2009年01月05日

冬越す路上の仲間たちの共同炊事とエンパワメント

国際協力メイリングリストなどの皆様

重複を失礼いたします。
日比谷の年越し派遣村と、山谷の越冬「共同炊事」に参加した散文、報告です。

●年越し派遣村でガザをおもう●

2008年1月3日、年越し派遣村にストリートミュージシャンとして参加しました。
三が日、フードバンクへのカンパだけじゃ飽き足らず、お邪魔しました。

到着後、ボランティア登録を済ませると、
派遣ユニオンの関根書記長が2,30人くらいの記者に囲まれ記者会見をしていました。
大晦日は倍の記者がいたり、いろいろな動機で参加したボランティアがいたりと、
てんてこ舞いだった、と、とあるボランティアさんが教えてくれました。

カンパについての記者からの質問に対して、関根さん。
未だ銀行口座が開けないからわからないけれど、
現金だけで一千万円ものカンパが集まった、とのこと。凄い。

昼食前の11時から30分、拡声器を借りて、コカリナを吹いたり歌ったり。

曲目は、大工哲弘『命どぅ宝』、バッハ『主よ人の望みの喜びよ』、
『竹田の子守唄』、ソウルフラワーユニオン『満月の夕』など。

↓ブログPARADISE CITYより『満月の夕』
http://plaza.rakuten.co.jp/paradisecity037/diary/200501170000/
-♪-----------------------------------------
時を越え 国境線から 幾千里の瓦礫の街に立つ
この胸の振り子は鳴らす “今”を刻むため
(中略)
星が降る 満月が笑う 焼け跡を包むようにおどす風
解き放たれ すべてを笑う 乾く冬の夕
-----------------------------------------♪-

中東の平和を願って、思うこと。
2009年ウィーンフィル、ニューイヤーコンサートを指揮したダニエル・バレンボイム。
ユダヤ人の彼とパレスチナ人のエドワード・サイードがつくった若者のオーケストラ、
「ウェスト イースト ディバイン プロジェクト」。
垣根を、国境を越える音楽。そんなことを思いました。

昼食に列をなす200人くらいの人々。
ひなたでは1月5日の生活保護一斉申請に向けて、湯浅誠さんを囲んで相談会。

湯浅誠さんは、平和への結集を目指す市民の風でも、
活憲政治セミナーの講師として話してもらいました↓。

------------------------------------------
「湯浅誠さんと考える格差・貧困問題」の報告
「反貧困 これは『彼ら』の問題ではない」
http://kaze.fm/wordpress/?p=248
------------------------------------------

3日の夜には湯浅村長が要望書を提出しました↓。
「厚生労働省の責任において、1月5日以降の村民希望者全員の衣食住を確保すること」
http://hakenmura.alt-server.org/article.php/2009010320480744

●山谷の仲間の共同炊事にみるエンパワメント●
昼食時、ボランティアさんが、「りんご4つで100円」と販売していました。
聞くと、山形県農民連の寄付のりんごを、仲間たちに配っても余るから、販売している
ということ。2袋、購入。
日本へ取材に来ていたドイツ大手雑誌記者とも、りんご片手にたくさん話ができました。

昼食後、村の本部前で、山谷労働者福祉会館 活動委員会のなすびさんと再会。
http://www.jca.apc.org/nojukusha/san-ya

大学2年生の頃、平山恵先生と共にまわった山谷。

ちょうど午後、同郷の鍼灸師が治療を行っている山谷へ行く予定だと伝えると、
「一緒に行きましょう」と誘って下さいました。

その後、派遣村にエールを送りに来た山谷の10人の仲間たちと合流して、
関根委員長が村を案内下さいました。
この交流はスタディツアーの様でした。

公園脇の厚労省講堂へも行きましたが、被災地の避難所の様な状況で、
とてもエールを送れる様な感じではなく、
山谷の仲間たちからの横断幕を関根委員長に託して、
一向は山谷へ向かいました。

途中の日比谷線でリーダー格の仲間から、その哲学を聞きました。
山岡強一という日雇全協結成に尽力した先輩の「支配をみろ、人をみろ」という教え。
どんな社会構造の支配に自分がいるのか。
共に働く人間は、どんなプライドをもち、どんなスタンスでいるのか。
山岡強一経歴 http://homepage3.nifty.com/joeii/Yamaokaprofile.html

私が彼からもらった豊かさは、「共同炊事」への自信と笑い、仲間への信頼です。
そして、「寄り合い」にみる民主的な意思決定と高度な自治、
「セイファースペース」にみる人権擁護と非暴力実践です。
私の家庭も、職場も、地域の集まりも、こうでありたい。
一人ひとりの能動性を大事にする進め方。

仲間によると、派遣村は今回一回目だったので、どうしてもボランティアと村民が、
炊き出しする側、される側にわかれているように見受けられましたが、
山谷では炊き出しとは言わない、共同炊事というとのこと。

私は仲間や活動家と共に、15時からの寄り合いに参加した。
100人いるのかと思うくらいの集まり。全員参加のミーティング。
私も路上に座り、共に話を聞いて、笑ったり考えたり提起しようとしたり。

山谷では、行政の窓口がしまり、日雇いの仕事がなくなる年末年始、
1970年代から越年・越冬闘争が続いてきました。
以下、山谷労働者福祉会館のチラシより、
共同炊事、寄り合い、セイファースペースについて抜粋させて頂きます。

(((((((以下、山谷労働者福祉会館のチラシより))))))))
「越冬闘争とは、単に炊き出しをするボランティア活動ではありません。
 この厳しい冬を路上で過ごさざるを得ない仲間が中心に、力を合わせて、
 生きぬくために、ともにめしをつくり、寝る場所を確保して、労働相談・
 生活相談をしながら、生存権−居住権を取り戻す、派遣・フリーター・
 外国人労働者と連帯して労働争議を闘う、「持たざる者」たちが
 国境を越えて連帯する、そうした取り組みにつながる闘いです。」

●共同炊事について●
「私たちは、「炊き出し」とは言わず「共同炊事」と呼びます。かつての炊き出しは、
特定のメンバーが中心になって、作る・配る人と、(行列に)並ぶ・食べる人が、
分かれていました。...私たちは、一昨年からそうした関係を打ち破ろうと、
話し合いを重ねながら、新しいやり方を模索してきました。今でも十分とはいえませんが、
基本的には、初めての人も、水平の関係(指示によって動くのではなく、
力の強い・早い人に合わせない)皆で作業を分かちあい、一緒に食べる。
行列はつくらないことを目指します。そのことを、意識した上で、参加してください。」

●寄り合いについて●
「寄り合いとは、全員参加のミーティング・打ち合わせです。越冬中は、朝8時のセンター前、
11時の隅田川(つき山)共同炊事のあと、センター前で3時から(夕食準備前)、夕食後にまた
センター前と、1日に4回やります。これは、「共同炊事」のあり方とつながるもので、
やはり特定のメンバーが会議して全体に下ろす形をあらため、水平の関係で、あらゆること、
たとえば、おかずのメニューから、現場で起きた問題点、闘いへの取り組みまで全体で
提起して、話し合い、合意の形成をていねいにつくっていこうというものです。
そのために、初めての人も、同じ立場で参加、発言できる場作りに、努力しているところです。」
(((((((((((((((((チラシからは以上)))))))))))))))))))))

●セイファースペースについて●
15時からの寄り合いでは、以下の議題が話し合われました。
1, パレットについて、
2, 寝床について、
3, 荷物の預かりについて、
4, 19時〜の映画「山谷やられたらやりかえせ」上映について、
5, セイファースペースについて

自主的に司会と書記が決まり、議事はトントン進みます。
具体的な提案と、細かい修正の意見、すり合わせ、決議という流れ。
ダンボールが必要か、在庫はどうか、誰が担当となるか。
昨日パレットという板を敷かないで寝た仲間は寒くなかったか。
オモテは寒かった。シートの中は大丈夫だ。

朝の寄り合いでの継続審議案件を確認し、皆で調理や調達の段取りを決めていきます。
荷物の預かりの仕組みも、新参者にわかりやすいよう解説します。

女性の支援者より、セイファースペースという今年始めた試みについて、
解説がありました。
この考えは、文字通り、誰もが安全に気持ちよく暮らせる場をつくっていこう、
というもの。

「女性の仲間たちもいる、だから、セクハラは無しで。
 男性でも頭ごなしに否定されて嫌な思いをした仲間もいる。
 そうじゃなくって、皆と繋がって、闘うんだ。ホントの団結ができるように。」

セイファースペースの考えは、仲間の合意になっている様で、解説後、拍手が起こりました。

今晩のメニューの唐揚げ酢豚。
ケチャップは入れるのか、砂糖にするのか味醂にするのか。
15釜炊けば、洗い油も足りるのか。
細かな段取りを、言いたいこと言って、妥協と合意しながら決めていきました。
釜ごとのリーダーを決めていく。
初めて参加の仲間にも担える様、声をかけていく。
本当に楽しかったです。

●鍼一本の革命〜鍼灸師のまなざし●
越冬闘争、共同炊事の現場となる(財)城北労働・福祉センター前の路上。
福祉センター ⇒ http://homepage3.nifty.com/johoku/

センター建物にシートを張って、その中で、一人治療を続けるある鍼灸師。
私の同郷の尊敬する友人です。
「腰痛」と大書きしたTシャツを着て、治療と相談に勤しむ友人。
待合スペースのパレット上の布団では、倒れこんでいる仲間。
予約の合間に手紙を渡し、4〜5分話すことができました。

彼、いわく、
共同炊事、とても大きなメリットがあるけれど、
動けぬ者へのプレッシャーもある、とのこと。

病で床に伏す仲間を「怠けているんではないか」とみる視線。
寝ている者が感じるプレッシャー。
ついそこに寝ていた仲間も、居づらくて、出て行ってしまった、とのこと。
厳しい越冬。そういう厳しさがあるのかもしれない。

けれど、きっとやさしさもあるのだろうと思いました。
何より、そうした人へのまなざしを持つ者が共にかかわっている、
この越冬闘争のあたたかみを感じました。

大学時代に学んだ地域ワークショップでのファシリテーション。
その場に来れない人のことを思うこと。
一番ゆっくりな人、一番低所得の人、一番ハンデのある人を思うこと。
ロバート・チェンバースの参加型開発アプローチとその言葉を思い出しました。
曰く、「Putting the last first」。最後の者を最初へ、。
曰く、「Whose reality counts? Putting the first last」。
誰のリアリティを考慮するのか?(支援者だとかの)最初の者を後へ。

PLA (Participatory Learning and Action:主体的参加による学習と行動)。
これも大学時代に山谷の仲間から学んだことでした。
日々のこうした実践の過程に、一人ひとりの、そして集団のエンパワーメントがあるんだと。

●朝日新聞12/29報道より『厳冬生き抜け 山谷』●
「日雇い労働者の街、東京・山谷地区で28日、年越しに向けた「共同炊事」が始まった。
 仕事がなくなる年末年始、路上生活を余儀なくされる人も。
 この日は労働者と支援者ら約80人が献立の決定から調理まで
 一緒に取り組み、約300人分の豚汁を手際よく作りあげた。」

●最後に協力のお願い●
【フードバンク 山谷(やま)農場】
〒384-1102 長野県南佐久郡小海町大字小海3715番地 ヒルサイドコーポ102号室
電話:090-1436-6334(午前中) FAX:050-3354-8341
メール:nyoro(a)beige.ocn.ne.jp((a)を@に変えてください)
担当:事務局 藤田 寛(ふじた・ひろし)

【年越し派遣村】
-ボランティアスタッフ
-ストリートミュージシャン・大道芸人
-物資カンパ
飲料水、インスタントカイロ、新品の下着などをお願いいたします。
恐れ入りますが、派遣村まで直接お持ちください。
-金銭カンパ
みずほ銀行銀座支店 普通 2692964
派遣村寄付金口座 弁護士 棗 一郎

【山谷労働者福祉会館】
米、野菜、調味料、その他食材、毛布、衣類
(なかでも防寒着、下着、靴下、男物をくだされば幸いです)、
靴、石けん、カイロなどの日用品。
---> 送先: 〒111 東京都台東区日本堤 1-25-11 山谷労働者福祉会館
現金--> 振込先・山谷労働者福祉会館運営委員会 郵便振替口座 00190-3-550132

●以上です●

Peace of I.平和は私からはじまる。

豊田 義信 yoshinobu000-lj(a)infoseek.jp

平和つむぎブログ http://heiwa0.seesaa.net/
●祝 鎌倉市平和都市宣言50周年(日本初)●
●2010年 あんぽ条約50周年改定でなく平和条約でいこ●
posted by 風の人 at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(5) | 一般
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