■都立七生養護学校元校長、2審も勝訴(共同/日刊スポーツ 2009年4月9日)
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20090409-480818.html
すでに多くのみなさまのご存知のとおりです。
この東京高裁の勝訴判決について、被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団事務局長の近藤徹さんと都教委の不当な分限処分取り消しを求める裁判闘争の当事者である東京都学校ユニオン委員長の増田都子さんのおふたりがそれぞれ下記のような感想と見解を述べておられます。
増田さんの下記見解((2)参照)は、(1)の近藤さんの報告への反論というわけではないのですが、増田さんとして(1)の報告に欠けていると思われる視点を指摘するものになっています。
都教委と3都議(増田さん流にいえば3悪都議。土屋たかゆき(民主)、古賀俊昭(自民)、田代ひろし(同))の不当・不法性を糾弾するという点ではもちろんおふたりとも一致しています。その視点に相違が見られるのは都教委・3都議の民主教育攻撃に対して負の役割を担った(増田さんの評価)右系メディア(産経新聞)と全教・都教組という教育労働組合をどう評価するかという問題、さらにはここでは明文的には述べられていませんが、この件に関して共産党が果たした役割をどう評価するかという問題のように見受けられます。
この視点の有無の問題は、単に民主教育のあり方という問題にとどまらず、今後の民主主義、さらには統一戦線のゆくえにも大きな影響を及ぼさざるをえないすぐれてリアル・ポリティックスの問題ともいえるだろう、と私は思います。そう遠くない時期にこの問題に対する私の見解をまとめるつもりです(と、人さまに公言しながらずるずる延びているわけですが・・・)。
以下、「七生養護学校金崎元校長事件勝訴」判決についての2つの報告と見解です。
………………………………………………
(1)処分撤回を求めて(107):七生養護学校金崎元校長事件、勝訴!(近藤徹 2009年4月9日)
http://www.labornetjp.org/news/2009/1239273475480staff01
東京・全国の仲間の皆さんへ。(転送・転載歓迎。重複はご容赦下さい。一部報道関係者にも送信しています。)
被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団の近藤です。
「処分撤回を求めて(107):七生養護学校金崎元校長事件、勝訴!」を送信します。
■七生養護学校金崎元校長事件、東京高裁で勝訴!
吉報です。
本日(9日)、東京高裁(大谷禎男裁判長)で「七生養護学校金崎満元校長事件」の判決があり、一審に続いて勝利しました。
●主文
1.本件控訴(控訴人東京都)を棄却する。
2.控訴費用は控訴人(東京都)の負担とする。
■3都議と都教委の教育介入を断罪、金崎元校長の懲戒処分(停職1ヶ月)・分限処分(一般教諭への降格人事)の取消を命令!
この判決で、東京地裁での原告金崎元校長の勝訴(08年2月)、「七生養護学校『こころとからだの学習裁判』」(元同校教員ら原告31名)の勝訴(3月12日、東京地裁)に続いて、七生養護学校関連事件で原告側が「3連勝」となりました。
これら一連の事件は、2003年7月、3都議(土屋、古賀、田代)が、七生養護学校の「こころとからだの学習」という優れた性教育に「過激な性教育」というレッテルを貼り、都教委と一緒に同養護学校に「乗り込み」、校長・教員らを恫喝して「でっち上げた」事件でした。
そして、教員らを文書訓告・厳重注意などの処分に付し、金崎校長(当時)に「学級編成の虚偽申請」「超過勤務の不正な調整」「都教委通達に違反した研修承認」などの言いがかりをつけて懲戒処分(停職1ヶ月)・分限処分(一般教諭への降格人事)にした事件です。
東京都・3都議は、地裁での敗訴を不服として、高裁に控訴しましたが、高裁でもその主張は一切求められませんでした。
●判決文より引用(・・・は省略)
「被控訴人(金崎校長)が不適正な学級編成をしたという事実は認められず、・・・学校における性教育を不当に問題視した都議会議員の質問に端を発したものであるかを判断するまでもなく、本件懲戒処分は・・・裁量権を濫用・・・違法なものであり、本件分限処分は、一部根拠のない事実を前提とし、・・・重きに失し、裁量権の行使を誤った結果発せられた違法なもの・・・」
■教育現場を励ます判決
七生養護学校事件は、「日の丸・君が代」を強制する10・23通達(06年10月)の3ヶ月前の同年7月に起きた事件でした。
思い起こすと、七生養護学校事件と10・23通達に基づく学校行事への都教委の「介入」は同じような経過をたどっています。
先ず、3都議らが都議会で「質問」という形で各学校の教育活動・学校行事を攻撃し、都教委が一部都議の要求を「都民の声」として受け入れ、学校現場に「介入」するという手法です。
この判決は、都教委の強権的な教育行政の下で日々呻吟している良心的な多くの教職員を励ますものです。
東京都は判決を受け入れ、控訴しないように求める取り組みが必要です。
■負けてたまるか!
東京「君が代」裁判も高裁で勝訴を目指します。
東京「君が代」裁判(一次訴訟)は残念ながら地裁で敗訴しましたが、既報の通り、原告団は、7日、東京高裁に控訴し逆転勝訴・処分撤回を目指して闘います。
今日は共に頑張ろうと決意を新たにしました。
………………………………………………
(2)七生養護学校金崎元校長、勝訴&3悪都議退場!(増田都子 2009年4月10日)
おはようございます。犯罪都教委&3悪都議と断固、闘う増田です! これはBCCでお送りしています。重複・長文、ご容赦を。
東京のごく真っ当な七生養護学校の性教育に関して、犯罪都教委&3悪都議&産経新聞による弾圧があり、教員が多数処分され(東京地裁勝訴)、金崎校長が処分・降格された事件は控訴審でも、降格は都教委の違法とされ勝訴! でした。本当に良かったです! 正義が勝つ! ということは本当に嬉しいことです。
さて、この事件に関して、以下のような文章が発表されましたため、この方だけでなく多くの方に、もう少し「思い起こ」していただきたいことを明記しましたので、読んでいただければ幸いです。
『思い起こすと、七生養護学校事件と10・23通達に基づく学校行事への都教委の「介入」は同じような経過をたどっています。先ず、3都議らが都議会で「質問」という形で各学校の教育活動・学校行事を攻撃し、都教委が一部都議の要求を「都民の声」として受け入れ、学校現場に「介入」するという手法です。』
この「手法」には産経新聞とのタイアップも欠かせなかったことを忘れないでください。つまり、「東京の平和教育・民主教育・真っ当な性教育潰し」は「3悪都議&都教委&産経新聞」という、私の命名で「東京の教育における悪の枢軸」の連携によるものです。
そして、この悪の枢軸の連携の「手法」の成功の端緒は1997年の『足立16中学事件』にあったという歴史事実を「思い起こ」してください。私・増田の憲法に忠実な社会科教育による中2・地理・沖縄県の授業を反米偏向教育と処分・弾圧してきた時、まさしく、『3都議らが都議会で「質問」という形で各学校の教育活動・学校行事を攻撃し』、産経新聞に大仰に書き立てさせた上で『都教委が一部都議の要求を「都民の声」として受け入れ、学校現場に「介入」するという手法』が成功したのです。
そして、この時、私の当時の所属組合の全教・都教組は、私・増田への弾圧を歓迎し、「処分」が出るや私を誹謗中傷するビラをまきまくり、この「3悪都議&産経新聞&都教委」の悪の枢軸による平和教育・民主教育潰しに加担したという歴史事実を「思い起こ」してください。そして、日教組・東京教組、都障労組、都高教等、当時は未だ弾圧されることのなかった組合の方々には自分たちは当時何をしたか、「思い起こ」していただきたいものです。
もし、この時、きちんと『3都議らが都議会で「質問」という形で各学校の教育活動・学校行事を攻撃し、都教委が一部都議の要求を「都民の声」として受け入れ、学校現場に「介入」するという手法』と闘っていたら、その後の七生養護学校性教育弾圧や10.23通達に至る経過も、かなり異なっていたものになっていたでしょう。
この歴史事実について、疑念をお持ちの方、全く無知であられた方は、ぜひ、社会評論社『教育を破壊するのは誰だ!? 【ドキュメント】東京足立十六中学事件』をご購読ください。付言すれば、当時、全教・都教組が私を誹謗中傷するためにまきまきまくったビラを私は2種類持っております。「読んでみたい」という方はお知らせください。実は、数年前に、独立組合の神戸の先生から「そういえば、オレ、全教にいたとき、そのビラ、見た覚えがあるよ」といわれましたので、全教は、全国的に私への誹謗中傷ビラを配布していたのかもしれませんね。
東京の教育における「茶色の朝」は突然、2003年にやってきたのではない、ということを「思い起こ」し、これからも「3悪都議&産経新聞&都教委」という悪の枢軸と、断固、闘っていきましょう!
そのために、ぜひ、都議会請願など利用できるものは利用して都教委の違法行為を追及し、来る7月の都議選では3悪都議の落選運動にも取り組みませんか?
さて、以下、本年(09)3月27日の本会議で、都議会議長が「3悪都議に退場」を命ずるところのビデオです。ライブで!? ご覧ください。私の個人情報を都教委が3悪都議の教唆扇動によって漏洩するという違法行為を行ったことを3悪都儀に謝罪させるようにという請願を出したことに対するものです。この請願の審議及び都教委の追及には共産党の古館都議と市民の党の伊沢都議に大きなご協力いただき感謝にたえません。
このビデオの1時間25分40秒あたりからですので、早送りすると便利です。残念ながら議長だけ映しており『3悪都議、退場』場面は映していないのですが(こんな貴重な!? 希少な場面を映像記録に残さないなんて)、揶揄の笑いや拍手など入っており、議長の神妙な面持ちは一見の価値がありますよ!
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/cgi-bin/movie.cgi?file=c0903270&file_mode=.wmv
この請願で本会議での賛成は共産党の都議、生活者ネットの都議、市民の党の伊沢都議、自治市民’93の福士都議のみで、自公民により否決されました。自公民の都議たちは行政に対し「都条例違反の違法な個人情報でも都議には漏洩しろよ」と要求したのです。
また、3都議が議場から退場を命じられたのは地方自治法117条によります。
………………………………………………
by 東本高志
【一般の最新記事】
- 立憲民主党:経済秘密保護法案は廃案に
- ガザ・ジェノサイド:国連総会決議377号..
- 立憲民主党御中:ガザせん滅作戦の即時停止..
- 立憲民主党御中:長射程ミサイルの容認は撤..
- Fwd: [uniting-peace:..
- 【署名】ウクライナの平和主義者ユーリー・..
- 【講演会動画】作られる台湾有事(講師:..
- 立憲民主党:軍需産業強化法案(防衛生産基..
- 小西ひろゆき議員の参院憲法審査会筆頭幹事..
- 敵基地攻撃能力=先制攻撃能力には反対を
- 経済安保法「基本方針案」のパブコメ(20..
- 【沖縄県知事選2022】玉城デニー氏のさ..
- ウクライナ危機:日本の国会とメディアは情..
- ウクライナ危機:安保構築の提案なき侵略戦..
- 市民運動の一環ないし前提としてのパソコン..
- 2022年名護市長選の重大な争点:旧消防..
- 2021年衆院選:比例区選挙における死票..
- 2021年衆院選:立憲民主党は比例区で自..
- 2021年衆院選:共・社への野党統一選挙..
- 2014年衆院選から2021年衆院選にか..