2018年06月01日

立憲民主党に「米軍辺野古新基地の建設とガザ虐殺の新局面に喫緊の政治対応を求める要望書」にて申し入れ(2018年5月31日)

「平和への結集」をめざす市民の風は2018年5月31日、太田光征、大塚要治、吉岡滋子の3名で、立憲民主党の本多平直衆院議員(党筆頭副幹事長、安保部会長、「辺野古新基地移設方針に関する再検証委員会」事務局長)に「米軍辺野古新基地の建設とガザ虐殺の新局面に喫緊の政治対応を求める要望書」を国会議員会館事務所にて手交し、申し入れを行ってきました。

米軍辺野古新基地・ガザ虐殺要望書(2018年5月31日).pdf

(1)米軍辺野古新基地の建設について

「再検証委員会」は月1くらいのペースで開催することにしているとのことですが、要望書にある通り、土砂投入が開始される前に一刻も早く辺野古新基地反対を正式に表明されるようお願いしました。
工事の違法性などを追求することは辺野古新基地反対の正式表明前にも可能であることを本多議員も認めていらっしゃいます。本多議員はじめ多くの国会議員の皆さまがモリカケ並みにこれらの問題を徹底的に追求していただきたいものです。
辺野古の座り込み抗議者を機動隊が米軍キャンプシュワブの工事ゲート前から排除した後も身体拘束をするなどの弾圧ついては、具体的証拠をいただきたいとのことでしたので、証拠ビデオなどを提示することにします。

(2)ガザでの新たな虐殺について

安保関連では小西洋之参議院議員への自衛隊幹部による暴言、空母への改修、沖縄での米軍ヘリからの部品落下などの問題に順に対応しており、単純に手が回らないという状況があると本多議員。それに対して当方としては市民団体などと連携して迅速に抗議声明などを出せる体制を作ってほしいと要望しました。
人権侵害の事例はパレスチナに限らないし、米国によるシリアへのミサイル攻撃についても特に抗議声明は出していないということも議員は指摘されます。
特にイスラエルによる人権侵害と日本とのかかわりについて質問されたので、日本が英国とミサイルを共同開発してそれが戦争当事国イスラエルの戦闘機に搭載される可能性があること、また日本とイスラエルが軍事ドローンを共同開発するという計画があったことを説明したところ、これらの件については議員が調べるとおっしゃいました。

ガザ虐殺のように現状では有権者の関心がない領域でも世論を掘り起こしてこそ、世界の全人民の平和的生存権という憲法理念を実践することになり、引いては野党の支持拡大にもつながるのではないでしょうか。

[参考]
平和への結集第2ブログ: 立憲民主党の綱領/政策論議へ向けての要望書(2017年12月21日)
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/455699549.html

今回、市民・有権者の側から国会議員への情報提供が不十分ではないかとの印象を強く持ちました。連携を強めたいと思います。

太田光征



立憲民主党代表・衆議院議員 枝野幸男様

米軍辺野古新基地の建設とガザ虐殺の新局面に喫緊の政治対応を求める要望書

2018年5月31日


立憲主義を掲げて国会活動に尽力し、各地で草の根ミーティングを開催され、ボトムアップの民主主義発展に奮闘されていることに感謝いたします。
前回の2017年12月21日付要望書「立憲民主党の綱領/政策論議へ向けての要望書」では、立憲主義の基盤としての十全で平等な国民主権を保障するための選挙法制の根源的な欠陥を指摘し、世論を掘り起こすべき政治領域としての米軍辺野古新基地などの課題を挙げさせていただきました。
今回も前回の流れの中にありますが、この米軍辺野古新基地の建設とパレスチナのガザにおける虐殺の新たな局面に喫緊の政治対応が必要だと考え、要望させていただくものです。

(1)沖縄辺野古の米軍新基地の建設は後がない段階に

沖縄辺野古の海を埋め立てての米軍新基地の建設は、間もなく辺野古側の埋立用護岸の基礎部分が閉じられようとしており、7月にも土砂投入かという後がない状況です。
防衛省は辺野古で数々の違法工事を進めています。ほんの一例を挙げれば、沖縄県による埋め立て承認の際の条件である「留意事項」に違反して、実施設計や環境保全対策の事前協議が終らないうちに着工し、当初のサンゴ移植計画の放棄など知事承認が必要な環境保全図書の変更申請をせず、沖縄県知事の承認なく工事用仮設道路を無断造成するなど公有水面埋立法に違反し、違法なダンプトラックで工事を進めています。
違法トラックについては市民らが計4回にわたって沖縄総合事務局を通じて沖縄防衛局に指摘してきましたが、沖縄防衛局だけでなく、違法トラックを現認している沖縄県警も無視する有様です。
警察・海保による弾圧も異常を極めています。機動隊は、米軍キャンプシュワブの工事用ゲート前で座り込みをする市民を排除すると、基地フェンスと機動隊車両などで囲んだ歩道上の「簡易監獄」に閉じ込めますが、何の法的根拠もありません。最近では座り込まずに歩道でマイクピールする市民さえ根拠なしに拘束して監獄へ閉じ込めます。海上でもカヌーに乗船した抗議者の首を絞めるなどの暴力を海上保安官が働いています。
こうした権力によるむき出しの違法行為と暴力は、立憲主義政治が全力で抵抗しなければならない課題ですが、国会で取り上げるのは少数政党や無所属議員ばかりです。残念ながら、今国会で貴党の議員が辺野古に言及した質問をされたのは計3回しかなく、しかもこれらは違法工事や権力弾圧についての質問ではありません。
市民側は、怪我人も逮捕者も出しながら、必死の思いで長年にわたり基地建設の阻止に取り組んでいます。この取り組みは国内にとどまらず世界の全人民の平和的生存権を保障するための憲法実践にほかなりません。
事前協議もしないので大浦湾側の「マヨネーズ様地盤」が今ごろ明らかになったことで、工事区域の拡大を伴う土地改良工事が必要となり、巨額の税支出と大規模な環境破壊が避けられません。さすがの政府も設計概要変更申請をすると思われますが、そのためにも基地賛成の新知事誕生に死に物狂いとなるでしょう。秋の沖縄県知事選も重大な政治的節目となります。
「辺野古新基地移設方針に関する再検証委員会」の福山哲郎座長は今年2月の名護市長選挙の結果を受けて「立憲民主党は、政府・与党が引き続き沖縄県民の意思に寄り添うことなく強硬に事態を推し進めていくことに対しては厳しく対峙していく」と述べていますが、政府は既に強硬過ぎるほどの無法を重ねてきました。
今、貴党の政治責任が鋭く問われています。土砂投入が開始されて手遅れにならないよう一刻も早く辺野古新基地反対を正式に表明され、貴党の大国会議員団を在京メディアなど同行の下で辺野古に派遣して警察・海保の暴力を全国的に可視化して追求するなど――世論を掘り起こすべき政治領域とはまさにこれ――、基地建設を断念させるための議員活動と、秋の沖縄県知事選にモリカケ並みに全力で取り組まれるようお願いします。

(2)パレスチナ人への暴力を日本の政治が無視することは許されない

パレスチナ/イスラエルを巡る情勢も喫緊に政治対応が必要な問題です。
パレスチナのガザでは3月30日の「土地の日」から5月15日の「ナクバ」(大災厄)まで、国連決議でも認められたパレスチナ難民帰還権を平和的に訴える抗議活動「Great Return March」(大帰還行進)が集中的に取り組まれ、今も抗議は続けられています。
パレスチナ保健省によれば、5月16日時点で、イスラエル軍から被害を受けたパレスチナ人抗議者は計1万2844人で、うち被虐殺者は111人(うち子ども15人)、実弾被害者は3569人にも上ります。被害者の社会層別内訳は女性488人、18歳未満1129人、医療関係者228人、ジャーナリスト124人と、見境がありません。(各段落の下のURLリンク先は当該段落の出典です。)

UN votes to send war crimes investigators to Gaza | Israel News | Al Jazeera
https://www.aljazeera.com/news/2018/05/votes-send-war-crimes-investigators-gaza-180518142752946.html

この膨大な被害者1人ひとりの命と人生がイスラエルの凶行によって蹂躙されたのです。日本の商業メディアがほとんど取り上げない被害者の生の有り様を確認することは、政治対応の出発点となるものであり、そのごく一部でも、ここに跡づけておきたいと思います。
1948年に家族が土地を追われたガザ北東の故郷の村に帰りたいと切望し、家族を支えるため16歳で退学して配管工などをしていた18歳のAbed El-Fattah Abed Elnaby君は、イスラエルとの境界フェンスから遠ざかる最中に頭部を狙撃され、命と人生を奪われました。

We Are Not Numbers || A martyr forever caught on camera
https://wearenotnumbers.org/home/Story/A_martyr_forever_caught_on_camera

26歳のサンドアーティストのMohammed Abu Amrさんはガザの砂浜で「私は帰還する」の砂文字彫刻を造った翌日、殺害されました。

We Are Not Numbers || I will return
https://wearenotnumbers.org/home/Story/From_Gaza_I_will_return_Mohammed_the_sand_artist

30歳のフォトジャーナリストのYasser Murtajaさんは、2014年のガザ攻撃で家族を失ったBisan Daherちゃんを瓦礫から救助して家族のような友達になっていましたが、自身でガザを空撮したいなどの夢と10歳のBisanちゃんを残して、後述のバタフライ弾で内蔵を粉砕され、生を絶たれました。

We Are Not Numbers || Yasser Murtaja becomes hero for journalists under fire
https://wearenotnumbers.org/home/Story/Yasser_Murtaja_becomes_hero_for_Gaza_journalists_under_fire
https://twitter.com/ShehabAgencyEn/status/983672378055159808
Palestinians face explosive bullets, dangerous gas bombs | Palestine | Al Jazeera
https://www.aljazeera.com/indepth/features/palestinians-face-explosive-bullets-dangerous-gas-bombs-180501091514736.html

23歳のサッカー選手のMohammed Khalilさんは、大事な両足を狙撃されました。

https://twitter.com/vic2pal/status/998132504652603392

ガザで活動する国境なき医師団は、4月19日までの治療件数が2014年全体のそれよりも多いこと、受け入れ患者500人以上の半数が骨や組織を粉砕する弾丸による銃創を受けており、手術は複雑でガザだけで対応できない場合があり、一生涯の身体障害を負うだろうと指摘しています。

Palestine: MSF teams in Gaza observe unusually severe and devastating gunshot injuries | Médecins Sans Frontières (MSF) International
http://www.msf.org/en/article/palestine-msf-teams-gaza-observe-unusually-severe-and-devastating-gunshot-injuries

こうした弾丸は先端に何らかの隙間や穴があって、着弾すると先端が開裂して人体との接触面を増やして被害を大きくするもので、開裂性弾やバタフライ弾と呼ばれ(分類上はホローポイント弾、歴史的にはダムダム弾とも呼ばれる模様)、自らも通常弾で両足を銃撃されたカナダ人医師のTarek Loubani(タレク・ルバニ)氏は、飛ぶ音で分かると証言しています。

Meet Tarek Loubani, the Canadian Doctor Shot by Israeli Forces Monday While Treating Gaza’s Wounded | Democracy Now!
https://www.democracynow.org/2018/5/17/meet_tarek_loubani_the_canadian_doctor

ガザにあるシーファ病院のAbu Rayan Ziara医師が、被害者から取り出したバタフライ弾と被害者の銃創やX線画像の写真をツイッターで報告しています。

https://twitter.com/Medo4Gaza/status/982026158169608192

国連人権理事会は5月18日、こうしたガザ虐殺の戦争犯罪の真相究明に当たる調査団の派遣を求める決議を可決しましたが、悲しいことに日本は米英などと共に採決を棄権しました。
しかし、その英国にしても、労働党のジェレミー・コービン党首は、ガザ虐殺を非難する声明を出し、英国からイスラエルへの武器輸出の見直しを進めています。

Jeremy Corbyn - 投稿
https://www.facebook.com/JeremyCorbynMP/posts/10156442004773872

また米国でも、下院議員のマーク・ポカン氏らが、2016年のガザ入りをイスラエル当局に拒否されながらも、今回は決意をより固め、米国が資金援助する人道支援活動の評価という名目でのガザ入りを追求しています。

These Members of Congress Are Trying to Visit Gaza?Israel Should Let Them Do So | The Nation
https://www.thenation.com/article/these-members-of-congress-are-trying-to-visit-gaza-israel-says-no/

このように世界の政党や議会人が今回のガザ虐殺に何らかの対応をしている中で、日本の政党や国会議員から目立った動きが見えないのは残念です。今年の国会でガザに言及した質問はわずか1件しかなく、しかも大帰還行進期間中の質問でありながら、虐殺そのものに関する質問ではありません。
三菱電機がイスラエルの戦闘機にも搭載可能なミサイルを英国と共同開発するなどして、戦争当事国のイスラエルを本格支援しようかという日本で、イスラエルの戦争犯罪を傍観することは許されません。逆に、武器輸出三原則を復活させ、パレスチナ/イスラエル和平に率先して貢献することが、全世界の人民の平和的生存権を謳った憲法を持つ日本で必要です。日本は憲法の9条や前文の国際的理念をこそ実践し、武器ではなく憲法9条をこそ輸出できるような国にならなければなりません。
このような真の積極的平和主義の政策が与野党の差異を明確化する上でも必要であり、声明を野党共同で出されるなど、野党第一党としてガザ虐殺に対する抗議のイニシアチブを発揮されるようお願いします。


「平和への結集」をめざす市民の風
代表 太田光征
posted by 風の人 at 09:46 | Comment(0) | パレスチナ