【要旨】東京と大阪で共産・社民の野党統一候補が成立した計8区について、票の一本化指標「野党統一候補の小選挙区得票数÷立憲野党の比例区得票数」はすべてが1未満となっており、立憲野党の票が野党統一候補に一本化されたとはいえない。
既に地方の自・共(社)一騎打ち区で立憲野党の票が一本化されたとはいえない状況について書きました。
2021年衆院選:自・共(社)一騎打ち区で立憲野党の票は一本化されたか
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484305022.html
都市部ではどうでしょうか。東京と大阪で共産・社民の野党統一候補が成立した計8区(国民民主党が立候補していた選挙区は除外)について、票の一本化指標「野党統一候補の小選挙区得票数÷立憲野党の比例区得票数」を計算してみました。立憲野党は立憲民主党、日本共産党、れいわ新撰組、社民党です。
残念ながら、票の一本化指標はすべて1未満で、立憲4野党支持者の票が共産・社民の統一候補に一本化されたとはいえません。山口県第2区や香川県第3区では票の一本化指標が0.9を超えていますが、東京と大阪ではすべて0.9未満で、平均して0.7台となっています。
念のため、大阪で立民の候補が野党統一候補になった6選挙区について同様の計算をしてみましたが、2区と8区が0.9台となったものの、残るすべてが1を超えており、確かに立憲4野党の票が一本化されたといえる状況を確認できました。
繰り返し言いますが、野党統一候補に立憲野党の票が一本化されないことは、野党選挙共同の信義にもとるものです。これは多くの選挙区で野党統一候補となる立民の候補にも影響します。共産・社民・れいわの野党統一候補に立憲野党の票が一本化されないようでは、これらの支持者が立民の野党統一候補に投票する意慾を削ぐ方向に働くからです。
今回の選挙結果に悔しい思いをしている野党支持者には、真に互恵原則に則った投票をお願いしたいものです。
太田光征
2021年11月21日
2021年衆院選:共・社への野党統一選挙区で立憲野党の票は一本化されたか(都市部)
posted by 風の人 at 17:10
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