内容の項目には「カンパ(選挙以外の日常カンパも含めたもの)を要請されたことはないか」、あるいは「要請しなかったか」。「学校機材(電話・FAX、印刷機、部屋)を使用しなかったか」「校長は使用させなかったか」「勤務時間内に組合と交渉しなかったか」「ビラ配りをしたことがあるか」。そういうことを「見聞きしたことがあるか」、と他人の行為まで尋ねるものまであったといいます。この点については「組合員でない教職員による組合の『実態』の『告発』も狙っている」という指摘もあります。
さらに同調査書には回答を断れば「職務命令を出すことも可能」だと処分をもちらつかせる記載もあったといいます。この点について道新は「警察に逮捕された容疑者にも黙秘権があるのに、それすら許さぬ圧力は尋常ではない」(「卓上四季」、2010年4月9日付)と道教委の強権的な調査のゆきすぎを批判しています。まったくそのとおりです。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/225238.html
このような状況について、現地からの情報によれば、「これでは、北朝鮮のようじゃないか」と怒りの声をあげる校長教頭もたくさんいる。たった1、2人の自民党議員の質問ですぐに学校現場に指示を出す、道教委の動きに、「天の声が存在しているのか」「おかしいぞ」という校長教頭もいるとのことです。「昨年秋の公民科授業調査(総選挙時に北海道新聞の社説を授業で使用したことに自民党議員が反発し、道教委が実態調査を強行し、授業実施指針を作成すると宣言したもの)では、法理的に誤りだということが後になってわかり、うやむやにして対応を終わらせ」た、という北海道の現場教員の指摘もあります。
このような道教委の憲法と教育基本法の精神を踏みにじる違法、不当な行為が許されるはずはありません。自由法曹団北海道支部(佐藤哲之支部長)は16日、今回の道教委の教職員の政治活動などの実態調査は憲法違反に当たるなどとして道教委に中止を要請した、ということです。さらに要請後、同支部の佐藤博文弁護士は、新聞社の取材に答えて「活動内容を密告させるような今回の調査は不当労働行為に当たる」というコメントを発表しています(北海道新聞 2010年4月17日)。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/226564.html
とはいえ、今回の道教委の約36000人もの道教職員に対する違法調査は、北教組の民主党の小林千代美衆院議員(道5区)陣営への違法献金事件を直接の契機としています。また、同事件を契機に国会などで教員の政治活動の制限を強化する動きも出ているようです(北海道新聞 社説 2010年3月23日)。そのような道教委の道教職員、道教組違法調査、また国会での教員の政治活動の制限強化の動きに口実を与えた今回の北教組の違法献金事件の責任はきわめて大きなものがあるといわなければなりません。北教組は同教組幹部らの逮捕を「不当な組織弾圧」と反論しているようですが、その「不当な組織弾圧」という根拠についてはなんら詳細な説明をしようとはしていません。しかし、北教組幹部らの逮捕を「不当」と断言する以上、北教組にはその「『不当』と主張してきた理由を明確にして、積極的に説明責任を果たす責務があ」ります(前掲社説)。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/222085.html
労組と特定政党との「不透明なカネ」のつながりは、財界と特定政党との「不透明なカネ」のつながりとともに克服されなければならない現実政治の第一級の政治的課題です。思想信条の違いのある構成員のいる労組を特定政党の候補者の支持の決定をして選挙に動員するという労組の強制行為がまかりとおっているという現状とともに、この労組と特定政党とのカネの問題の克服なしにおよそ公平な選挙活動は期待できない、というべきだからです。北海道の教育界の民主主義のいまの危機的な状況を北海道の教職員と北教組自らが主体的に回復していくためにも労働組合運動の原点に立ち返って上記のことは真摯に考えていただきたいことです。
参考:
■「北教組への狙い撃ち弾圧を許すな!」という主張に疑問を呈す(レイバーネット 2010年3月4日)
http://www.labornetjp.org/news/2010/1267708972492staff01/view
■道教委の違法、不当な教職員に対する政治活動実態調査とその契機をつくった北教組の特定政党支持の問題について
http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi/2157528.html
by 東本高志
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