民主党に関するここ1、2週間のできごとを振り返ってみただけでも、民主党は、水俣病患者団体が「加害者救済の法律でしかない」と激しく糾弾する水俣病救済法を患者の切実な声を切り捨てて賛成する側に回りました。また、自衛隊の活動領域を安易に拡大する恐れがあるとしてメディア、民主団体などからも批判の多い貨物検査法案にも「それほど反対する立場ではない」(鳩山代表)として賛成する構えでいます(時事通信 2009年7月7日付)。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009070700749
さらにまた民主党は、自民党の東国原知事衆院選擁立の動きに対抗するかのように、最近、バックラッシュ、ポピュリズム知事の橋下氏に急接近し、同氏を「地方の改革の旗手」として持ち上げ、かつ「橋下氏の考え(注:すなわちバックラッシュの考え)は非常に民主党に近い」(鳩山代表)とまで言い切っています(東京新聞、2009年7月9日付)。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009070902000047.html
自民党とともに民主党の見境のない有名人志向にはまったく呆れ果てるものがあります。このような民主党の政治的な自堕落を見るにつけ、次の総選挙での政権交代の実現を強く望む私としても、同党に国政を委ねることの危険性をこれもまた強く思わずにはいられません。
しかし、それでも政権交代は必要です。政権交代は、下記に見るように民主主義制度の本質的要素のひとつです。まして、私たちの国では、戦後60有余年のほとんどの時期に渡って(私たちの生のほぼ一生に相当します)自民政権が戦後政治を壟断(ろうだん)し続けてきました。その政権交代の意義ははかりしれないものがあるだろうと思います。ドイツ・ナチスのようなファシズム政党を選ぶというのでもない限り、基本的にその形がどのようなものであれ、政権交代は、私たちの国の政治革新のための重要な第一歩といわなければならないように思います。
そういう意味で、現政権与党である自民、公明党と政権奪取政党である民主党を同列に置き、「どちらが政権の担い手になろうとも、国民に幸福は訪れないし、日本の政治の未来は開かれない」(共産党8中総報告、「しんぶん赤旗」2009年6月6日付)などと断ずる姿勢は、上記で述べた政権交代の意義を否定するとともに私たちの国の政治変革の道筋を読み誤った、結果として自・公勢力に手を貸す甚だしい謬論といわなければならないだろうと私は思います。
私は決して反共主義の立場から共産党の主張を批判しているのではありません。むしろ、私は、私たちの国の政治変革のために共産党の真の躍進を願って諌言しているつもりです。共産党のみなさんには私の真意をご理解いただければ幸いに思います。
以下、「政権交代の意義と必要性」について説得力のある論を展開している3人の方の論説を紹介させていただこうと思います。
(1)政権交代の意義と必要性(五十嵐仁の転成仁語 2009年6月22日)
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2009-06-22
(2)政権交代は今、なぜ必要か(Aobadai Life 2009年7月8日)
http://ameblo.jp/aobadai0301/entry-10295587116.html
(3)期待先行“リバウンド”が怖い民主党(山口二郎/日経ビジネス 2009年7月9日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090708/199531/?P=1
東本高志
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鳩山由紀夫の選挙区の室蘭市のクラブママに鳩山由紀夫の愛人がいたことが発覚しているが、このような党首の政権は許されるのかどうなのか。